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都心で車を持つ、メリットのある暮らしかた|FIATオーナー紹介

東京の都心に暮らしながら、モーターライフを満喫する志村さんご夫妻。夫の友秀さん、妻の玲奈さんそれぞれが車とバイクを1台ずつ所有しており、休日は一緒にドライブを楽しむことが多いそうです。 トップの写真は友秀さんの愛車「FIAT 500 Vintage(ヴィンテージ)」。2代目FIAT 500をイメージしたデザインで、2015年に発売された特別限定車です。友秀さんがこの500を購入した理由のひとつには、都心ならではの駐車スペースの問題があったといいます。 友秀さん「コンパクトな車じゃないと置けないということで、国産の軽自動車なども検討しましたが、やっぱり気分が乗らなくて。結局2007年の発売時からずっと欲しかった500に決めました。購入のタイミングでマイナーチェンジ前の最後の限定車が発売されたことも幸運でした」 玲奈さん「ルーフのホワイトやホイール、昔のロゴを使ったエンブレムなど、他にはないデザインが気に入っています。この前ドライブ中に同じ車に乗った人と偶然出会ったので思わず手を振ったら、手を振りかえしてくれました(笑)。フィアットオーナー同士って、なんだか仲間意識が生まれますよね」 今回は志村さんご夫妻が、愛車の500と過ごす休日に同行させていただきました。     車好きなら時間を忘れて楽しめる「代官山 蔦屋書店」 その日、お二人がまず向かったのは、東京都渋谷区にある代官山T-SITE。代官山では貴重な120台もの駐車場を敷地内に備え、車での来店にも適したライフスタイル提案型商業施設です。気になる駐車料金ですが、お買い物に応じた割引があるのはもちろん、今なら平日の19時以降は2時間無料で駐車可能でとってもおトクなのもうれしいところ。 ちなみにこちらの駐車場では、約70回を数える人気イベント「モーニングクルーズ」も開催されています。日曜日の朝に車好きが集まる早朝ミーティングで、テーマにあわせて貴重な車も来場するとのこと。気になる方は、テーマやスケジュールなど詳細をこちらのFACEBOOKでチェックして!   広い代官山T-SITEの中でも、お二人のお気に入りは「代官山 蔦屋書店」。お目当てはもちろん、2号館の1階にある車・バイクのコーナーです。洋書を中心に、国内外の雑誌や専門書、フィギュアやアパレルまで、車とバイクに関するあらゆるアイテムが集結。類を見ない圧倒的な品揃えで、車好きなら何時間でも過ごしたくなる空間です。   イタリアカテゴリーの書架にはフィアットの関連書籍も数多く揃っていますが、本には載っていないナマの声も気になるところ。本選びに夢中のお二人に、実際に500と暮らして実感した魅力についてお聞きしました。 友秀さん「都心の細い道でも運転しやすく、とにかく使い勝手の良い車だと感じました。日本車とは違うクセもありますが、慣れればそこもかわいいなと思っています」 玲奈さん「よく内装がステキだねってほめられます。コンパクトなボディですが乗り心地も良いですよ。名古屋まで長距離を運転したこともありますが、そんなには疲れなかったかな」   国内外の書籍をじっくり堪能したあとは、代官山T-SITEでの散歩を楽しみます。   代官山 蔦屋書店(代官山T-SITE) 〒150-0033 渋谷区猿楽町17-5 TEL. 03-3770-2525 開館時間 7:00~26:00(年中無休) http://real.tsite.jp/daikanyama/     代官山T-SITEで掘り出し物に出会える? 代官山T-SITEの中をぶらりと歩いていると、敷地内のGARDEN GALLERYで開催中の「代官山夏市」を発見。夏らしいガラスの食器やバラエティ豊かな家具などが会場いっぱいに並んでいます。   昨年、新生活をはじめたというお二人。まだ自宅のインテリアには手をつけられていないそうで、一期一会のヴィンテージアイテムに興味津々のご様子。予期しないコトやモノと出会えることも、都会のお出かけの醍醐味ですね。 ※当イベントは2018年08月14日(火) に終了しました。   T-SITEをあとにして、移動の合間に足もとをパシャリ。今日は2人ともお気に入りのコンバースのスニーカー。 実は友秀さんはデザイナー、玲奈さんはマーチャンダイザーとして、ファッションに携わる仕事をしています。その影響もあり、ご自宅にはスニーカーがたくさんあるそうですが、とくに友秀さんのコレクションは圧巻。結婚前のピーク時にはなんと1,000を超えるスニーカーに囲まれて暮らしていたというから驚きです。 学生時代は「もともと車などのプロダクトデザインを学んでいた」という友秀さん。ユニークなデザインが魅力の500を選んだ理由が、そんな経歴からも垣間見えました。     自分らしいオシャレと出会える「THE BRISK(ザ ブリスク)」 お二人が好きなショップとして訪れたのは、イタリアやイギリス、フランスなどから、50〜80年代を中心としたヨーロピアンヴィンテージクローズを取り揃える代官山の「THE BRISK」。個性的かつクオリティの高い服やバッグ、アクセサリーなどを買い付けており、ファッション好きにとっては宝箱のようなショップです。一部メンズの取り扱いもあるので、カップルでも◎   古着が大好きで、「趣味と仕事のリサーチを兼ねてショップ巡りをすることも多い」という玲奈さん。洋服を選ぶ眼差しは真剣そのもの。普段から代官山や下北沢などいろいろな古着屋をチェックしているそうです。 […]

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フィアットオーナーってどんな人? FIAT PICNIC 2018【後編】

2018 年7 月8 日(日)、山梨県立富士北麓駐車場にて開催されたFIAT PICNIC 2018。イベントレポートの後編は、特にご来場の多かったFIAT 500 オーナーさまをご紹介。ご自身の愛車の魅力やイベントの感想などをお聞きしました。 イベントレポート前編はこちら     会場に集まった多彩な500 からピックアップ   FIAT 500 1.2S SPORT 国内A 級ライセンスを持つという奥様こだわりの愛車をベースに、デコレーションコンテストに参加。テーマは「親亀の上に子亀……じゃなくて、親FIAT の上に子FIAT」。小さなチンクは子ども用の電動カート。ミラノから手持ちで持ち帰ったとい思い出の詰まった貴重なアイテムです。 「この車はコンパクトでカワイイ!でも元気なエンジンで走って楽しいところが魅力です。FIAT PICNIC は家族で楽しめるイベントで、子どもも興奮気味です。今年初めて伺いましたが来年も楽しみにしています!」     FIAT 500 ご夫婦でデコレーションコンテストに参加されたえりぽこりんさん。500 のリアゲートを開くとそこはカフェ! お二人がいつも使っているコーヒー道具がステキにディスプレイされています。500 とコーヒーへの愛が詰まったデコレーションです。 「500 の魅力はとにかくカワイイところ。いつも笑顔で私を迎えてくれる存在です。イベントはたくさんのフィアットが見られることが楽しくて、おいしいものも食べられるのでワクワクしています」     FIAT 500 VINTAGE デコレーションコンテストで2位に入賞した志村さんご夫妻。500 と暮らし始めてまだ2年未満ですが、「コンパクト」「カワイイ」「きれいなカラー」「ツインエアの性能」「おしゃれなインテリア」「女性が乗っていてもさまになる」と、その魅力にトリコのようです。 「デコレーション企画ではたくさんの投票をいただきありがとうございました! また、500 がここまで集まったのは見たことがないので壮観でした。イベント内容もよく考えられており、子どもから大人まで楽しめて良かったです!」     FIAT 600D デコレーションコンテストで栄えある1 位に輝いたのは原田愛子さん。ベースとなった600D は1960 年代の稀少なビンテージカー。購入のきっかけは、あまり人に知られていないその顔にひと目惚れしたこと。もちろん故障も多いですが、それも楽しいアトラクション。置いていても壊れるので、どうせなら乗りつくそうと、毎日運転されているそうです。 「イベントには2 回目の参加でしたがとても楽しかったです。今回はデコレーションコンテストに出たこともあり、多くの方に声をかけていただき、ステキな1 日を過ごせました」 […]

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オーナー紹介〜イタリア文化を丸ごと愛する2人の思いが、トラットリアと500に凝縮!

文=田代いたる(ベスト・イタリアン選考委員) 写真=太田隆生   店で使うおしゃれな備品を500で買い出し 真っ赤なボディに、ベージュのソフトトップが何ともスタイリッシュな500Cが、この日、『IKEA立川』のパーキングにありました。オーナーは竹内悠介さんと舞さん夫妻。ペーパーナプキン、ストロー、フォトフレームなど、今日もたくさんお買い上げのよう。『IKEA立川』には「よく来ます」と笑顔で舞さん。竹内さんも、「店で使っているテーブル周りの備品など、いつもここで買っています。イタリアに住んでいた頃から愛用していますよ」と続けます。竹内さんは、西荻窪で人気のイタリア料理店『トラットリア29(ヴェンティノーヴェ)』のオーナーシェフです。       『トラットリア29』は肉料理が評判の、西荻窪の人気店 愛車を走らせ、店に戻った竹内さん。舞さんにも手伝ってもらい、ディナータイムの準備に取りかかります。『トラットリア29』は今年で7年目。当初から変わらないコンセプトは「お肉の美味しいイタリアンレストラン」。メインはもちろん、前菜やパスタも肉料理がズラリ。その原点は竹内さんが修行したトスカーナ州にありました。 「けれど、最初の修行先にトスカーナを選んだ理由は、当時、自分の中にイメージができたイタリアで唯一の州だったから。本当に、そんな程度(笑)。元々、肉料理は好きで『州都のフィレンツェもビステッカが名物だからなぁ』って。何のツテもなく、行ってしまいました」。 最初の修業は、ビザの関係から半年の期間限定でした。「運良く、日本人シェフが在籍していた、フィレンツェの店で働くことはできたのですが、半年では全然、足りなかった。そこの先輩料理人から、存在を教えてもらったのが『チェッキーニ』でした」。そこである日、見学に出かけることに。     イタリアで『チェッキーニ』と出逢い、肉にのめり込む 『チェッキーニ』とは、トスカーナ州パンツァーノで400年(!)も続く老舗の精肉店。生の肉を卸し、販売するだけでなく、生ハムやサラミ、牛肉のタルタルなど、肉の総菜もいろいろ扱っています。店の向かいにはビステッカが名物の直営レストランも併設。竹内さんも驚いた、肉尽くしの環境がそこにはありました。 「生から熟成まで、肉料理に、これほど多彩なアプローチがあるのかと感激しました。その奥行の深さにすっかり魅せられてしまった」。 竹内さんがここで実感したのはひとつの文化。主役は肉で、町のお肉屋さんがその文化を牽引し、多くの人から愛され続けている。「いつかは自分の店を持ちたい」。イタリア料理の世界に飛び込んだときから抱いていた、竹内さんの漠然とした夢は『チェッキーニ』と出逢い、確固たる信念に変わりました。 「肉に特化した店をやる」。強い決意を胸に抱き、改めてイタリアへ渡った竹内さん。ほかの州も知っておきたいと、今度はエミリア・ロマーニャ州ボローニャで著名な『トラットリア・ダ・アメリーゴ』や、マルケ州で城壁の内にあるリストランテ『ラ・ボッテ』といった名店で研鑽を積みます。一方で、『チェッキーニ』にはずっと修業を嘆願。望みが叶ったのは、渡伊から1年半の月日が経った頃でした。     肉漬けの日々で見えてきた、肉の本当の美味しさ 「『チェッキーニ』では本当に、朝から晩までみっちり、肉(笑)。毎日7時から午前中はずっと、70歳を越える熟練職人の隣で肉を解体して、ランチタイムはレストランの手伝い。夜は夜で、また肉屋に戻って作業する。おかげで、それぞれの部位にはどんな特性があって、どういう調理が適しているのか、深く知ることができました」。 だから『トラットリア29』のビステッカは、イタリアで感激した赤身の美味しさを真っ直ぐに伝えるスペシャリテ。調味は基本的に焼き上がりに振る塩のみで、熱源も炭火。『チェッキーニ』と同じスタイルを踏襲しています。 「表面の水分を適度に飛ばして香ばしく、中はレアに仕上げるイメージ。時間はかけず、一気に焼き上げる。今日の短角牛で300gほどですが、完成まで10分ぐらい。日本で塊肉だと休ませながら焼くというイメージがありますが、イタリア人に言わせると、『それはビステッカでなく、ローストビーフだ』って言われてしまう(笑)」。       奥様との出逢いももちろん、イタリア! 『トラットリア29』は、イタリアの食文化に惚れ込んだ、竹内さんの熱意が凝縮されたレストラン。今も、年に1回は現地へ。そこで体感し、会得した、すべてが血となり肉となってお店に結実しているのです。実は、この日も2週間ほど滞在したフィレンツェから戻ったばかり。今回も、少なからず新たな発見があったようです。「新しい写真を飾らないと」。笑顔で舞さんが言いました。 そう言えば、竹内さんと舞さんが初めて出逢ったのもフィレンツェだったのでは? 「実は、よく食べに行っていた『トラットリア・ソスタンツァ』の裏手に、妻と横内美恵さんが暮らしていた部屋があって。横内さんを介して知り合いました」 横内さんは、今、『トラットリア29』の店舗を使い、別業態としてランチ限定で営業する、サンドウィッチ専門店『3&1(トレ・エ・ウーノ)』の責任者。竹内さんがフィレンツェで初めて働いた店の後任が、横内さんという縁があります。当時、彼女のルームメイトとして一緒に暮らし、ジュエリーデザインの学校に通っていたのが、舞さんでした。 舞さん曰く、「この店のデザインは、私の美大時代の先生にお願いしました。もちろん、2人のアイデアはいろいろとリクエストしています。そして、小物などを集めて飾るコーディネートは私の担当。飾る写真などは、折に触れて替えています」。     イタリア人のデザイン力に惹かれて なるほど、明るくスタイリッシュな店内は、夢を叶えてジュエリーデザイナーとしても活躍する舞さんと、竹内さん、そして美大時代の恩師のセンスの賜物。伝統的で重厚な肉料理を提供するするレストランとは思えないほど、洗練されています。実はその理由も「『チェッキーニ』の存在が大きかった」と舞さんは振り返ります。 「歴史があるお店なので、建物自体は何百年も前に建てられたままですが、『チェッキーニ』のレストランは、中に入るとビックリするぐらい、モダンにリノベーションされていた。彼らチームのデザイン力を実感しました。帰国して、店を始めるとき、最初から、そういう風にしたいねって2人で話していました」。 聞けば、トスカーナ州の代表的ワイン、キアンティの品評会でも、古い駅舎を会場に使用。外観は荘厳に、中は明るくモダンなんてことがよくあるそう。イタリアは美食の国であると同時にデザインの国でもある。そんなことを改めて思い出します。そして、竹内さんが愛車に500Cを選んだのも、イタリアへの愛の深さを考えれば、当然のことでした。     500のためのドライバーズライセンス 「ちょうど、僕がボローニャで修業していた頃、500に3代目が誕生して、街で見る度に『乗りたいなぁ』って思っていました。免許もなかったのに(笑)。イタリア人の同僚に『買ったぜ』と自慢されたときはホント、悔しかったなぁ」。 だから、運転免許取得の動機はただ一途に「500に乗りたかったから」。忙しい合間に免許を取って、店が軌道に乗った3年半ほど前にようやく、500Cを購入しました。買い出しでも大活躍する、今や『トラットリア29』には欠かせない、大切な存在です。 「かわいくて選んだカラーリングですが、後から見るとベージュが脂、ボディが赤身で、やっぱり肉になっているんです(笑)」という竹内さんに、舞さんは「彼はいつもそう言うんですけど、誰も同調してくれない(笑)」。 イタリア文化を丸ごと愛する2人の熱い思いが、『トラットリア29』の料理と店舗、そして500Cに凝縮されています。   […]

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オーナー紹介〜ウェディングのメインゲストは500

文=田代いたる 写真=太田隆生   転勤で同じ事業所になった同僚と結婚 仲睦まじく、箱根『小田急 山のホテル』のテラスでスイーツを楽しむカップル。影山僚大さんと悠里加さんは、今年6月に結婚式を挙げたばかりの新婚カップルです。共に同じ会社に勤務。3年前、僚大さんが北海道から悠里加さんのいる神奈川の事業所に転勤してきたことで出逢い、今日に至りました。最初のデートから「優しくて素敵な女性だなと感じました」と僚大さんが言えば、悠里加さんは「しっかりしていて引っ張っていってくれる、自分とは真逆のタイプ」と応えます。そんな2人がこの日、乗ってきたクルマがバニライエローの500。悠里加さんの愛車です。     500との出逢いは小学3年生 その優しいカラーリングのほかにも、車内には花も飾られて女性らしい雰囲気。かわいくディスプレーされた大小のミニカーからは悠里加さんの500への強い愛を感じます。 「小学校3年生のときに、ルパン三世の映画『カリオストロの城』を見たんです。そのとき、ストーリーよりクルマのかわいさに驚いて、ひと目惚れしちゃいました。500のミニカーを集め始めたのはその頃からですね」。 現在、20台はコレクションがあるとのこと。バレンタイン限定のミニカー付きチョコレートは毎年、欠かさず購入しています。 「僕はそのチョコ、もらったことないなあ(笑)」と僚大さん。「いつも自分で買って自分で食べちゃうから(笑)。来年はプレゼントしようかな」。     2人それぞれ、別々のイタリア車 実は悠里加さんの500に対して、僚大さんの愛車はAlfa Romeo MITO。1人1台のクルマを所有しています。MITOを選んだ理由を「妻の“500愛”に影響されました」と振り返る僚大さん。結婚を決意した後で夫婦のクルマとしてまず購入したそうです。 「展示会で見た瞬間、カッコいいなぁと(笑)。その日のうちに契約しちゃいました。妻のお陰でイタリア車に対する理解が深まっていたのだと思います。だから、妻にも『そんなに好きなら、もう1台、買ってもいいんじゃない?』って提案しました。探していたら国立のディーラーさんに、状態の良いバニライエローの500があった」。「一緒に見に行ってすぐに、『あ、買います』(笑)。私も、即決でした」と悠里加さん。   500も一緒に、箱根のリゾートホテルで挙式 2台あるから「その日の気分に合わせて乗り換えられえる」と小春日和のテラスで幸せそうに語る2人。実はここ、『小田急 山のホテル』は夫妻が結婚式を挙げた舞台でもあります。「景色がキレイ」と悠里加さんが見つけてくると、僚大さんも「歴史があるし、その風格に魅せられました」と納得。 「でも最大の決め手は何より、スタッフの方々。本当に親切にしてくださって」。当日は何と、チャペルに500を運び入れて記念写真も撮りました。中にはトリックアートのような一枚もあり、「あのときは腰が痛かった」と僚大さん、思い出し笑い。夫婦になってからも撮影も兼ね、500でいろいろな場所へ出かけています。       北海道を500で巡って 「今年の夏休みは僕の実家がある北海道へ、500に乗って帰省しました」。運転は主に僚大さんでしたが、「キビキビとスムーズに走れて気持ち良かったです」と言います。500で帰った理由については「私が説得しました」と悠里加さん。「北海道の景色をバックに、500の写真が撮りたいって思って。『メルヘンの丘』のような大自然の中でどれだけ映えるか、見たかった。いっぱい撮影してみて私が実感したのは、500はどんな場所でも絵になるということ。それが一番の魅力かもしれません。500を買ってからは、出かけることも増えたよね?」 「そうだね。今は、目的地でなく『この辺りをドライブしたい』って最初に考えるようになりました。500に乗るようになって、出かけるきっかけが変わりました」。僚大さんもフォトジェニックな500の魅力を認めているようです。     不安を払拭してくれたディーラーの心遣い 悠里加さんが長年の夢を叶えて500を購入したのは今年4月。最初は「自分でちゃんと運転できるか、少し心配だった」と言います。けれど、ディーラーの対応が素晴らしく、すぐに安心できたそう。 「納車日に、デュアロジックの操作方法などを教えてくれるために、後ろに乗って一緒にドライブしてくださったんです」と僚大さん。「おかげですごく助かりました」と悠里加さん。「そんなに運転は得意な方じゃないけど、初めて乗ったときから、私の体にフィットして、手足のように動いてくれる感覚がありました。自分に合っていると思います。女性でも気軽に乗れるクルマですね」と操作性の魅力も体感しているそう。さらに「服装でお洒落するようにクルマもお洒落な方が楽しいと思うんです」。これには僚大さんも同感。「僕もクルマ選びには、自分の中のこだわりを反映したつもりです」。2人の絆は、同じ価値観を共有することでも深められています。     新居の完成を待つ2台の愛車 「今の500は廃車になったとしても、庭にずっと飾っておきます!」と溢れる“500愛”を語る悠里加さん。現在2人は来春の完成予定で、一軒家の新居を計画中。「ミニカーのショーケースとか、業者さんといろいろなアイデアを詰めている段階」だと言います。「最初はスペースの有効活用で縦列を予定していたんですけど、『お互いのクルマがちゃんと見えた方がかわいいよね』と意見が一致。結局、無理矢理、横に並べられる駐車場をお願いしました」と僚大さんも笑っています。 さらにもう一つ、2台がリビングから見えることもリクエストしているそう。悠里加さん曰く「ご飯を作りながら、ソファに座りながら、いつでも眺めていたいから」。新居に並ぶ2台の愛車はきっと、2人の幸福を象徴する存在になることでしょう。       『小田急 山のホテル』 芦ノ湖と富士山、箱根の絶景が楽しめるリゾートホテル。広々とした庭園はツツジ、アジサイ、バラ、紅葉など、四季折々の植物を楽しめることで有名。また寛ぎの場として愛され続けてきた1階にある「ラウンジ・バー」では、正統派の「アフタヌーンティー」やホテル特製スイーツなどが楽しめる。2017年11月12日までは、「箱根スイーツコレクション2017秋」参加スイーツ「秋季箱」(本文参照)を提供。   SHOP DATA 店名 『小田急 山のホテル』 住所 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80 電話番号 […]

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オーナー紹介〜FIAT 500に乗って、友達とジェラートが待つ八ヶ岳へ

文=友永文博 写真=太田隆生   きっかけは北海道行きの船の上 8月最後の週末、緑の高原の中、駐車場に停まった赤い500が遠くからでもよく映えます。「僕が塩原さんと初めて会ったのは、2台のバイクで妻と北海道へツーリングに向かう船上でした」。そう語るのが、先の500の持ち主・鈴木岳比古さん。同じテーブルに座る塩原幸彦さんも「僕も同様に友人とツーリングに出かけるところだったんです。30時間以上の船旅ではやることも少なく、自然と意気投合しました」と笑います。     場所を変えながら、30年を超えて続く交流 鈴木さんは塩原さんより10歳上。しかしそんな年齢差を感じさせないフラットなやり取りが印象的です。今では塩原さんの2人の娘さんも含めた家族ぐるみ、30年以上のお付き合いとか。その間、鈴木さん夫妻はずっと東京近郊住まい。一方、塩原さんは長野、上海、現在は青森県に単身赴任と仕事の関係で転居続き。この日、お2人が会っていたのは、塩原さんの幼馴染・横内洋祐さんが3年前に始めた八ヶ岳で人気のジェラート店『八ヶ岳Sereno』です。2組の家族は時に国を隔てても、行き来をずっと継続。今年会うのはGW以来の2度目、前回もこの場所だったと言います。     「目的があって予定を立てて、会っているわけじゃないんです。以前も奥様の石川の実家に帰る途中、高速道路のSAで落ち合ってお茶しただけ、ということも。この店ができて鈴木さんとも随分会いやすくなりました」と塩原さん。「スキーやキャンプにご一緒したり、諏訪の御柱祭りに参加させてもらったり、塩原さんは僕の遊びの先輩です。最近は、ジェラートを食べながらたわいない話を2、3時間して『じゃあ、また』って別れる場合がほとんどですね」と鈴木さん。「2次会はないのですか?」と尋ねると「ないですよ。また会えますから」。そしてこう続けます。「先々週も家内とここで数時間を過ごしました。好きなジェラートを食べるためだけに、わざわざ500を運転してやって来るのも楽しいもの。オーナーの横内さんからは『ずいぶん贅沢なジェラートですね』って笑われますが」。     音響メーカーのデザイナーだった鈴木さんは早めに会社をやめ、フリーでプロダクトデザインを手がけたり、多彩な趣味に力を注いだり。また乗り物はバイクから車へシフト。基本的に小回りの効く小型車を乗り継いできました。そして還暦を前にした6年前、ラッキーカラーの赤い車を探していて見つけたのが、この限定マジェンタカラーの500。即断で購入したそうです。以来、自分の仕事のわがままを快く許してくれた奥様・眞喜江さんと、好きなとき大切な人たちに会うために、なくてはならない相棒に。さらに、気分転換のためのもう一つのプライベートスペースでもあります。鈴木さん曰く「車中ではiPhoneにダウンロードしたジャズかビートルズの曲をよく聴いています。今は500のない生活は考えられないですね」。     『八ヶ岳Sereno』から小渕沢の『Wood note』へ しばらくすると『八ヶ岳Sereno』に鈴木さんの奥様の実弟、中川喜文さん夫妻が合流(なんと石川県の自宅からドライブ!)。大勢の笑い声が聞こえてきます。ただ鈴木さん夫妻には、もう1カ所、久しぶりに顔を出したい場所があるようです。塩原さんたちに別れを告げ、2人は小淵沢方面に向かいました。行き先は、友人の加藤成彦さん夫妻が営む家具工房とカフェを併設した『Wood note』。自作の素敵なウッドテラスに立って、加藤さんが鈴木さん夫妻をにこやかに迎えます。     東京で電機メーカーの広報・宣伝を長く担当された加藤さんは、前から決めていた通り55歳で早期リタイア。飛騨高山の木工の専門学校で2年間の寮生活を送りながら技術を取得。今はこの小淵沢へ居を移し、木工家具の注文製作を行っています。鈴木さんとは共通の複数の友人を通して知り合ったのだとか。「なぜか八ヶ岳周辺に友人が多く集まるんですよ」と鈴木さん。     昨年の正月に見舞われたハプニング 実は鈴木さんと加藤さんには、忘れられない出来事があります。それは昨年の正月2日。いつものように『八ヶ岳Sereno』を訪ねた帰途、ここ小淵沢で突然、鈴木さんが運転する500に不具合が。東京まで戻れるか不安だし、どこもクローズだしということで、急遽、加藤さんに電話。加藤さん宅までなんとか走らせて、修理業者が引き取りに来るまで預かってもらったのだそうです。 「息子さんたちも帰省しているご家庭に突如お邪魔して、おせち料理までご馳走に。正月のハプニングにも嫌な顔一つせず受け入れてくださった加藤さんに本当に感謝です」。そんな鈴木さんの話を、加藤さんがニコニコしながら聞いています。 ほどなくして、先ほど一緒だった鈴木さんの奥様の弟さん夫婦も到着。3家族の楽しい語らいが始まりました。     愛車のドアは3枚までがいい 気のおけない友人や好きな場所へと向かうため、距離など気にせず愛車を運転。ごく自然体でいながらも、そんな愛情あふれる、好奇心旺盛な日常を送る鈴木さん夫妻。塩原さん曰く「何をするわけではなく、一緒にいるのがとても心地いいんです。だから皆さん、お2人に会いたくなるんじゃないでしょうか」。 「実は500に乗る前に10年間、初めて4ドアの車に乗っていました。でもこの500に乗って、僕のクルマのドアはやっぱり3枚まで、“2ドアハッチ”がいいなあと改めて実感。そんな走る楽しみをもう一度、思い出させてくれたのがこの車なんです」と鈴木さん。隔たる距離を物ともしないタフな相棒、赤い500を伴ってのロングドライブはまだまだ続きそうです。       『八ヶ岳Sereno』 毎朝手作りされるジェラートは通常9種ほど。隣の堀内ファームの高原野菜や近隣の果樹園の果実などをふんだんに使用。その味わい深さとさっぱりした後味が評判に。今の季節は「ぶどう」「洋ナシ」「カボチャ」のほか、こだわりの低温殺菌牛乳を使用した自信作「搾りたて牛乳」などがオススメ。軽食・喫茶も可能。   SHOP DATA 店名 『八ヶ岳Sereno』 住所 長野県茅野市玉川11398-291 若葉台団地上エコーライン沿い 電話番号 0266-75-1013 営業時間 10:00〜17:00 定休日 火・水曜(1月〜4月中旬は土・日曜のみ営業、7月20日〜8月末は水曜のみ休) Webサイト https://www.facebook.com/yatsugatake.sereno/ […]

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オーナー紹介〜娘が生まれて、僕のFIATが家族のFIATになりました

文=田代いたる 写真=太田隆生   500Xで友人のカフェを訪ねて 松本さんファミリーはサッカー好きのご主人・考史さんと、妻の明子さん、娘・多未ちゃんの3人家族。この日、ご家族の姿は自宅からクルマで15分ほどの『オクムサ・マルシェ』にありました。ここは食事や喫茶ができるほか、地元の食材や工芸品を扱う話題の店。実はマルシェのオーナー、浅見敦さんは10代の頃にフットサルチームで考史さんとボールを蹴り合った仲で、3年前のオープンの際にも、店づくりのDIYを一緒に手伝ったのだそう。2人は笑顔で語り合っています。 そして今年4月に考史さんが家族のために購入したクルマが500Xです。     乗り継いだ2台のフィアット 今年で40歳になる松本考史さんは根っからのFIAT好き。初めて出逢ったのは、20代のときで、当時を懐かしそうに振り返ります。 「プントでしたが、もうひと目惚れ。たまたま雑誌を見ていたらHGTアバルトが掲載されていまして。それで、カタログだけ見て、試乗もせずに購入してしまいました。25歳の頃です。気に入ったのはデザインと、それからスペック的な部分も。ユーザーの方のレビューを読んで、それでもう『これだ!』と思ってしまいました」。 2台のプントを乗り継いだ考史さん。やはりFIATが好きということで、次に選んだのはパンダでした。 「その頃はまだ独身で、ラフに車を乗り回したいという気持ちが強くありました。道具感覚で乗るにはパンダのようなクルマがいい。そう思ったんです。気に入って、結局、10年ぐらい乗っていました」。     結婚は3年前。知人の紹介で明子さんと出逢い、ほどなく家族になりました。「趣味が多彩で、経験も豊富だったところに惹かれた」という明子さんに、「しっかりしていて自分に必要な存在と、なんとなく初めから感じていた」という考史さん。そんなおふたりの間で可愛らしく座る娘さんが多未ちゃん。今年9月に2歳になったばかりです。     家族が増えてクルマを乗り換えることに 「多未が生まれて、もっと広いクルマにすべきだと思うようになりました。いろいろ見て回る中で、やっぱり好きでしたから、フィアットが見に行きたくなって、おそるおそる『どうかなぁ』とディーラーへ行くことを妻に相談したら、すんなりOKを出してくれた(笑)」。 ディーラーは10年前にパンダを買ったとき以来の訪問でしたが、当時の営業担当が店長になってまだ在籍しており、さらにはメカニック主任も同じ人。「当時、サッカーの話をよくしていたからですかね」。2人とも、考史さんのことを覚えていてくれたそう。そのときに試乗したクルマが500Xでした。「10年前のクルマと比較したから余計にだと思うのですが、パンダとまた違うインテリアの質感にまず驚きました。走ってみるとFIATらしいエンジンのトルク感も感じられて、『いいクルマだなぁ』と。妻も、良さを認めてくれました」と笑顔で語る考史さん。明子さんも微笑みながら言います。 「私自身はクルマの知識が全くないのですが、主人のこれまでの愛(笑)というか、熱い思いはよく知っていましたから」。     最近では、明子さんも時々、500Xを運転する機会があるそう。 「安定性をすごく感じます。運転しやすい気がする」。考史さんも「そう、確かに」と応えます。「最初は3ナンバーですし、全幅も広く、見た目でも大きいと思っていたのですが、乗ってみると小さく感じるというか、取り回しの良さを、私も実感しました。大きいけれど、パンダに乗っているときと、それほど変わらない感覚で運転できる。先日、軽井沢に3人で行ったのですが、山道でも走りやすさを実感しました。ターボのパワーに余裕を感じましたし、長時間、座っていても少しも疲れなかった。やっぱりシートがいいんです」。     たくさんの経験があれば、人生の幅もグッと広がる 軽井沢を目指した理由は、『おもちゃ王国』があったから。体を動かすことが大好きで、テレビに出てくるキッズキャラクターもお気に入りの多未ちゃんに喜んでもらおうと家族で向かいました。「楽しかったよね?」と愛娘に問い掛ける明子さん。多未ちゃんもお母さんの優しい声に、穏やかな表情で応えます。すると真顔になって考史さん。 「個人的な意見ですが、幼いうちから、他人と違うものに触れさせるって意外と大事だと思うんです。いい経験になる」。そうして育まれるのは感性。多未ちゃんの将来にきっと、物を言うはずです。 「他人と同じである必要は全くないということですよね。たくさんの経験があれば、人生の幅はグッと広がる。そこは大切に育てていきたい」。 「こだわりある主人のお陰で、私の世界も広がりました」。今度は明子さんが真顔になりました。   相棒500Xと共に迎える、新たな命 愛娘の将来を見据えつつも、ハッピーな日々を送る松本さん一家。明子さん、実は現在、妊娠7カ月とのこと。「予定は12月です」と考史さんが言えば、「多分、男の子」と明子さん。 「出かけるところもきっと変わってきますよ。男の子ならキャンプは連れていきたいですし、サッカーも一緒にやりたい。多未は今も気が向けばボールを蹴ってくれて、それはそれで嬉しいんですけど(笑)」。 そう言って多未ちゃんの頭を優しく撫でる考史さん。500Xとともに暮らす、松本ファミリーの夢は広がる一方のようです。 『オクムサ・マルシェ』 店のコンセプトは「小さな道の駅」。都内でグラフィックデザイナーをしていた浅見さんが、東京出身の奥様と一緒に地元に戻り、実家の農機具倉庫を改造して2014年オープン。1階がテーブル席と食材の販売、2階が工芸品ギャラリーとフリースペース。30年以上蕎麦屋を営んだお祖父様直伝の蕎麦料理や、地元の有機農家の食材を使った薬膳料理が評判。   SHOP DATA 店名 『オクムサ・マルシェ』 住所 埼玉県入間郡越生町小杉756 電話番号 080-9973-5457 営業時間 11:00〜17:00 定休日 水〜金曜   […]

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LIFESTYLE

オーナー紹介〜「ルパン三世」作画監督が語る、相棒FIAT 500との秘密

文=髙橋 勝也 取材協力=叶 精二   アニメーター、そして作画監督として、長きにわたり日本のアニメーション界をけん引している大塚康生さん。 数え切れないほど手がけた作品の中でも、特に有名な作品のひとつが「ルパン三世」。 大塚さんが作画監督として手がけた映画「ルパン三世 カリオストロの城」で500が大活躍するシーンは、フィアットファンにとって特別な場面といえるでしょう。 自身もフィアットファンである大塚さんに、かつての愛車Nuova 500との思い出のカーライフを語っていただきました。   初めての500は、日本第1号車 アニメーション業界やファンの間で、無類のクルマ好きとして知られる大塚康生さん。そんな大塚さんが初めてフィアットオーナーになったのは、55年以上前のこと。 「若い頃、某国産車に乗っていました。ある時、馴染みのセールスマンから『今度、フィアット 500を取り扱うことになったんです』と聞き、実車を見る前に予約しました(笑)。購入の決め手は、デザインのかわいさとルーフがオープンになること。あと、大好きなリアエンジンだったことですね」。そして、大塚さんから驚きの発言が。「そのセールスマンが言うには、僕が初めて乗った500は日本輸入第1号車。つまり、僕が日本初の500オーナーみたいなんです」。 「いままでに乗ったクルマの中で、500が一番楽しかった!」と語る大塚さん。ホワイト、クリーム色、水色と3台乗り継ぐほど、500の魅力にのめり込んだそうです。     500といっしょに、日本各地をドライブ 「500とは、本当にたくさん遊びましたね」と笑顔で語る大塚さん。 日本各地を500で旅したことは、いまでも忘れられない楽しい思い出で、なかでも一番印象に残っているのは、九州へ行ったことだとか。「当時は、まだ高速道路も完備されていなかったので、東京の自宅から九州まで、ずっと下道でドライブしました。毛布を1枚載せて、車中泊をしながら何日もかけて旅行をしたことは、いまでもいい思い出です」。 そんな楽しい旅の中、フィアットオーナーならではのハートフルな出逢いもあったよう。「行く先々での、人との出逢いも楽しかったですね。その頃、日本にほとんど500が走っていなかったこともあって、声をかけてくる人が多かったですね。すぐに、意気投合したりして。ヒッチハイカーの高校生を乗せて、ドライブしたこともありましたよ」。 人と人との出逢いを生む。そんなフィアットの個性は、いまも昔も変わらないようです。         作品に描く、クルマ選びのポイント 仕事場まで、愛車の500で通っていた大塚さん。名作『ルパン三世 カリオストロの城』に登場する500は、常に愛車がそばにある環境の中で描かれたそうです。 「スタジオの窓から見えるところに500を停めていたこともあって、スタッフみんなで僕の愛車を見ながらスケッチをしていましたね。当時、僕の500は薄い水色だったんです。ルパン三世の500を黄色にしたのは・・・思いつきですかね(笑)」。日本のアニメーションにおいて、自動車の個性やモデルの特徴を初めて描き分けた草分け的な作品と言われている「ルパン三世」。 細部までこだわって、クルマを描いてきた大塚さんに、車種の選び方のポイントについて聞いてみました。「大切なのは、シンプルな形で描きやすいこと。そして、特徴的でキャッチーなことです。そういった意味でも個性的な500は、作品に描くのにピッタリでした」。 ときにスピーディーに、ときにコミカルに。まるで生き物のように走り回るアニメーションの中の500には、500の陽気な個性と大塚さんの楽しい経験が、たっぷりと活かされているのでしょう。         アニメーションの制作においても、そしてプライベートにおいても、大塚さんにとって欠かせない存在となった500。 インタビュー当日は、奇しくもフィアットの創立記念日である7月11日。しかも、その日は大塚さんの86歳の誕生日でした。そんな記念の日に、いまも愛してやまない500との思い出をにこやかに語る大塚さんの瞳は、まるで少年のようにキラキラと輝いていました。           大塚 康生 Yasuo Ohtsuka 1931年生まれ。アニメーター・作画監督。日本初のカラー長編アニメーション映画『白蛇伝』で動画・原画、『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)で作画監督を務めた。『ムーミン』『ルパン三世』映画 『ルパン三世 カリオストロの城』『未来少年コナン』『じゃりン子チエ』などで作画監督を歴任。 50 年以上にわたり制作スタジオや専門学校で後進の指導を担い、高畑勲氏、宮崎駿氏を筆頭に幾多の人材を育成した。おもな著書に『作画汗まみれ』(徳間書店、文春文庫)、『大塚康生の機関車少年だったころ』(クラッセ)、『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店、高畑勲氏・叶精二氏らと共著)ほか。 自動車をこよなく愛しており、これまでに3台の『500』を所有。ルパン三世での500の活躍は、自身の体験に基づくところも多い。その他、フィアット車では『850』のオーナーとなったこともある。 […]

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NEWS

1,000人が集合! 「CIAO FIAT! 10th BIRTHDAY 2017」

文=増川千春 写真=太田隆生   1,000人を超えるFIATオーナー&ファンが集合 FIAT 500のバースデーイベントが、7月9日、千葉県のキャンプ場「一番星ヴィレッジ」で開催されました。現在のモデルが日本で走り始めたのが、2007年7月4日。それから記念すべき10周年となる今年は「CIAO FIAT! 10th BIRTHDAY 2017」と銘打って、例年以上に盛大なお祝いとなりました。 今回参加したFIATのオーナーやファンの方々は1,000人以上。天候にも恵まれたこの日、雲ひとつない青空のもと、色とりどりの500をはじめとするFIAT車が続々と詰め掛け、会場は徐々にヒートアップ! スペシャルMCを務めたハイキングウォーキングのおふたりによる開会宣言とともに、にぎやかな一日がスタートしました。     ユニークなアイデア満載! 思い思いに愛車をデコレート とりわけ目を引いたのが、愛車をフィーチャーした「MY FIATコンテスト」。オーナー自らがフルにセンスを発揮して、500の車体をデコレーションし、来場者の審査によって、ベスト3が選ばれるという内容。ずらりと並んだ力作の周りには、常に人だかりと歓声がいっぱい! オーナーさん同士の“FIAT愛”にあふれた会話にも花が咲き、活気ある盛り上がりを見せていました。           500を愛し、人生を楽しむ、個性豊かなオーナーたち 道を走るという目的を超えた車とのつながりが、さらに新しい好奇心を運んでくる——500のオーナーさんに共通するのは、そんなライフスタイルのストーリーです。群馬県から参加した高橋優華さんは、イタリア生まれならではのフォトジェニックなデザインに惹かれて人生初の車に決めたそう。そしてこれから海に出かけて、愛車の写真を撮りたいと目を輝かせていました。     また、コンパクトなサイズ感や色も魅力。東京都の上條さんご夫妻は、愛犬によく似ているとひと目で気に入った限定カラーを購入。後部座席に乗せた愛犬との距離感が近いので、ドライブ中もコミュニケーションがとりやすく安心感があると教えてくれました。 そのほか、メンテナンスしながら大切に乗るヴィンテージ派、独自の色やデザインを施すカスタム派など、マニアックな楽しみを追求する上級者もたくさん。まるで人生のパートナーのように車を愛する姿が、とても印象的でした。         多彩な催しが目白押し。一日はあっという間に過ぎて 中央に構えたメインステージをはじめ6つのブースでは、500の10回目のバースデーにふさわしい多彩な催しが用意されました。スペシャルライブにまず登場したのは「よかろうもん」のみなさん。アカペラコンテストのハモネプにも出場したことのある、5人組のアカペラグループです。メンバーは全員同じ高校出身ということで、息の合った素晴らしいハーモニーを会場のみなさんに届けてくれました。     次に登場したのは世界的バイオリニストであり、初代500トポリーノのオーナーでもある古澤巌さん。暖かな初夏の風に乗った古澤さんの生演奏は、時間を忘れさせるような優雅なひとときとなりました。     メインステージのほかにも会場内には、イタリアにちなんだカフェやフードカーが並び、バンジージャンプやワークショップなどといったアトラクションもあちこちに。ランチタイムには料理研究家・本田よう一さんによるイタリア風カレーが来場者のみなさんに提供されました。     そしてまた、会場に集まったみなさんで取り組むアクティビティも大盛況。その中のひとつ「ダンシング玉入れ」は、かごに見立てた500 を目がけて、一斉にボールを投げるゲーム。約200名が2チームに分かれて、エキサイティングに勝敗を競いました。     さらにクライマックスにはパパイヤ鈴木さんが登場。この日のために創作いただいたオリジナルの「FIATダンス」が披露されました。500のバースデーをみんなで祝おうとメインステージに集まった方々に振付をレクチャー。わずかな練習時間でしたが、会場が一体となってダンスを踊りきり、笑顔と拍手に包まれました。     10周年のラストはよかろうもんの音頭で、参加者全員が「ハッピーバースデー」をイタリア語で合唱。同じFIAT車に乗る仲間でつくり上げた特別な一日はあっという間に過ぎ、オーナーやファンの方々は名残惜しそうに会場をあとに。また来年、同じ価値観を共有する仲間と自然の中で楽しく祝う夏の日を満喫できたら、こんな素晴らしいことはないですね。Ciao!       ====   古澤巌さん、パパイヤ鈴木さんなど […]

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LIFESTYLE

オーナー紹介〜詩人・谷川俊太郎さんが語る「クルマへの愛」

文=和田紀子 写真=加瀬健太郎   フィアット500のために書き下ろした詩 500の10年目の誕生日を祝って、500のオーナーでもある谷川俊太郎さんから、なんとオリジナルの詩のプレゼントが! それが以下に掲載させていただいたもの。人間と同じように感情を持った500と家族との物語が目に浮かぶようで、本当に素敵ですね。そこで本日は、谷川さんと車のこと、あれこれもう少し伺いたくて、杉並にあるご自宅を訪問しました。     谷川さんの車ヒストリー 幼稚園の頃から車が好きで、自分の車を持つのが夢だったという谷川俊太郎さん。 「一番最初に買った車がシトロエンの2CV。その後、モーリスのオックスフォードのワゴン、モーリス1100とイギリス車を乗り継いで、そろそろ気分を変えてイタリア車に乗ってみようかと購入したのが、フィアット1100でした。中古で、確か薄いブルーみたいな色だったかな。それが1960年代の東京オリンピック前後くらい」   ——フィアットのどんなところが気に入ったのでしょうか? 「全体にアルミっぽくて軽かったの。あとはキビキビした走りの感じがすごくよくて、それが僕の中でのイタリア車の印象になっているんです。なんだか温かくて人間味があって、イタリアの国の感じがイタリア車には出ていますよね」     そして再びフィアットへ その後は「僕、浮気症だから」と国産車をはじめ、さまざまな車を乗り継いで、再びフィアットに戻ってきたのが90年代。 「Puntoのカブリオレでした。当時はまだトップが電動で開くタイプが珍しかったんです。その後、もう2台Puntoに乗って、2台目はオートマティックのミッションがすごく良くて気に入っていたんですが、だんだん年を取ってくると、車は小さいほうが楽だっていうので、5~6年前に今の500に買い替えました。“ワカモレ”という名前で売り出された限定車で150台しかなくて。僕、アボカドが好きなもんだから、そういうのもあって、なんとなく買っちゃったんです」   ——乗り心地はいかがですか? 「オートマなんだけどシングルクラッチだから自分で操作している感じがあって、それがけっこう気持ちがいいのね。あとは水を冷やすファンが付いていないのかな? っていうくらい静かで、おとなしいのもすごく気に入っているところです」     車って自由。だから新しい発見がある 現在は、都内での移動はもっぱら地下鉄で、車に乗るのは、北軽井沢にある山の家に行くときくらいだそう。約160㎞の道のりを、休憩を一回挟んで約2時間かけて運転していきます。   ——谷川さんにとっての車とは、そうした「目的地への移動」や「移動手段」以外に、どんな意味があるのでしょうか? 「まず基本的には『個人の移動の自由』というのがありますね。鉄道やバスといった公共の交通手段は、他人といっしょくたで、時間も決まってしまっています。でも車なら、思い立ったらいつでもどこへでも出かけられる。しかも、韓国の釜山と九州の間にフェリーがあれば、ヨーロッパまで車で行けるかもしれない……。そして、車が走っていくというのは、風景をパーンしているわけです。スピードに合わせて、風景がどんどん切り変わっていくのがすごく気持ちがいい。それが僕の書く詩にも影響しているんじゃないかと思います。風景が流れていったり、突如として違う風景が現れたりする。そういう経験は歩いていてはできない、車ならではのものだと思いますね。そんなふうに流れていく風景の中で音楽を聴くと、部屋の中で座って音楽を聴くのとでは、まったく違ったものに聴こえます。音楽を聴く場所としての車というのが僕は好きなんですね。聴くのはもっぱらクラシック。カーステレオがなかった時代から、ポータブルのラジオをぶら下げて、運転しながら音楽を聴いていました」     ——車の中を自分の部屋のようにカスタマイズしたりするのでしょうか? 「そういう趣味は全然ないですね。ただ、以前アメリカに朗読旅行に行ったとき、僕の詩の翻訳者であるアメリカ人の車に乗せてもらったら、それがワーゲンのワゴンで、なんと掘り炬燵がついていたんです。そこでみんなで喋ったり、ご飯を食べたり。それはすごく楽しかったんだけど、僕にとって車というのは、できるだけシンプルで機能本位なものであってほしい。だからフィアットが好きなんです。スピードも正直どうでもよくて、デザインのほうに惹かれます。それも、メカとしてよりも、パッケージとしてのデザイン。そういう意味では、実は今、一番興味があるのが軽自動車なんです。ギリギリの空間をいかに有効活用するか、非常によく考えられている。ああいうミニマルな世界というのはすごく日本に合っていると思います」   ——500の空間についてはどうですか? 「ちょうどいいですね。若い頃は大荷物で移動することもあったけど、今はどんどん物を少なくしていきたい。断捨離です。なので、あのくらいで全然満足。今の自分の年齢と暮らしにすごくフィットしていると思います。年を取ると欲がなくなります。もういい車を欲しいとも思わない。今は死ぬまで500に乗ろうみたいな感じです。こちらから免許を返納するつもりは全然ありませんから(笑)」       Shuntaro Tanikawa 1931年東京生まれ。詩人。1952年第1詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。「Punto」をはじめフィアット車を長く乗り継ぐ。現在の愛車はアボカドグリーンがさわやかな「500 ワカモレ」。 […]

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