fiat magazine ciao!

#500

LIFESTYLE

人生を変えたフィアット|FIATオーナー紹介

鳥取県にお住まいの西浦智美さんは、夫の将彦さんと揃って大のフィアットファン。 所有するクルマはフィアットの500(チンクエチェント)とPanda(パンダ)、さらにアバルトの595 Competizione(595 コンペティツィオーネ)の計3台。フィアット好きが高じて、フィアット専用シフトノブメーカー「ラフィータ(La FIT+a)」までスタートしたという筋金入りのおふたりです。         フィアット専用シフトノブのメーカーを立ち上げ   「フィアットに乗るようになってから、『なんでも新しいこと、楽しいことをやってみよう』が家族の合言葉になりました。私が主人に『500のシフトノブをつくってよ』と声をかけ、『いいねぇ、やってみようか』と返ってきたのがすべての始まりです」と智美さん。 それから約3年。職人の手作業による日本製にこだわったラフィータの木製シフトノブは、いまでは日本各地のお客さまから『木ならではの握り心地で、運転するのが楽しくなった』と嬉しい声をいただくまでになりました。     「ラフィータのテーマは、世界中のフィアットに乗る人がもっと楽しくなるような、もっと笑顔になるような商品を作ろうということ。そして何より、自分たち自身が楽しむことを大切にしています。これからももっとドライブが楽しくなるラフィータらしい商品を産み出していきたいです」         初めて見た500のルックスにひと目惚れ   智美さんがフィアットと出会ったのは、ある偶然がきっかけでした。 もともとクルマ好きで、とくに輸入車への憧れがあった智美さんが最初に乗ったクルマはオペル・ヴィータ。ある日、家族で岡山をドライブしているとたまたまタイヤがパンクしてしまったそうです。 そのパンクした場所が、なんとオフィシャルディーラー「フィアット岡山」の前。 「他メーカーのクルマにもかかわらず親切に修理をしてくださり、その間に500とアバルトの595を試乗しました。鳥取にはフィアットディーラーさんがないので、初めて見るそのクルマのかわいさにひと目惚れです。完全に恋に落ちました(笑)」     「最初に買ったのは黄色い500 1.2 Pop。でもやっぱり初めて乗ったツインエアのあの感触が忘れられず、1年後にはPandaを買っていました。そして最近はアバルトも……。とにかくもう、イタリア車にしか興味が湧かなくて」 3台の使い分けをたずねると、「家族4人とペットと出かけるときにはPandaが多いですね。 500は2人の場面が多く、娘との買い物や息子の送り迎え、主人と乗るときも500です。一人で走りたいときはアバルトでしょうか」との答え。なんとも贅沢です。     智美さんの心を捉えたのは「なんといっても日本車にはないデザイン」でした。 「クルマは移動だけのものではなく、生活を豊かにするもの。フィアットには、私を元気にしてくれる、笑顔にしてくれる力がある」と強く感じられたといいます。 「Pandaはツインエアエンジン。音もかわいくてパタパタ駆け抜ける感じが愛らしい。後部座席の窓が手動なのがお洒落で、ダッシュボードの物入もすごく便利です。そしてアバルトはエンジンをかけた時の音でまずニヤリ。そして走り出してからの2速から3速への疾走感がたまりません。まだまだミッションはうまくないんですが楽しんでいます!」 所有する3台ともに共通する魅力は、とにかくお尻がかわいいところだそう。「私たちはこの黄色い500を『キキちゃん』と呼んでいますが、名前を付けたくなるくらい愛着があるし、どこに行っても自分のクルマが一番かわいく見えちゃいます」と笑う智美さん。         フィアットが私の世界をひろげてくれる   智美さんはフィアットと暮らし始めてから、「とにかく人生を楽しむようになった」と自身や家族の変化を感じています。 「フジロックに家族で行くようになったり、いろんな場所に旅行に出かけるようになったり、500に乗るようになってからアクティブになりました」 家族みんなでよく出かける場所は、同じクルマつながりで仲良くなったというPandaオーナーさんのスパゲッティ屋さん。「日本全国、クルマと人がつながっていく、これもまたフィアットの魅力」だといいます。 去年は北海道に家族旅行に行き、レンタカーの500C(チンクエチェント シー)で小樽~札幌市内を走ったそうです。「初めて乗るオープンカーの開放感と小樽運河も良い思い出です」      次に狙っているのは、そんな思い出のドライブで楽しんだ500Cだという智美さん。「オープンカーが1台欲しいんです。鳥取の海沿いを風を感じて走りたい」と、ワクワクを抑えきれない様子です。 4台目を迎える日も近いかもしれませんね。   […]

CULTURE

大切なのは日常を楽しむこと。イラストレーター 伊吹春香さんインタビュー

花という意味のイタリア語「Fiore」の名を冠した限定車、500 Super Pop Fiore(チンクエチェント スーパー ポップ フィオーレ)のイラストを手掛けたのは、鳥取県在住のイラストレーター伊吹春香さん。レトロな雰囲気を基調に、可憐さや儚さ、切なさが詰まったオリジナリティのあるイラストを描く伊吹さんに、ご自身のクリエーションやフィアットとのコラボレーションについてお聞きしました。         描きたくなるのは、人や自然の美しさに触れたとき   — 伊吹さんがイラストレーターになったきっかけを教えてください。   子どものころから絵に携わる仕事がしたいと思っていました。最初は漫画家になることが夢だったんですが、中高生くらいでイラストレーターという存在を意識し始めて……。 初めての仕事は、20歳のときに知人の梨農家さんに依頼されたパッケージシールのデザインでしたが、正直仕事というよりお手伝いをするという感覚でした。当時は自分が本当にイラストレーターになれるなんて思っていなかったので、制作環境も整えておらず、アナログで描いた絵をwordでデザインして、家のコピー機で印刷した紙に両面テープと撥水シートを貼ってシールにするというものすごくアナログなことをしていて(笑)。でも今思えば、あれが最初の「イラストでお金をいただく」という行為でしたね。   その数年後、『イラストレーション』という雑誌の誌上コンペ“ザ・チョイス”で漫画家の江口寿史先生が審査員の際に応募、準入賞をいただき、それがきっかけで本格的にイラストの仕事をしたいと思うようになりました。 といっても、鳥取の広告代理店でDTPデザイナーとして働きながら副業でときどき依頼を受けて絵を描くような生活でしたが、去年思い切って退職。東京のビッグサイトで行われた「クリエイターEXPO」に出展して、イラストレーターとして本格的に活動を開始しました。     — イラストレーターとして、どのようなものからインスピレーションを得ていますか?   人と自然だと思います。 人の日常の営みを見るのが好きで、ふと目に留まった家の窓辺が植物できれいに飾られていたり、窓を開け放して玄関先を掃除している人を見たり、夕飯時に包丁のトントンいう音が聞こえたり、朝友達が化粧をしているところを見たり……そういうものに興味があって、見ているだけでわくわくしてきます。 また、自然のなかにある花や木の色がきれいだったり、空が広く感じたり、風が気持ちよかったり、ふといい匂いがしたり…そういう自然の美しさを感じるときも絵を描きたくなります。       — 鳥取で活動されていることはご自身のクリエーションに影響を与えていますか?   やっぱり自然がきれいなところでしょうか。人が少ないこともあって静かで、穏やかな感じです。そんな素朴な感じが絵柄にでているのかもしれません。海も山もあって、温泉もあって、刺激はないけど癒やしスポットは沢山あります。 昨年鳥取の定住にまつわるポスターの絵を描かせていただいたのですが、そのときはキャッチコピーも考えて、鳥取の良さとはなんぞやと考え直したんですけど、改めて自分はここの風土がとても好きなんだなぁと。もはや意識レベルではなく、毛穴レベルで無意識の内に影響されているんだと思います。 あと、たまに「都会への憧れを感じる絵」だと言われることがあるので、田舎にいることで“都会”という未知への憧れを持ち続けることができるのかもしれません。       — レトロな雰囲気の女の子を描かれることが多いですね。   明治・大正に活躍した竹久夢二や、現代の林静一さんなどの抒情的な絵の世界観が子どものころから好きで、自分もこんな絵を描きたいなぁという思いからだんだんと影響されてきました。かわいいな、おしゃれだなと反応するものがレトロな雰囲気のものが多いので、自然とそうなったんだろうなと思います。     — イラストレーターとして大切にしていることは?   当たり前ですが、自分の絵柄は保ちつつ、お客さまのご要望にしっかり応えていくことが大事だなと思っています。言われたままのことをするのではなくて、自分なりの解釈やエッセンスを加えていった方が喜んでくださることが多い気がするので。 正直プレッシャーもありますしまだまだ未熟な部分もあるのですが、そこは逆にあまり意識せずに楽しんで描いた方がいい結果になるように感じています。この心がけを忘れずにやっていきたいです。   あと、イラストとは全く関係ないようですが、日常生活を楽しもうとすることも大事な気がします。料理や掃除、洗濯とか……自分なりの「美」を意識しながら取り組むと気分も上がるし、結果的にやる気も出てくる気がします。   […]

LIFESTYLE

気になるクルマでわかる、あなたの心理。フィアット色診断

あなたが「いま乗りたい色のフィアット」はどれ? 5色のクルマから直感で選んで! それぞれの色に秘められた意味やパワー、選んだ人の性格や心の状態などを、色の専門家である七江亜紀さんにお聞きしました。 ボサノバ ホワイトの500 アモーレ レッドのPanda ミント グリーンの500 アバター ブルーの500X モード グレーのPanda       あなたが選んだのは ボサノバ ホワイトの500(チンクエチェント) 清潔感や信頼感といったクリーンなイメージが強い色、ボサノバ ホワイト。健康であるために大切な色といわれており、また白の真っさらな状態は、物事の始まりを印象づけます。 そんなボサノバ ホワイトを選んだあなたは、正義感が強く純粋で正直者。ただ少々理想が高く無駄なことを許せない完璧主義なところがありそうです。意志が強く、一生懸命なあなたにとって、ボサノバ ホワイトの500は、ホッと一息をつかせてくれるバディになってくれます。つい頑張り過ぎてしまうあなたの心を一旦リセットし、そして新たに始まる生活を見守ってくれることでしょう。   いちいちかわいいコンパクトカー 「500」の詳細はこちら       あなたが選んだのは アモーレ レッドのPanda(パンダ) 人をエネルギーに満ち溢れさせるアクティブな色がアモーレ レッド。他のどの色よりも強い刺激があり元気や勇気を与えてくれます。 そんなアモーレ レッドを選んだあなたは常に決断がはやく活動的。前向きで何事にもチャレンジする気持ちが強いでしょう。もしくはこれからそうなりたい、そう強く願う人かもしれません。アモーレ レッドにはその人の熱意を存分に引き出す力があります。パフォーマンスを高めるアドレナリンの分泌が活発になり、気力と体力を強化させ頑張ろうとするあなたをより引き上げます。ただし欲望のエネルギーが集まりやすく本能のまま動いてしまうこともあるので、癒しとなるグリーンを置くなど、上手に赤のパワーと付き合っていくことが大切です。   実力派コンパクト 「Panda」の詳細はこちら       あなたが選んだのは ミント グリーンの500(チンクエチェント) 常に調和や安心感を与えてくれるミント グリーン。森や木など、自然の色でもあるので気持ちを穏やかにし、心に癒しを与えてくれます。強い主張はなく、どこか控えめ目。他の色とバランスがとりやすいのも特徴です。ただ自己主張が少ないため、周囲の色に左右されがちなところがあります。 そんなミント グリーンを選んだあなたは、揉め事が苦手で平和主義かもしれませんね。きっと自分の感覚をとても大事にしていて、気遣いのある優しい人でしょう。自然体の自分でいたい!そう願う人にぴったりのミント グリーンの500。いつも優しく寄り添ってくれることでしょう。   いちいちかわいいコンパクトカー 「500」の詳細はこちら […]

NEWS

毎年恒例のイベント「FIAT PICNIC」が、史上初のオンライン配信で開催!

『FIAT 500』の誕生日である7月4日に配信された「FIAT PICNIC 2020」! 史上初めてオンライン配信での開催となった本イベントは、日本全国のフィアットファンはもちろん、イタリアファンや自動車ファン、そして出演者のファンなど、大変多くのみなさんにご覧いただき、大盛況となりました。今回は、その模様をダイジェストでご紹介します。   イタリアを感じるコンテンツが満載! 青空の下、毎年開催されてきた「FIAT PICNIC」。 今回12回目を迎えた本イベントが、史上初めてのオンライン配信で開催されました。 『FIAT 500』の誕生日である7月4日に開催された本イベントは、バースデーソングからスタート! 駐日イタリア大使であるジョルジョ・スタラーチェ大使閣下やFCAジャパン代表取締役社長兼CEOのポンタス・ヘグストロムからのメッセージも届き、序盤からお祝いムード満点! さらに、ミニチュアアーティスト・みすみともこさんが制作してくれた小さな小さなバースデーケーキも、お祝いムードに花を添えてくれました。 みすみさんからは「先日、友人と“500”いいよねぇと話していたばかりなんです。 なので、今回の作品がお届けできてとても嬉しいですし、運命を感じました。 バースデーケーキも、クイズのプレゼントのイタリアンジェラートや板チョコもすべて一点ものなので、手にした方は大切にしていただけると嬉しいです」とコメントをいただきました。   青空とそよ風を感じるバイオリンの音色にうっとり 「FIAT PICNIC 2020」の最初のコンテンツには、世界的バイオリニスト・古澤巌さんが登場。 本イベント3度目の参加となる古澤さんのライブに、観ているみなさんも、現場のスタッフも大満足。イタリア映画「ニューシネマパラダイス」のタイトル曲をはじめ、清々しさと爽快感、そしてノスタルジーを感じる素晴らしい楽曲を披露。 その音色は、オンラインを介しても変わらぬ感動をお届け! 「青空とそよ風を感じることができた」「涙が出た」「イタリアを感じた」「またイタリアに行きたくなった」など、たくさんのうれしい感想をいただきました。   豪華賞品がいっぱい!フィアットクイズ 「FIAT PICNIC 2020」では、正解者の中から抽選で200名様に豪華商品がドドーンと当たる「フィアットクイズ」を開催! フィアットの歴史やモデルに関する問題はもちろん、マニアックな問題、そして調べてもなかなか答えが見つからない問題まで幅広く出題。 初級編・中級編・上級編に分けて各3問ずつ出題されたクイズに、難しすぎるというコメントも。しかし、フィアットオーナーやフィアットファンからは大好評! 今回しか手に入らないアイテムやレア商品が当たるということもあり、番組中はもちろん、クイズ解答の締め切り間近まで、大変多くのご解答をいただきました。   ステイホームで大注目!吉川めいさんのヨガ対談は必見 フィアットがすべての女性を応援するプロジェクト「ciaoDonna」の一環として行われたHAPPY LIFE トークを「FIAT PICNIC 2020」内で配信。 ゲストに、日本人女性初のインド総本山KPJAYI公認アシュタンガヨガ・インストラクターである吉川めいさんをお迎えして、今日からできるヨガや呼吸法などをレクチャー。 そして、日々の心構えや心のあり方など、まいにちをよりハッピーに過ごすためのヒントをお話しいただきました。 女性のみなさんはもちろん、ステイホームの状況が続く中、運動不足やストレスでお悩みの方にとっても、見逃せないコンテンツとなりました。   大人気アーティストが初遭遇!話題満載の気になるトークに注目 フィアットのプロジェクト「#MyFirstFIAT」に出演中のVRアーティスト・せきぐちあいみさんと、2014年のカリカチュア世界王者である田中ラオウさんという、いま世界中から大注目のおふたりによるトークショーが奇跡の実現! アーティスト活動をはじめたきっかけやアートの魅力、自身の作品についてなど、注目の話題がいっぱい。 せきぐちあいみさんからは海外でパフォーマンスしたときのエピソード、また田中ラオウさんは似顔絵をうまく描くコツなど、興味深い話が続々。 なかでも「人物を描くとき、特に大切なのは髪の毛を含めた輪郭なんです」という田中ラオウさんの意外な言葉に、一同ビックリ! これからのおふたりの活躍にますます注目したくなる、楽しいトークが繰り広げられました。   動物好き必見!素敵なペットライフを過ごすためのヒントを紹介 フィアットオーナーやファンにも、動物好きは多いはず。そんなみなさんへ、ペットライフをより楽しく、より豊かに過ごすためのヒントをご紹介するコンテンツをご用意。 月間6億回の再生回数を誇る大人気ペット総合メディアPECO(ペコ)の望月奈々海さんと、動物保護団体アニマルレフュージ関西(ARK)の秋山晴奈さんが対談。 ペットを迎え入れる際の注意点やライフスタイルに合ったペット選び、ペットにまつわる現在の環境のことなど、様々な情報をご紹介。 […]

NEWS

VRアートで描く「和」の世界への想い。せきぐちあいみさん インタビュー

シンガーソングライター、イラストレーター、俳優、フォトアーティストなど、様々なシーンで活躍するフィアットオーナーと、フィアットとの出逢いを描くプロジェクト「#MyFirstFIAT」。その最新作に出演中のVRアーティスト・せきぐちあいみさんが、今回描いたのは「和」の世界。 伝統と革新の世界を愛するせきぐちさんが、今回描いたVRアート、そして愛車『500 TwinAir Lounge』への思いについて、お話を伺いました。   「和」の世界に込めた思い 先進技術を用いて描き出すVRアート。しかし、最新作の#MyFirstFIATでせきぐちあいみさんが制作した作品は、その真逆とも思える「和」の世界。「和」のモチーフを選んだ理由、そして本作品への思いについて、お話を伺いました。     「“和”って、とても抽象的。辞書で調べると“和やか” “協力し合う” “調和が取れている”という意味が出てくるんですけれど、それも含めて“和”って、私たちの心の中にあるイメージなんだと思うんです。日本人ならではの、素敵な感覚というか。私は、昔からある日本ならではの景観や伝統工芸を描くことで、そう言った“和”の世界を表現したいと思い、今回の作品を制作しました。日本にある伝統文化とか工芸品って、まったく古いものではないと感じています。 そもそも、古いとか新しいという感覚自体が、近年生まれた感覚で、ちっぽけなものさしだと思うんです。長い歴史の中で、古いものを守り続けたものではなく、その時々で変革を起こして新しいものを創り続けてきた最新作の積み重ねが、いまの伝統につながっていると感じています。なので、私はその素晴らしい伝統的なものを、VRというテクノロジーで描くことで、これまでにないアートを表現したいと思いました」。       VRで描く理想の世界 先進テクノロジーというイメージが強いVRアート。しかし、せきぐちさんの中では、アナログ的要素の強いものだと感じているとのこと。その理由について、お聞きしました。 「歴史を振り返ると、いつの時代も常に新しいものに挑戦し続けている。10年後、きっと私自身もいまは想像もしていないことに挑戦していると思います。変わらない良さの中で、いままでにない挑戦をしていくことで、より良いものを創っていけたらと感じています。 実は、そういうところって、フィアットと共通している部分だと思っています。昔から愛されている良さを守りながらも、新たな技術やデザイン性をドンドン取り入れている。クラシカルさと新しさが上手に融合していて、とても素敵だと思います」。     「また、私が使っているVRの機材にも、似たところがあると思っています。実は、最新のテクノロジーを採用しつつも、コントローラーをペンやブラシのように使って描いていくというアナログ的な要素が強いんです。パソコンに向かって、座って描いているというよりは、直感的にペンやブラシを使って描いているという感覚。そこは、人間の手描き感が活かせると思っているので、自然とか温かみのあるものを表現する方が面白いと感じています。 私は、今回描いた“和”の世界観は、VRとの相性がすごくいいと思っています。 VRって360度、全方向で別世界に連れて行ってくれるので、今後の目標としては、命とか温度とか、そういうものを感じてもらえるような作品を描いていきたいと思っています」。       VRで描く理想の世界 作品によって、幅広い世界観を描いているせきぐちさん。VRアートを制作する際、心掛けていることとは何か。そのポイントを尋ねました。 「VRアートって、絵を描くというよりは、世界を創っていくこと。その新たな表現方法で、みなさんをワクワクさせるとか、想像力を高めるとか、感性を刺激するとか。そういう作品になるよう意識しています。 今回制作した#MyFirstFIATの作品は、日本の伝統文化と最先端テクノロジーという両極端なものを融合しました。いま私が描きたい、みなさんの心に響かせたいという思いで制作しました。 何が古い、何が新しいということではなく、心がワクワクするものを描きたかったんです。日本の伝統文化とか美意識って、本当に素晴らしいですし、無条件に私たちの心が惹かれるものだと感じています。なので、そういった部分を取り入れながら、最新テクノロジーだからこそ描ける表現で、さらに奥行きを持たせるようにしました」。       改めて感じる500の魅力 #MyFirstFIAT第2弾ムービーの撮影で訪れた千葉県香取市・佐原市。小江戸としても知られるこの街の風景に、とても興味を持ったというせきぐちさん。一体、どのような点に惹かれたのか。この街の感想をお聞きしました。 「とにかく、すごく素敵なところでした。めちゃくちゃよかったですね。江戸情緒あふれる印象もあって、街全体で美しさを守っていこうという雰囲気を感じました。理想の場所というか、今回制作したVR作品の世界観にピッタリでした。場所も建物も、心からリラックスできる。日本建築の良さはしっかりと残しつつ、いまの時代にフィットした快適性もある。ここに住みたい!と思う場所でした。 また、改めて気づいたのですが、佐原のような風情を感じる街並みにも500はマッチする。どんな景色にもなじむことができるというのも、500の魅力のひとつだと感じました」。     「500がパートナーになってから、ドンドンかわいくなっていくというか、ドンドン好きになっていくという感覚がありますね。どこにいても、そこに500がいることで、その景色をより華やかにしてくれる。そんな印象を持っています。 また、500は乗り物とか機械という感じではなくて、もっと別の愛着が持てる存在。世の中には、かっこいいクルマや機能性に優れたクルマがたくさんあるけれど、それは500だけの特別な魅力だと感じています」。       いまから楽しみな500との遠出ドライブ せっかく500オーナーになったのに、まだ遠方へのドライブができていないというせきぐちさん。しかし、すでにドライブの目的地候補は決めているとのこと。せきぐちさんが楽しみにしているドライブスポットをお聞きしました。 「ぜひ行きたい場所は、山梨県にある“久保田一竹美術館”。何度か訪れたことがあるのですが、これまでは高速バスに乗って行っていました、なので、500といっしょに行けるのはとても楽しみですね。 ここは、世界中で愛されていた染色家・久保田一竹さんの美術館なのですが、展示されている染物を見ると、その深みや鮮やかさに“これが、人間の手で創り出したものなのか!”と思うくらい感動して。次回は、家族といっしょに訪れたいと思っています。また、近くにあるスポットも巡れるというのも、ドライブならではの醍醐味だと感じています」。     「あと、神奈川県の津久井湖にも行きたいですね。ここは、私が生まれ育った場所。アクセスも悪いし、昔は身近すぎて、その魅力に気づかなかったんですけれど、大人になってからその魅力を再認識。都心から日帰りで行けるし、自然の中でリフレッシュできる素敵なスポット。普段、デスクワークが多いので、本能的に自然を求めているのでしょうね(笑)。おすすめの場所なので、ぜひみなさんも行ってみてください」。   […]

DRIVING

夏のクルマの注意点は? フィアットの点検&メンテナンス事情

外出自粛でこの春はあんまり愛車に乗らなかったなぁ、という人も多いのではないでしょうか? あっという間に梅雨入りして、気がつけばクルマにとって過酷な季節、夏もすぐそこに迫っています。 実はこうした季節の変わり目は、しっかりと点検やメンテナンスをして、愛車の調子を整えてあげたいタイミング。「あんまり乗ってないから大丈夫」という思い込みは危険信号です。   クルマには、走っていなくても傷んだり消耗する部品があったり、汚れてしまう、動作が鈍くなる、などの劣化が進むこともあるもの。そのままにして、高温多湿でクルマに大きな負荷がかかる過酷な夏を迎えると、重大な故障につながってしまうかもしれません。 そうした故障を未然に防ぎ、いつも快調に走ってもらうには、年に一度の法定点検だけでなく、季節の変わり目に点検&メンテナンスを習慣にすると安心感が高まります。そうすると、故障の予兆ともいえる細かな異音や変化を見つけやすく、大事に至る前にリペアできるから、実はお財布にも優しいんですね。       フィアットを知り尽くした「TECマエストロ」とは?   今回は、フィアットを知り尽くしたメンテナンスの達人、「TECマエストロ」の資格を持つエンジニア・田野倉哲士さんに、フィアットならではのチェックポイントや夏に向けての注意点を教えてもらいました。フィアットのオーナーさんはもちろん、愛車に気になることがあったり、夏にドライブを計画している人も必見です。     まず、フィアットのTECマエストロとはどんな資格なのでしょうか? 「フィアットはエンジンやトランスミッションなど、独特な機構を持つ技術が多いので、愛知にある研修センターでそれらの仕組みや構造、動作、制御システムなどを実車と座学でみっちり勉強します。すべてを理解し、効率的かつ正確な問診からトラブルシューティングができることと、お客様にそれをわかりやすく説明できるスキルを持ったエンジニアに与えられるのがTECマエストロという資格です」(田野倉さん) 豊富な実務経験も求められるため、まさにフィアットのプロフェッショナルと認められたエンジニア。そうしたプロの目で愛車をチェックしてもらえるのが、正規ディーラーの大きな魅力です。専用テスターやコンピューターを使ってのメンテナンスなどもスムーズにできるほか、メーカーからの情報もダイレクトに入ってくるため、正確かつスピーディー。部品の調達も確実です。お客様自身ではなかなか気がつきにくい不具合を発見できたり、メーカーならではの保証がつくのも頼もしいですね。         フィアットならではのチェックポイントは?   ただ、初めての点検やあまり慣れていないオーナーさんは、いったいどんな点検をするのか、時間はどれぐらいかかるのか、費用も高いんじゃないの? なんて、ちょっと不安があるかもしれません。 「点検は、法律で定められた項目にプラスして、フィアットならではの消耗しやすい部品や、故障が出やすいところなどを重点的にチェックします。なにも大きなトラブルがなければ2時間くらいで終わりますし、費用も3万円〜5万円くらいですね。ビックリするほど高額、ということはないと思います」(田野倉さん)     ちなみにフィアット車ならではのチェックポイントとは、ツインエアエンジンのプラグの消耗がやや早めだったり、ブレーキパッドの減りが少し早めなので、こまめに見てあげるとのこと。また、500のドアを開けた時にボンネットの方から「ウィーン」という音が聞こえるのは、デュアロジックというトランスミッションの油圧がちゃんと上がっている合図なのですが、それを故障かなと勘違いする人もいるそう。むしろ、音がしなくなった時の方が要注意なので、そうした小さな疑問も放っておかずに、TECマエストロに相談して欲しいと田野倉さんは言います。 「定期的な点検はもちろんですが、遠出をする前には必ず顔を出してくださるお客様もいらっしゃいますので、難しく考えずに身近な相談相手のような感覚で来ていただけると嬉しいですね」(田野倉さん)       イタリア車は壊れやすいって本当?   昔はそれこそ「イタリア車は壊れやすい」なんて都市伝説みたいな話がありましたが、今はどうなんでしょうか? 「確かに昔は、高温多湿の日本の気候に合わず、弱い部分があったり、その対応も不十分だったところもあったと思いますが、今は同じグループにクライスラーも入って多国籍化したり、日本での販売ノウハウも蓄積されてきたこともあり、定期的にメンテナンスさえしていれば、日常のアシとしてガンガン使えると思います。メーカー保証も3年または走行10万kmと長いですし、エクステンデッドワランティープログラムでさらに2年間の延長も可能なので、安心です」(田野倉さん)     では、梅雨から夏にかけての今の時期だからこそ、気をつけたいポイントやオススメのメンテナンスは何かあるのでしょうか。 「梅雨に入るとワイパーを使う頻度が高くなりますので、もし前回の交換から1年以上経っていたり、ビビリ音が出ていたりする場合には、早めに交換することをお勧めします。また、これから夏にかけてはエアコンを多用しますので、その前に点検をしておくと安心です。エアコンが故障すると、部品の入荷なども含めて修理に時間がかかる場合がありますので、余裕を持った点検が大切だと思います」(田野倉さん) そのほか、オーバーヒートが起こりやすいのも今からの季節。サブタンクやサーモスタットの小さなクランク、クーラントの量が減っている場合などもオーバーヒートの原因となるため、必要なら補修/補充して万全な状態にしておきたいですね。もし気になるようなら、フィアット/アバルト東名川崎では無料点検も行なっているので、まずはそうしたサービスから利用してみましょう。         フィアットならではの豊富なサポート   また、フィアットでは無償・有償さまざまなメンテナンスプログラムが用意されています。新車登録から3年間または積算走行距離10万kmまでをカバーする修理プログラム、3年間・365日・24時間いつでも頼れるロードサービスは無償で付帯。有償でさらに2年間の延長プログラムもあります。 2年目までの法定点検とその部品交換が無料となる「フィアット”イージーケア”」や、タイヤのパンクや新品タイヤへの交換費用が2年間保証される「フィアット”タイヤケア”」など、有償のプログラムも合わせて活用すると、大きな安心が手に入りますね。   こうした万全のサポート体制と、フィアット車のプロがお客様一人ひとり、1台1台に必要な点検やメンテナンスを提供することで、思いきり楽しいカーライフを届けたい。そうした想いで、TECマエストロをはじめスタッフ全員がお客様を迎えてくれます。この機会にぜひ、夏に向けての愛車の点検&メンテナンスにトライしてみてはいかがでしょうか。   サービスプログラムの詳細はこちら       […]

LIFESTYLE

#ciaoDonna by FIAT x 大手小町 かんたんストレッチ

自宅で過ごす時間が増え、在宅勤務が続く女性も多いと思います。いつもと違う暮らしが続いて、ストレスや運動不足を感じることもあるでしょう。そんな時に、体を整え、気持ちを穏やかに保つにはどうしたらいいのでしょうか。そこで、ヨガインストラクターの吉川めいさんに、自宅で簡単にできる運動不足とストレスへの対処法を教えてもらいました。   お家ヨガで、呼吸と姿勢を整えて プラスのことに焦点を合わせて、ストレス緩和 まず、簡単なストレス緩和法をご紹介しましょう。こういう時に、できなくなったことや失ったものばかりを考えてしまうと、それがストレスの原因になります。「家にいる時間が増えて、自分がチャレンジしたいことができる」「子どもと一緒にいられる時間が増えた」など、プラスのことに意識の焦点を合わせましょう。ストレスを感じたら、意識を切り替えてプラスのことを考えるようにすることが大事です。   1日20分のヨガで心が整う ヨガの良さは、体を動かすだけでなく、意識的な呼吸を行うことにあります。体をほぐして気のめぐりを良くし、意識的な呼吸を行うことで、心のメンテナンスができます。今、不安で心がザワザワしている、寝つきが悪い、つい家族や子どもに当たってしまうという人は、1日20分、ヨガの時間を持つと、呼吸が整い、姿勢が良くなって、いつもの自分に、そしてよりポジティブな自分に近づくことができます。これから、いつでもどこでも簡単にできる呼吸法とヨガのエクササイズを紹介しますので、ぜひ試してみてください。   均等呼吸法 ヨガの考えでは、呼吸は微細な生命エネルギーです。私たちの体は放っておくと緊張したりこわばったりしますが、意識的に呼吸をコントロールすると、気のめぐりを落ち着かせることができるので、体がゆるんで、ほんわかします。この呼吸法は、家でも、車の中でも、歩きながらでもできるので、ぜひやってみてください。   1. 頭のてっぺんが一番高くなるように、すっと背筋を伸ばして立ちます。目を閉じて、自分の呼吸を感じることに集中しながら、鼻から大きく吸って、口から吐きます。気持ちが落ち着くまで、この呼吸を繰り返します。 2. ここからは、鼻から吸って鼻から吐く呼吸法になります。目を閉じて、今ある息を全部吐き出します。4カウント(1カウント1秒)で吸って4カウントで吐きます。4回繰り返したら、一度ゆったりと大きく吸って、吐きます。 3. 次は、8カウントで吸って8カウントで吐く呼吸になります。背筋を伸ばし、今ある息を全部吐き出したら、8カウントの呼吸を4回繰り返します。倍の長さで吸うので、1回に吸う量は4カウントの半分にします。最初に吸う量を少なめにして、8カウント全部を使って均等に吸うように意識するとうまくいきます。吐くときも同じようにします。 4. 4カウントの呼吸に戻して4回繰り返します。終わったら一度大きく吸って、吐いて空っぽになるのを見届けたら、体に自然な呼吸をさせてあげましょう。ゆっくりと目を開きます。   スリーステップウォームアップ これは太陽礼拝のポーズの準備になるヨガ・エクササイズです。4カウントで鼻から吸って、4カウントで鼻から吐く均等呼吸をやりながら、体の中心軸の要である腰の屈伸運動を行うことで、全身の気のめぐりがじわーっと良くなって、体がポカポカします。 1. 足を揃え、まっすぐに立ち、手を下ろします。ここで、胸を張りすぎないように注意しましょう。軽くあごを引いて、目線を鼻から下の方に落とします。 2. 4カウントで吸いながら、真横から手を上げて頭の上で手を合わせます。目線は手の親指を見ます。 3. 4カウントで吐きながら前屈します。体が硬くても、できるところまで前屈すれば大丈夫です。 4. 吸いながら、90度くらいまで体を起こし、顔を上げます。 5. もう一度、吐きながら、無理なくできるところまで前屈します。 6. 吸いながら、手を横から上げて上に伸び、2の姿勢に戻ります。 7. 吐きながら、手を横に開いて下ろし、1の姿勢に戻ります。     牛の顔のポーズ(上半身) パソコンを長時間使っている方が多いので、腕、肩のストレッチになるように、牛の顔のポーズ(ゴムカーサーナ)の上半身の部分を紹介します。ぜひ、パソコン仕事の合間にやってみてください。 1. 椅子に背筋を伸ばして座り、右手を上げて頭の後ろに回します。左手を左肩下から後ろに回し、右手の指先を握ります。左右の手が届かない方は、フェイスタオルを細長く巻いたものを右手に持って垂らし、左手でタオルをつかんで引き合います。 2. この姿勢のまま、できれば少し上を見上げるようにして、4カウントで吸う、4カウントで吐く均等呼吸を5呼吸行います。 3. 次に、左右を逆にして、同様に行います。         車に乗るときも、ヨガでほぐしを 腰を中心に刺激を入れて、体を整える 人との接触をなるべく避けるために、電車やバスを使わずに自分の車を運転するようになった方も増えていると思います。私も運転が好きで、車にはよく乗るので、運転の合間にできるストレッチとヨガ・エクササイズを紹介します。車に乗る前や休憩中、車を下りた後にこれらのエクササイズをやって体に正しい刺激を入れると、長時間運転しても疲れがたまりにくくなります。   […]

LIFESTYLE

みんな、教えて。思い出のドライブ

おうち時間が続くなか、また自由にお出かけできる日に思いを馳せて、クルマ好きのクリエイターたちに、思い出のドライブ、行ってみたいドライブについてお聞きしました。   INDEX エディター・ライター 坪田あさみさん 花屋ŒUVRE 田口一征さん、岩永有理さん モデル・フードスタイリスト 田中知彩都さん SISTER MARKET オーナー 長谷川茜さん フォトグラファー 枦木功さん     エディター・ライター 坪田あさみさん   — 思い出に残っているドライブについて教えてください。   これまで3カ月に一度は箱根、熱海、伊東、修善寺などの温泉地にクルマで出かけていました。 逗子に引っ越ししてからは東京に住んでいた時よりも横の移動だけで楽なので、気軽に温泉地へクルマで出かけられるようになりました。大抵一泊二日で行きます。(最後に行ったのは年始の修善寺でした) 写真は去年の春夏に行った箱根と熱海です。行く時は沼津あたりでお寿司を食べたり、小田原でお気に入りのコーヒー屋さん「BLEU COFFEE STAND AND BAR」に行ったり、平塚のソウルフード「ラオシャン」でタンメンを食べたりします。毎回行く定番コースです。     夏は大磯ロングビーチにあるスパ「THERMAL SPA S.WAVE」もお気に入りです。インフィニティプールでぷかぷかしているだけでリラックスできます。(THERMAL SPA S.WAVEの紹介記事はこちら)     134号線での移動はお天気もいいと富士山が見られてとても気持ちがいいです。 日常と少し離れ、美味しいものを食べ、リゾート気分も味わえ、リラックスして楽しめるから温泉ドライブはやめられません!     — 自由にお出かけできるようになったら、どこへ、どんなクルマでドライブしたいですか?   ちょっと遠出して二人の故郷である関西(私は大阪、夫は神戸なので)に立ち寄りつつ、さらに足を伸ばし四国の方までクルマで旅したいです。 その時乗ってみたいのは「Panda」。過去に夫が友達とPandaで淡路島を一周回る旅をしたそうで、その時の楽しかったことを思い出し、現行のPandaに乗って一緒にぐるぐる旅したいと言っています。四国の美味しいものをPandaで巡りたいです。       坪田あさみ(エディター・ライター) 大学卒業後、出版社勤務を経て独立、女性誌や広告、カタログを中心にエディター・ライターとして20年以上活躍。的確な文章と美しい誌面作りに定評があり、30〜50代まで幅広い世代のファッション好きから支持される。3年前に東京から湘南地域に移住。普段のファッションやビーチライフ、インテリアなどをインスタグラムでも公開。夫とともにオムライスとオムレツサンドの専門店「サンダウナー 東京オムレツ」も経営する。 Instagram […]

CULTURE

唯一の筑前琵琶職人ドリアーノ・スリスさんの思い

日本の「ものづくり」文化継承を目的としたNPO法人「メイド・イン・ジャパン・プロジェクト」とのコラボレーションによって、日本の優れた伝統工芸品に新たな光をあてる活動「FIAT × MADE IN JAPAN PROJECT」を展開するフィアットが、今回注目したのが「筑前琵琶」を守る活動。 雅楽の演奏など、日本古来より親しまれている楽器・琵琶の中のひとつ「筑前琵琶」は、いま絶滅の危機に瀕しています。その筑前琵琶の製作と修復ができる唯一の職人が、イタリア人のドリアーノ・スリスさん。 琵琶の音色に魅了され、孤軍奮闘し続けるドリアーノさんに、琵琶との出逢いから今後の活動、そしてこれから思いについてお話を伺いました。     琵琶との出逢い イタリア・サルディーニャ島出身のドリアーノ・スリスさん。現在、イタリア語や文化を教えるイタリア会館・福岡の館長であるとともに、筑前琵琶の製作・修復をする職人として活動を続けています。イタリア出身のドリアーノさんが、どのようにして琵琶と出逢ったのか、その経緯についてお聞きしました。 「ローマに住んでいた頃、日本人の妻と出逢い、1974年に日本を訪れました。そして、半年ほど経った頃、ラジオから流れて来た音色に衝撃を受けたのが、琵琶との出逢いでした。独特かつ不思議な音色が、とても魅力的に感じました。日本人にとっては古典的な音かもしれませんが、イタリア人の私にとってはいままでに聞いたことのない、とても現代的な音色に聴こえたのです。 ラジオで聴いた琵琶の音色が忘れられず、友人の紹介で当時日本唯一の筑前琵琶職人・吉塚元三郎(よしづかげんざぶろう)先生の工房を訪ねました。その時、福岡県の無形文化財であった吉塚先生に“弟子はいるのですか?”と質問したところ“ひとりもいない”という答えが返ってきました。そこで“私に教えてください”と言うと、吉塚先生が私の顔をじっと見た後“明日から来なさい”と。それが、琵琶職人としての第一歩になりました」。     吉塚先生に弟子入りした後、様々なご苦労があったとのこと。そのエピソードについてお聞きしました。 「当時の私は、日本語があまり話せなかったので、コミュニケーションを取るのが大変でした。しかも、師匠は博多弁しか話さなかったので、とても難しかったです。博多弁は、語尾に“たい”とつけるのですが、その意味が分からなくて。吉塚先生の言った言葉を、よく辞書で調べていましたね。 それと、道具の役割や種類、使い方を覚えるのに苦労しましたね。力任せに道具を使ってケガをしたこともありましたが、徐々に学んで上手に使えるようになりました。 琵琶の修復をする度に道具の大切さを知り、いまでは道具を自分で作ることもあります。 弟子入りしてから、最初の半年は辛いこともありましたが、その後はとても楽しくて。いまでも、琵琶に夢中です」。     琵琶修復への思い 吉塚先生のもとで5年間修行し、現在も琵琶の製作と修復の活動を続けるドリアーノさん。琵琶職人として、どのようなこだわりがあるのか尋ねました。 「私は、修復ということにこだわっています。修復とは、修理するだけではなく、元の状態に戻すこと。バチが当たって傷ついた部分があれば、琵琶の上に濡れた雑巾を載せ、その上に焼きごてを当て、蒸気を木に押し込むことにより少しずつ凹みを戻していくのです。時間がかかっても、作られた当初の状態に再現することにこだわっています。 例えば、木の“ねじ”が壊れてしまった場合、同じ素材の古い木材を探して来て、それを削って“ねじ”を作ります。 しかも、細かな細工がされている小さな部品があったり。それを修復するのに3日も4日もかかることもあるのですが、そうした作業をしていると、琵琶を作った人の想いが感じられるんです。それも、修復の醍醐味のひとつ。とにかく時間がかかるのですが、私にとってはこういう複雑な部分も魅力なのです。 また、琵琶という楽器は部品を組み立てて作るのではなく、木の塊を削って作っていきます。ひとつ一つカタチも音も違うのです。そのため、私は琵琶のことを“音の出る彫刻”と呼んでいます」。     「また、現存する琵琶も完全なカタチで残っているものは、ほんの少し。部品だけが残っているということが多いのです。その部品をもとに、他のパーツを製作し、琵琶を修復することも多々あります。クルマに例えるなら、旧車のドアだけが残っている状態から、クルマを作るようなもの。そのため、時間も手間もとてもかかります。だからこそ、完成したときの達成感も大きいですね。 ちなみに、私が初めて乗ったクルマは、フィアットの“Nuova 500(ヌォーヴァ チンクエチェント)”。その後“600(セイチェント)”にも乗りました。フィアットは、イタリア人の私にとっては特別な存在。しかも、500も600も、イタリアのライフスタイルを変えた傑作。思い出いっぱいのクルマです」。     琵琶を守り続けるために 琵琶の起源はペルシャ近辺。中国を経て、奈良時代に日本に伝わり、芸能や祈りの場になくてはならない楽器となりました。特に中世では「平家物語」を携えて各地を放浪した琵琶法師が弾いていた楽器としてよく知られています。しかし、現在その琵琶を製作できる職人、そして修復できる職人はごく僅か。筑前琵琶に関しては、ドリアーノさんが唯一の職人なのです。そこで、ドリアーノさんは筑前琵琶を守るため、精力的な活動を続けています。 「筑前琵琶は、いま存亡の危機に直面しています。琵琶づくりの担い手が途絶えようとしているのです。そこで、私は“ドリアーノ琵琶プロジェクト”を立ち上げました。いうなれば、琵琶の学校です。私は“最後の筑前琵琶職人”。師匠の吉塚元三郎先生から教えていただいたことを、日本の人たちに伝え残したいのです。 私は長年、研究のために古い琵琶を探し続けてきました。しかし、残念ながら原型を留めているものは少なく、とても高価です。だから、一部分だけしか残っていないものやパーツを収集して琵琶の仕組みを探りながら製作してきました。単なる部品であっても、深く見ていくと、新しい発見があります。そのバラバラになった部品をもとに、まったく新しい琵琶の完成品を作り出すこともあります。それも含めて琵琶の製作・再製作・修復などの技術を伝えていきたいと思っています。いまなら、まだ間に合うのです」。     「私は、すでに72歳。いまのうちに、少しでも筑前琵琶づくりの技術を伝えなければならない。これが、今回のプロジェクトを立ち上げた理由です。 筑前琵琶づくりの再興を担う場を、私たちは“琵琶館”と名づけ、福岡市の中心・天神近くでのオープンを予定しています。琵琶の音色や音楽をもっと知ってほしいという願いもありますが、何より筑前琵琶の製作を守っていきたい。同時に、その技術で他の種類の琵琶の修復もできるようにしたいと思っています。 教えるのは私一人ということもあるため、少人数でもお互い心の通った学びの場を、ぜひ実現したいと考えています。そして琵琶づくりはもちろん、演奏や語り、歴史なども学べる場にしたいと思っています。私がいままでに日本から学んだことやいただいた優しさを、日本のみなさんに利子をつけてお返ししたいのです。 そのため“琵琶館”のオープンを目指し、現在クラウドファウンディングを立ち上げています。みなさんからご支援をいただき、筑前琵琶再生の新たなスタートが切れればと思っています」。     また、今年の秋には「よみがえる琵琶」と題した修復琵琶の個展を開催する予定のドリアーノさん。自身で製作・修復した筑前琵琶をはじめ、薩摩琵琶や盲僧琵琶など、様々な琵琶を一堂に展示。このような機会は貴重なので、ぜひ多くの方に観ていただきたいと語るドリアーノさん。 「琵琶を通して、日本文化の素晴らしさを、より多くの方に知っていただけると嬉しいです。300年前に製作された貴重なものをはじめ、数多くの琵琶を展示する予定です。昔の人々が育んだゆとりや時間の流れ、そして楽器など、日本の伝統文化に触れることによって、より豊かな気持ちになれると思います。ぜひ、ひとりでも多くの方にご覧いただきたいです」。 奈良時代から受け継がれる伝統楽器「琵琶」。この素晴らしい音色を絶やさぬよう、ドリアーノさんの活動を、フィアットは心から応援したいと思います。   筑前琵琶を守るドリアーノさんのプロジェクトはコチラ   […]

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