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良質なココアを贅沢に使用 イタリア生まれの本格チョコレート「DOMORI(ドモーリ)」

  カカオ本来の味わいがそのままおいしさに イタリアが世界に誇る高級チョコレート「DOMORI(ドモーリ)」。世界に数あるチョコレートブランドのなかでもドモーリが注目されている理由は、全体の10%ほどしか取れない良質なファインカカオを原料に使い、製造方法にもこだわることで、カカオ本来の旨味が生きたおいしさを届けてくれるから。     カカオは、抗酸化効果が期待できるポリフェノールを豊富に含むことから近年ますます注目されている存在。ドモーリはカカオの味わいを最大限引き出すことに注力し、香料を使わずに発酵や焙煎、製造まですべてを自社で行っています。畑で獲れてから工場を出荷するまでのあらゆる工程で妥協せず、それによって実現するピュアな味わいは、グルメや健康志向の高い人をも魅了しています。     今回紹介するのは、ドモーリの真骨頂であるファインカカオの味わいを気軽に味わえる「CHACAO by DOMORI(チャカオ バイ ドモーリ)」。風味の異なる6種類がラインアップされています。   CHACAO by DOMORI 塩チョコレート(カカオ45%)     CHACAO by DOMORI塩チョコレートは、フランス・ブルターニュ地方のゲランドの塩をブレンドしたミルクチョコレート。カカオの豊かな香りと天日塩の思いもよらぬ出会いが口のなかでとろけ、豊かな芳香を楽しませてくれます。     フィアット正規ディーラーでは、2月3日(土)から14日(水)にかけてバレンタインシーズン限定のテストドライブキャンペーンを実施。期間中にフィアット車にご試乗された方に「CHACAO by DOMORI 塩チョコレート」を差し上げます。まいにちを楽しくしてくれるイタリア生まれのドモーリとフィアット。その運命的な出会いをあなたに。   バレンタイン テストドライブキャンペーンの詳細はこちら […]

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極地探検に耐えるダウンジャケット〜カナダグース

オーロラが楽しめる防寒性能 ラニーニャ現象の影響なのか、ひときわ厳しい寒さが続きそうなこの冬。いつもの冬より他人の防寒着が気になるという方も多いと思いますが、すでにお持ちの方もいらっしゃると思いますが、近頃街で目につく「CANADA GOOSE(カナダグース}」というブランドと製品について、実体験を交えたご紹介をします。 Charlotte Parka(Women’s)¥92,880   話は今年の2月に遡ります。オーロラの取材と撮影をするために、カナダのイエローナイフという街に向かいました。冬のイエローナイフは、現地ビジターセンターの概算では「3日間滞在すれば90%以上の確率でオーロラと遭遇できる」というオーロラ鑑賞の名所。さまざまな国から観光客が集まります。 Bromley Bomber(Men’s)¥99,360   ただし、ひとつ大きな問題があります。北極線まで約500kmという北の街だけあって、夜間はマイナス30度があたりまえ。大げさではなく、命にかかわるほど厳しい寒さが待ち受けているのです。 そこでオーロラ鑑賞を企画するツアー会社はレンタル防寒着を用意しますが、どのツアー会社を取材しても必ずカナダグースなのです。     極地探検が鍛えた機能と伝統 実際、カナダグースのダウンジャケットの防寒性能は抜群で、これさえ着ていれば寒風が吹きすさぶマイナス30度の山奥でオーロラの出現を待つことができました。 カナダ人のガイドに「カナダグースはすごい」と伝えると、「極地探検にも使われるぐらいだよ」と胸を張ります。南極の基地に滞在する研究者のニーズに応えるために開発され、北極探検や犬ぞりレース、エベレスト登頂などで活躍したカナダグースは、「メイド・イン・カナダにこだわっているんだよ」とのことでした。実はカナダグースというブランドはFIAT 500と同い年。1957年の創業以来、こうして長きに渡りプロの信頼に応え続けてきているのです。     日本初の旗艦店がこの冬オープン Savona Bomber(Women’s)¥99,360   やがて、天空には見事なオーロラが現れ、取材は無事に完了しました。以来、カナダグースのダウンジャケットに全幅の信頼を寄せていますが、この冬、このブランドの製品がより身近な存在になりました。2017年11月3日に、カナダグースの日本初となる旗艦店が東京・千駄ヶ谷にオープンしたのです。 Selkirk Parka(Men’s)¥92,700   豊富な品揃えはもちろんですが、この店舗のユニークなところは0度以下の気温が体感できるフィッティングルームがあるところ。「機能には絶対の自信アリ」という、カナダグースのプライドが伝わってきます。   写真をご覧いただくとわかるように、メンズ、レディースともに多彩なデザインが用意されているので、カジュアルに着こなすことも、フォーマルに装うことも可能。「寒くて外に出たくないなぁ」という、冬の朝の憂鬱な気持ちを吹き飛ばしてくれるはずです。 残念ながら日本ではオーロラを鑑賞することはできませんが、愛車を走らせれば美しい星空を眺めることができます。フィアット500Cの幌を開けて、カナダグースのダウンダウンジャケットを着て暖かく星空鑑賞なんて、素敵ですね。     […]

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CIAO! LIFE〜簡単すぎるひと工夫「スモーク」のススメ

簡単に「美味しい」ひと仕事 手軽な素材にひと手間加えると途端に美味しくなる料理法のスモーク(燻製〜くんせい)。あらゆる年代に人気のスモークサーモンやスモークチーズをはじめ、実はハムやソーセージ、ベーコン、さらには鰹節や秋田のいぶりがっこなど、わたしたち日本人の食生活には大変身近なもの。フィアットの生まれ故郷イタリアでも、モッツアレラチーズをスモークしたスカモルツァ・アッフミカータのように、さまざまなスモークが人気です。 スモーク、つまり燻製はその名の通り、食材を煙で燻して風味を付けるもので、本来は肉や魚など腐敗しやすい生鮮食材の保存を目的にひろまった料理法で、燻すのに使用する木材が持つ殺菌、防腐効果だけでなく、その香味成分によって風味もアップしてしまうという一石二鳥の料理法なのです。     マンションでもできる? そんなスモーク。 「煙が出るから家では無理でしょ?」 「ハーブとか専門的な材料を揃えないとダメでしょ?」 「専門の道具と知識がないとうまくいかないでしょ?」 実はそんなことはないんです。 スモークとは、簡単に言ってしまうと煙というスパイスを食材にまとわせればいいわけですから、スモークする食材次第では1時間もあればできちゃいます。温度管理や火加減を神経質に…。ということもなく、大袈裟に言うと、その間放ったらかしでのんびり読書をしたり、おしゃべりしている間にできてしまいます。 クサイ煙がモクモクと出るんじゃないかとか、炎が燃え広がって危ない! なんてことを心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、いい匂いの煙で食材を燻す(いぶす)のが目的のスモークです。河原などでのBBQや庭先はもちろん、たとえそれがマンションのベランダででも、多少なりとも近隣の方々に配慮さえすれば、誰でもお試しいただける簡単作業の一つなんです。     スモークウッドでラクラク&失敗なし さて、そんなスモークで用意すべきものはというと…。 スモーカーとスモークウッド。 以上です。あとは食材やアルミホイルといった小物のみというご覧の通り大変シンプルなもの。     スモーカーとは煙を循環させて食材に香り(煙)を浸透させる箱のこと。今回の取材では金属製のものを用意しましたが、言ってみれば「ただの金属の折りたたみの箱」なので、ネット通販で5000円程度で購入可能です。(このタイプはオーブンとしての機能もあるのでいろいろ便利)     でも、そこまでしなくても、これまたネット通販で1〜2000円程度で手に入る段ボール製の使い捨てタイプでもOK。煙さえまとわせることができれば、あとは見た目の問題だけです。(こちらはまたの機会にご案内しますね) さて、お次はスモークウッド。つまり燻製材とよばれるものですが、本格派はウッドチップという木片を使いますが、今回はもっと手軽で簡単なスモークウッドという大きなお線香(蚊取り線香?)が大変便利。     なんといっても取り扱いが楽だし、香りの種類にもバリエーションがありとても便利。ちなみにまずはサクラやリンゴといった定番からはじめると失敗はないでしょう。ちなみに1本500~1000円で、数回の使用が可能です。   コンビニやスーパーの食材が豹変する? 本当に手軽に手に入るという意味で、今回はコンビニやスーパーの食材を元に特にオススメしたいもの5つをご紹介します。   ① かまぼこ ② チーズ ③ ゆで卵 ④ ゆで鶏 ⑤ たらこ   かまぼこは種類を問いません。板かまでも、笹かまぼこでも、竹輪、カニかまでもOK。はんぺん、魚肉ソーセージも間違いないセレクトです。 文字通りスモークチーズとなるチーズでの注意点は、やや厚めのかたいプロセスチーズタイプをオススメします。そして、その2つが融合した「チーズかまぼこ」も非常に美味しい。 ラーメンなどで一世を風靡した「くんたま」だって簡単です。その他ダイエットで大人気のサラダチキン、そして、たらこもスモーク後の変貌ぶりに驚いてもらえると思います。     いずれも、パッケージから出してそのままスモークすればいいのですが、さらに美味しくしたい場合は、開封後10〜15分風に当てて表面を少し乾かしてからスモークするのがコツ。 さて、スモーカーを組み立て、セットしたら、中の網の上に材料を並べて、スモークウッドに着火し(本当にお線香に火をつけるあの感じです)、燃えカスの後処理を考えるとアルミホイルかお皿に置いて箱の中にセットするといいでしょう。あとはスモーカーの窓やふたを閉めて放っておくだけ。     燻す時間は、煙がスモーカーの中に充満して循環するまでは開けないほうがいいので、30分くらいは放っておきましょう。目的はあくまで香りを付けるだけなので、慣れないうちは表面がうっすらと茶色くなったあたりで、そのつど味見をすることをオススメします。ともかく、軽く茶色く色づいた時に取り出すのがコツです。あまり長く煙にかけてしまうと、文字通り煙臭さと苦味が強くなるので注意が必要です。     取り出したら皿などに乗せて冷まして、落ち着かせると食材と香りがさらに一体化してより旨味が増します。 スモークはBBQやキャンプ、釣りなどのアウトドアレジャーとも相性抜群。もちろん、ドライブ先でコーヒーでも飲みながら…という楽しみ方もOKです。 ちょっとしたことを楽しくすることは、イタリアの哲学でもあり、FIATが生まれたときから持ち合わせているDNAのようなものです。 500くらいの小さなクルマでもこうした楽しさを満喫できることを、今後のこのコーナーで様々なグッズとともにあらためてご紹介していきたいと思います。 […]

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CIAO! LIFE〜シンプル&コンパクトに楽しむアウトドア

気楽にできるの? アウトドア 街の本屋やTV、ブログなどを賑わす“アウトドア”なモノやコトたち。都会を走るクルマまでがSUVやヘビーデューティー感溢れる大型四駆も増加の一途です。しかし、実際に「アウトドアをエンジョイしよう!」となると、やってみたいのは山々だけど、準備がね…。 道具がね…。 というようにまだまだ敷居が高いと感じる方も多いのもまた事実。 たしかに、大掛かりなキャンプや凝ったBBQをしようと思えば、それなりの装備や準備が必要になりますし、そうなると、事前のきちんとした計画も必要になりますよね。 本格キャンプやBBQはもちろんとっても楽しいのですが、その楽しさの原点とは、思い立ったが吉日!ではありませんが、スッと腰を上げて行動に移せるかどうかが重要なポイントではないでしょうか?     興奮と喜びは“外にある” そんなわけで、ちょっと手軽なアウトドアの楽しみ方を求めて、日本のキャンプシーンの第一人者、石角直樹(いしかど なおき)さんを訪ねました。彼は、関東で人気のファッショナブルタウン、二子玉川にあるビンテージランタンとオイルランプの専門店「viblant」(ビブラント)のオーナーです。その土地柄、若いカップルや最近では女性のお客さんも多いとか。取材当日も、かわいいアウトドアグッズやランプを求める姿が絶えませんでした。     石角さんは、かつては米国のアウトドアグッズの名門コールマン社の日本法人で、多くの直営店のプロデュースを手がけるなど、その筋では有名なアウトドアのひと。 ちなみに石角さんの結婚式はもちろん“アウトドア”だったそうなのですが、会場となった御殿場のキャンプ場には、彼を慕う全国のキャンパーたち200人余が集結し、屋外にバージンロードから祭壇まである本格的な結婚式をつくりあげたという伝説までお持ちです。   「キャンプって、プロのライセンスがないじゃないですか?プロとアマの線引きがないですよね。この緩さがたまらない…。もちろん、あの空気感とか、朝起きた時の爽やかさとかね。普段見られない物も見ることができます。たとえば、星空は街でも見られるけど、天の川を肉眼で楽しめるのはキャンプ場まで足を運ばなければならない。街中で流れ星をずーっと目で追うなんてことはなかなか難しい。それ以外にも、夜の動物との出会いも楽しくて、テントサイトのゴミ箱をあさりにくるタヌキとかね(笑)。鹿はすごいんです。近づいてくると、テントにでっかい影が映ってびっくり(笑)。とにかく、日常にはない何かに出会える楽しみがいっぱいあるんです。それがキャンプの醍醐味かな…。」   「思い立ったらすぐにやる」そんなクルマでのアウトドア・ライフ そんなキャンプの様々な楽しみを語る石角さんが、気軽に楽しめるドライブ&アウトドアをいくつか提案してくれました。     「たとえば、シングルバーナーという手に乗りそうな小さなコンロがあります。これとパーコレーターさえあれば、どこでも美味しいコーヒーを楽しめるんですよ。」     ホワイトガソリンのシングルバーナーは、非常にコンパクトで、持ち運びもカンタン。それだけではなく、気温の低下や風にも影響を受けません。なにより、本格感があるにも関わらず、実はかなりお手軽だったりします。 「さらに、折り畳みのチェアとコンパクトなテーブルがあれば、風景のよいところでのんびりと休みながらの贅沢なコーヒーブレークが楽しめます。ちょっとした行楽や道中の合間の道草でも楽しめたりするのでオススメです。 ちなみに車内で楽しむのもいいのですが、折りたたみのチェアなんてあるといいですよね。また、コットというキャンプ用の折り畳みベッドがあるんですが、ものによってはベンチとしても使えたりするものもあるし、ちょっとした昼寝にも使えたりと便利なんですよ。」 こういったグッズは、いずれも軽量でコンパクトなので車内でもまったく場所をとりませんからクルマに積みっぱなしという手もあります。     キャンプ場じゃなくても、アウトドアは楽しめる さて、アウトドアを楽しむためのツールは本当にたくさんの種類があります。そんなキャンプ用品のどんなところに魅力があるのでしょうか。 「やはり、コンパクトさと丈夫さですよね、なんといっても。あとはシンプルさ。シンプルだから壊れにくいし、修理すれば長く使えます。コールマンのランタンなんて100年前のものが現在でも普通に使えるわけなんですが、それは何より構造がシンプルなことが大きいと思うんです。これが例えばオイルランプだと構成部品が10点くらいしかない。コールマンのランタンだってせいぜい50点あるかないか。だから、誰でもカンタンにメンテが可能で長く使い続けられる。自分と同じ歳の道具で遊べるって、あんまりないでしょ…?」 そんなコダワリをみせる石角さんは、オリジナルの商品を開発、販売もしている。     「たとえば素材。うちのバッグ関係はコットン、つまり厚い帆布なんですが、いろんな道具を運ぶバッグとして使うには、当然丈夫でないといけないし、火に弱くてもいけない。だから帆布を使います。でも帆布のバッグは普通のミシンでは縫えませんし、縫製もしっかりしなければなりません。こうした要求すべてが連動して結果、機能と風合い、つまりモノとしての存在感がどんどんよくなっていくんですよ。こういうコダワリが出てくると、現場で使う道具の素材もできるだけ揃えたくなるんですよね〜。イスとテーブルのフレーム素材が違ったりしたら、やっぱりちょっと気になって仕方ない(笑)。」     石角さんのテントのセッティングはその美しさに定評があるのですが、きっとこうしたひとつひとつの道具の素材に対する気配りや選定、そして配置が成しうるものなのでしょう。 こうしたコダワリは、「心地よい空間を作るためには何が必要か?」ということを追い求めてきたからこそ生まれた結果なのでしょう。彼のお店が最近の若い子たちを惹きつけているのも、シンプルで長く愛せて飽きない。だからより愛着が増す…といった道具たちはもちろん、そのスタイルにどこか本能的な価値を見出しているのかもしれませんね。     プラスアルファにみる「楽しさ」 さて、この日はちょっとした荷物も飲み込んでくれ、しっかりと悪路も都会も走れる「気軽な四駆」フィアット500Xでお邪魔したのですが、このクルマを初めて見た石角さんが、隅々までチェックして大きく頷きました。     「本格的なクロカン四駆も好きなんですけど、やっぱりパッと乗れる、パッと出かける気軽さというのは本当に大事だと思うから、こういうタイプのSUVを見るとワクワクしちゃうんです。たとえば、大晦日に“そうだ、初日の出を見に行こう!”って寝袋とチェアを積んで、元旦の朝3時に出かけてクルマの横で朝日を眺める…。そんな簡単なことでもいいと思うし、なにより楽しそうじゃないですか? このくらいの広さがあれば遊びの道具もそれなりに詰めちゃうわけだし、それでいうと毎月テーマを決めて出かけちゃうと思うんですよ。2月は雪山でスノーボード、3月なら野草摘み、4月はベタだけど桜、6月ならホタルを見に行こう!とか。だから、こういうクルマを見ると、年中いつでもアウトドアで遊べるというイメージが湧いちゃうんですよね。」     チンクエチェントの系譜でありながら、新しい装備や駆動形式といったプラスアルファを持つ500X。新しいものとレトロフィーチャーの組み合わせが織りなす独特の雰囲気は、写真のようなレトロなウォータージャグとも不思議なマッチングをみせてくれます。     是非、次回は小さなクルマ、楽しいクルマで行く気軽だけど本格的な「アウトドア〜実践編」。つまり、ちょっとしたプラスアルファがもたらしてくれる「楽しさ」をご紹介頂きます。お楽しみに!     ビンテージランプ&アウトドアギア viblant 東京都世田谷区玉川2−15−13ヴァレンナ二子玉川2-A […]

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ワンちゃんと過ごすスローライフ in 鎌倉〜ペットの健康を考える

ローズ一家のスローライフ スローフードという言葉が生まれたのはFIATの故郷であるピエモンテ州。ファーストフードの進出をきっかけに、もっと地元の食べ物や生活を見直そうという運動のキーワードだった。日本でもブームになり、それを実践するスローライフなる言葉も生まれたのはみなさんもご存知かもしれない。 さて今回は鎌倉でワンちゃん4匹とスローライフを楽しむ女性のお話。 安藤 愛さんは、つい最近まで大手広告代理店に勤めていた。得意の語学を活かしグローバル企業のブランディングを担当。海外相手の仕事は楽しいものだったが時差があるので勤務時間は不規則になりがちで、深夜早朝のやりとりが日常茶飯事。多忙を極める日々を送っていたとき、ミニチュアダックスフントのローズに出会う。 「ショップで抱いたときにはピンとこなかったんですが、床に置いたら私のまわりを走り回って懐くんです。その姿にキュンとしてしまって…。」     こうしてローズとの暮らしがはじまる。 生活にハリが生まれた。 しばらくするとローズの子供が欲しくなった。たくさんのワンちゃんに囲まれる生活に憧れたのは自然な流れに思えた。交配相手を見つけて、めでたく6匹の子犬が生まれた。最初は1匹を残すつもりが…。結局子供3匹とローズとの生活がはじまった。 ここまでは、愛犬家によくある話。 「ローズはなんでも食べてくれるので気がつかなかったのですが、ワンちゃんにも個性があるんですね。生まれた子供たちの中にはペットフードを食べたくない子がいたんです。いろいろ調べて、食べられるものを自分で作ればいいという結論にたどり着きました。」 研究熱心でとことん突き詰める性格は、ワンちゃんたちにとって食べやすい(食いつきがいい)だけでなく、身体にいいもの、安全なものを意識するようになる。 「ワンちゃんのために作るのではなく、自分の分まで一緒に作れば手間も時間も省けますから。」 もはや4匹はペットではなく家族だと強く自覚した瞬間だった。     そんな愛情のおかげで子犬たちはすくすくと育つ。しかし、当然ながら四六時中一緒にいられるわけではない。長期出張の際にはやはりペットホテルに頼らざるを得ない…。 それでも手作りのごはんを食べさせたかったから、業務用の真空パック機まで購入して冷凍保存したごはんをホテルに預けるようになった。 そうしているうちに、ペットホテルから他のワンちゃんたちのために、ごはんを作ってもらえないかと頼まれるようになった。 フードコーディネーターの資格を取るほど料理好きだった彼女は、ふたつ返事で引き受ける。似たような境遇のワンちゃんがいるならば、なんとかしたいと思い、材料費だけを受け取り、ほぼボランティアの形で提供したのだ。     SNSでローズたちとの生活を紹介すると、ペットホテルでの評判も手伝ってフォロワーは一気に1万を超した。それに着目した出版社がローズたちとの生活を一冊にまとめないかと言ってきたのだ。そして『おひとりさまとローズ一家』<主婦の友社刊>を2016年に上梓。ペンネームはObaba(おばば)。   気がつけばスローライフ そんな彼女の生活とくらしの価値観を変えたのは転居だった。当初はただ週末をローズたちと過ごせる海辺の家を探していた。そして広い庭のある鎌倉の一軒家を不動産屋に紹介される。 「最初、鎌倉は候補に挙がっていなかったんです。でも仲良くなった不動産会社の営業さんが、この子たちが走りまわることしか考えられない庭のある家を見つけたと連絡してくれたので(笑) もちろん一目で気に入りました。」     引っ越し後、しばらくは鎌倉から都内に通っていたが、ここでもっとローズたちとの時間を過ごしたいと思いはじめる。 実際に住んでみると、鎌倉は実に魅力に溢れる街だったということもある。たとえばレンバイと呼ばれる地元の農協が主催する朝市。 「新鮮で無農薬のものがあるんです。東京のレストランのシェフが仕入れに来るほどで味は確かですし。」     当然、ローズたちの食事にも、こういった野菜が使われるようになる。 一層ペットホテルでの評判も上がった。 「これを仕事にできればローズたちといつも一緒にいられるし、なにより同じ悩みを持つ飼い主さんの役に立てるのではないか…。」 そんな思いが頭をよぎった。 それからというもの、彼女はペットの食生活について、これまで以上に詳しく調べ、勉強するようになる。やがては自分が納得できる製品を量産できる業者選びにまでおよんだ。 「なるべく地元で採れた野菜を使い、自分が食べてもおいしいごはんを提供しよう。」 ペットたちの健康を考える他の飼い主さんの役に立てると思うとワクワクした。いや、自分が感じているワクワクを伝えたいと思った。 「運命に導かれたのかもしれません。言葉として知っていたスローライフが目の前にありました。いや、鎌倉という土地が目覚めさせてくれたのかも…。」 こうして彼女は生活のリズムをシフトダウンしはじめた。そして、会社を辞め夢の実現に奔走した。 もちろん勢いだけで仕事になるはずはない。安心感を持ってもらうためにペット食育准指導士の資格を取り、「Seaside Rose(シーサイド・ローズ)」という名でいよいよ2017年の4月からブランドをスタートさせた。     彼女が提供するのは「ペットフード」ではなく、一緒に楽しむ「ごはん」だ。出張で一緒にいられないときのものだけでなく、キャンプへ行ったとき、あるいは出かけてパートナーに「ごはん」の世話を頼まなければならないときにも役立つ。それは一緒であることを自覚できる幸せの提供だとも言える。     スローフードのコンセプトは、楽しく、朗らかに、そして健康的で元気に生きる。つまり、生活の足元をきちんとじっくりと見つめよう!ということ。 スローフード協会が選ぶ食べ物やワインやレストランなどは、いずれも価格やブランドに左右されない「本物」ばかり。 そんな国民たちの足として生み出された車、FIAT500にも同様のスローライフ精神が満ち溢れている。 […]

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世界の海を股にかけた男〜マリンイラストレーター高橋唯美

周囲を大海原に囲まれた海洋国家日本…。しかし、ヨットやクルーザーなどを楽しむマリンレジャーの世界では、欧米諸国がリードしています。船舶の設え、マリーナなどの設備、そこでの時間を楽しむためのソフトウエアまで、まだまだ学ぶべき点があるようです。 イラストレーターであり、ジャーナリストとしても活躍する高橋唯美(たかはし ただみ)さんは、ヨット雑誌の最高峰「Sail」から招かれ、活動の場をアメリカのマサチューセッツ州に移したほどの経歴の持ち主。 どこか温かで、スマート…しかしスケールモデルのような緻密さを備えたその作風は、マリンレジャーで世界的な評価を受け、「Tadamiの愛称で各国のヨット、ボート関係者から愛されてきました。40年にも及ぶキャリア、200近いメーカーの訪問と350を超えるヨットやボートへの試乗など、まさに日本の第一人者と呼べる方です。     文字通り世界の海を股にかけてきたTadamiさんは、現在も江戸の香りが残る東京は八丁堀の運河のほとりで忙しい毎日を送られていますが、自宅兼事務所ビルは、裏口からそのまま愛艇に乗り込むことができるという素晴らしいロケーションで、クルージングや釣りを生活の一部として楽しむ、さすがのボートライフを送っていらっしゃいます。       たどり着いた、小さなボートでの楽しみ 小型のディンギーから100ft超の豪華クルーザーまで、長年世界の船に乗り、描いてきたTadamiさんがたどりついた愛艇は意外にも小型ボート。ボストンホエラーの17ftというモデルが現在の東京における相棒です。 「大きな船は船体だけではなくて維持費、ランニングコストいろいろかかるじゃないですか。また、80ftとかになってしまうと、一人じゃ無理。クルーが必要になるわけです。そうなると、人間関係とかマネージメントとかが面倒くさくなる。よく、大型船のオーナーさんがクルーを連れて飯に行ったりするのを見るんですが、結構気を遣ってるんですよね。大変だなあって思います。まぁ、私の人間の小ささですかね(笑)。遊びくらい好き勝手にやりたいから、一人で自由に取り回せるのになっちゃうんです。 そういうTadamiさん、沖縄の西表島と広島にもやはり、同サイズのコンパクトなボートを一艇ずつお持ちだそうで…。 「よく、小さいの3つ分で大きいのをひとつ持ったほうがいいじゃない?と言われます。でも、そのマリーナ1か所を中心とした遊び方しかできなくなっちゃうでしょ。今のようにしておくと、東京湾、瀬戸内海、沖縄…と、まったく異なった世界が楽しめるじゃないですか。 楽しい時間、心豊かな暮らしをエンジョイするという点で、彼はすでに日本人離れしているのかもしれません。     コンパクトさに込められたプライドとは… Tadamiさんは、フィアット500のファン。そのコンパクトさにこそ魅力があると言います。 「仕事で国産のボートに乗るようになってからですね。フィアット500が一層好きになったのは…。ボートに限った話ではないと思うんですが、国産のボートって小さいなりの作りしかしないんですよ。それにとても腹が立っていたんです。だって、小さいってことですでにハンデがあるわけだから、それを補う何かを与えてやってほしいんです。ちょっとリッチな感じのインテリアでもいいし、居心地のよい雰囲気でもいい…。素材やちょっとした造りとか、小さな物にこそ魂を込めてほしいと…。その点、フィアット500って、小さいという可愛いさと、シンプルだけど、みすぼらしさを微塵も感じさせない魅力を持っているじゃないですか。コンパクトであってもプライドを持って乗れるように仕上げてあるってすごいと思います。まさにあのサイズを武器にしてるとさえ思えますよね。 そんなTadamiさんが世界的なマリンイラストレーターになるきっかけは、クルマへの憧れからはじまっています。 「自動車のデザイナーになりたくて育英高専へ行ったんですね。2年後輩に由良卓也(日本を代表するレーシングカーデザイナー)君がいます。当時の製図の先生がベルギー人のすごく厳格な人で、図面に日付とか縮尺とか名前とかサインするときでさえ、必ず60度の角度で書くように指示されるんです。定規当てるよりはやいから、僕はフリーハンドでやっちゃうんだけど、そこに全部赤が入る(笑)。こりゃ向いてないな、やっぱりイラストが好きだなと確信しました。     やがてその作風は「平凡パンチ」の編集者の目に留まり、自動車のカスタムに関する連載や鈴鹿1000㎞レースのイラストルポなどを手掛け、ついにイラストレーターとしてデビューを飾ります。そして2年後、現在につながるヨット・ボート専門誌での活躍となっていきます。     セクシーさとモノづくり 自動車同様、ボートの世界でも大人気のMade in Italy。Tadamiさんは彼らのモノづくりをこう語る。 「なんともいえないセクシーさですかね。船はもちろんのこと、いろんなものやちょっとしたことにそれを強く感じますね。若いセクシーさもあれば、成熟した魅力もある。無からあそこまでセクシーなものを作り出す能力ってすごいですよ。船の世界でいうと、デッキ(甲板)のニスの塗り方ひとつにすごいコダワリがあったりするんです。 セクシーという表現は、ややもすると日本人にとっては刺激が強すぎるかもしれないが、まったくどう表現したらいいものか、日本語には適切な言葉が見当たらない…。 強いて言い換えるとするならば、なんともウキウキするようなというか、「楽しい」のちょっと先にあるオトナな感覚とでもいおうか…。もっとカワイイとステキとダンディといろんなものが混ざったものだったりする。     デッキのニスではないけれど、現行500にもいくつものセクシーさが息づいている。 「ボディの四隅やフェンダーのカーブなどはさすがだなと思わせるものだし、車内でいえばたとえばハザードスイッチなんかもそう。日本車やドイツ車のそれは文字通り緊急時のボタンでしかないんだけど、このわざわざクリア厚盛りにされたハザードスイッチは、完全に赤のアクセントとしてダッシュパネルの主役になっている。 しかも、ボディと同色のこのパネルの凹みに加担している微妙なRとか…。単に凹ませたんじゃなく、左右から緩やかになっている部分などまさにセクシーとしか言う他ない。この妖しさがイタリアンというか500の好きなところですね。」 こうした小さなオシャレの積み重ねが、Tadamiさんのいう「セクシーさに繋がっていき、シンプルなオトナの世界と可愛げのある若々しい世界の混ざり合う独特の空間を作り出しているのかもしれない。     「やっぱり、小さいけど、カワイイけど、でもやっぱりオトナなんだよなあ。500って…。 楽しい時間を知り尽くした達人がふとつぶやくその表情には、彼がはじめて乗り物の「顔」を意識させたという500同様、やわらかな笑顔が満ちあふれていた。 […]

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おいしいイタリア〜シンプルな漁師めし「アクアパッツァ」

巷では◎◎めしなるものがもてはやされている。 いろんなアイディアが詰まっていて手軽で美味しく味わえ、しかもコスパ抜群。そんな簡単レシピが大人気である。 アクアパッツァという料理をご存知だろうか? いうなれば南部イタリアの漁師めしなのだが、これまたシンプルなことこの上なく、さりとて日本で大人気なイタリアン、ペペロンチーノやピッツァ・マルゲリータ同様、実に奥の深い料理なのである。 日髙良実(ひだかよしみ)、日本を代表するイタリア料理のシェフのひとり。喫茶店で供されるナポリタンやミートソース、そして冷凍のピザくらいしか一般的には認知されてなかった時代、イタリアの名店で修行を重ね、本格的なイタリア料理を日本に広めたことで知られている。 今よりもずっと本格イタリアンが少なかった時代、彼の海外武者修行もフランス料理からスタートしている。しかし、当時のフランス料理は敷居が高く、そこに疑問を抱いていた彼はもっと身近に楽しんでもらえるイタリア料理を選んだ。     その男、南へ 日髙青年は、やがて単身イタリアへ渡り数々の名店で修行を重ねる。 イタリアは広い、そこで郷土料理も学ぶべきだという先輩シェフの言葉に、彼は南イタリアのナポリへ足を向けた。 そして、後の彼の店名でもある「アクアパッツァ」に出会うことになるのだ。 「塩とオリーブオイル、柑橘類くらいしか使わないのに奥が深い。衝撃でした。シンプル、そのひと言ですね。イタリアンの凄味を感じました」     極めればミニマルに 「毎日食べても飽きないんです。いやシンプルだからこそ飽きないのかな? これぞイタリア的な一皿だと思いました。」 アクアパッツァは、格式あるレストランでも食べられるが、同時に庶民的でもあるこの“漁師めし”は、オステリアやトラットリア、果てはターヴォラカルダといった場末でも楽しむことができるので、修行の合間に評判の名店を食べ歩いたという。 「最初は仕事に夢中でしたが、慣れてくるといつのまにかどんどんイタリアが好きになっていました。特にイタリア人の人がらでしょうね、朗らかで屈託がない。街の美しい景色は、この人たちあってのものなんだと実感しました。     修行する店のスタッフの実家へ遊びに行ったり、街を散歩するようになると、ますますイタリアの魅力に引き込まれていく。」 「ナポリって港町ですからね。新鮮な魚介類の料理を大勢で楽しんでいる。暖かい日差しが降り注ぐ街並、石畳の上にはちっちゃなフィアットたちがギュウギュウに停められている。あれは心象風景ですね、僕にとってのイタリアの。」 そう語る日髙氏がアクアパッツァを作ってくれるという。           長く愛される理由 ホールスタッフに取り分けてもらった一皿を前にすると香しさに包まれる。柔らかな白身を口にふくむ…。素材を活かすのがイタリア料理などという月並みな言葉が頭の中から吹っ飛んでしまった。気がつけばスープまで飲み干していた。一皿のカタルシス。日髙氏の言う衝撃とはこのようなものだったのだろうか? 庶民派という点ではFIAT 500もその代表格。しかも、ギュウギュウに路上に溢れていたチンクエチェントは日高氏と同い年の1957年生まれ。 「ますます親近感を覚えますね。使い込まれたチンクエチェントが元気に走り回る光景は私にとってイタリアそのものです。いまは忙しくて運転する機会と言えば横須賀のアクアマーレに行くくらいなのですが、いつかこういう車に乗って港町を巡る旅をしてみたいものです。」 笑顔で答える彼と、いつのまにかミケランジェロやダヴィンチといったイタリアの文化や芸術にも話が及ぶ。 「どちらもイタリアの人が作ったものだからなんでしょうね、アクアパッツァ的なものを、チンクエチェントに乗った時にも感じましたよ。イタリアの気質みたいなものでしょうか。しっかりと歴史が磨いていく感じなのかな…。 誰からも愛され、歴史が磨き続け、愛され続けるという点で、一皿のアクアパッツァとチンクエチェントには同じイタリアの精神が脈々と宿っていると改めて認識させられた。     リストランテアクアパッツァ 東京都渋谷区広尾5-17-10 EASTWEST B1F 03-5447-5501 2018年春より移転予定 […]

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オーナー紹介〜イタリア文化を丸ごと愛する2人の思いが、トラットリアと500に凝縮!

文=田代いたる(ベスト・イタリアン選考委員) 写真=太田隆生   店で使うおしゃれな備品を500で買い出し 真っ赤なボディに、ベージュのソフトトップが何ともスタイリッシュな500Cが、この日、『IKEA立川』のパーキングにありました。オーナーは竹内悠介さんと舞さん夫妻。ペーパーナプキン、ストロー、フォトフレームなど、今日もたくさんお買い上げのよう。『IKEA立川』には「よく来ます」と笑顔で舞さん。竹内さんも、「店で使っているテーブル周りの備品など、いつもここで買っています。イタリアに住んでいた頃から愛用していますよ」と続けます。竹内さんは、西荻窪で人気のイタリア料理店『トラットリア29(ヴェンティノーヴェ)』のオーナーシェフです。       『トラットリア29』は肉料理が評判の、西荻窪の人気店 愛車を走らせ、店に戻った竹内さん。舞さんにも手伝ってもらい、ディナータイムの準備に取りかかります。『トラットリア29』は今年で7年目。当初から変わらないコンセプトは「お肉の美味しいイタリアンレストラン」。メインはもちろん、前菜やパスタも肉料理がズラリ。その原点は竹内さんが修行したトスカーナ州にありました。 「けれど、最初の修行先にトスカーナを選んだ理由は、当時、自分の中にイメージができたイタリアで唯一の州だったから。本当に、そんな程度(笑)。元々、肉料理は好きで『州都のフィレンツェもビステッカが名物だからなぁ』って。何のツテもなく、行ってしまいました」。 最初の修業は、ビザの関係から半年の期間限定でした。「運良く、日本人シェフが在籍していた、フィレンツェの店で働くことはできたのですが、半年では全然、足りなかった。そこの先輩料理人から、存在を教えてもらったのが『チェッキーニ』でした」。そこである日、見学に出かけることに。     イタリアで『チェッキーニ』と出逢い、肉にのめり込む 『チェッキーニ』とは、トスカーナ州パンツァーノで400年(!)も続く老舗の精肉店。生の肉を卸し、販売するだけでなく、生ハムやサラミ、牛肉のタルタルなど、肉の総菜もいろいろ扱っています。店の向かいにはビステッカが名物の直営レストランも併設。竹内さんも驚いた、肉尽くしの環境がそこにはありました。 「生から熟成まで、肉料理に、これほど多彩なアプローチがあるのかと感激しました。その奥行の深さにすっかり魅せられてしまった」。 竹内さんがここで実感したのはひとつの文化。主役は肉で、町のお肉屋さんがその文化を牽引し、多くの人から愛され続けている。「いつかは自分の店を持ちたい」。イタリア料理の世界に飛び込んだときから抱いていた、竹内さんの漠然とした夢は『チェッキーニ』と出逢い、確固たる信念に変わりました。 「肉に特化した店をやる」。強い決意を胸に抱き、改めてイタリアへ渡った竹内さん。ほかの州も知っておきたいと、今度はエミリア・ロマーニャ州ボローニャで著名な『トラットリア・ダ・アメリーゴ』や、マルケ州で城壁の内にあるリストランテ『ラ・ボッテ』といった名店で研鑽を積みます。一方で、『チェッキーニ』にはずっと修業を嘆願。望みが叶ったのは、渡伊から1年半の月日が経った頃でした。     肉漬けの日々で見えてきた、肉の本当の美味しさ 「『チェッキーニ』では本当に、朝から晩までみっちり、肉(笑)。毎日7時から午前中はずっと、70歳を越える熟練職人の隣で肉を解体して、ランチタイムはレストランの手伝い。夜は夜で、また肉屋に戻って作業する。おかげで、それぞれの部位にはどんな特性があって、どういう調理が適しているのか、深く知ることができました」。 だから『トラットリア29』のビステッカは、イタリアで感激した赤身の美味しさを真っ直ぐに伝えるスペシャリテ。調味は基本的に焼き上がりに振る塩のみで、熱源も炭火。『チェッキーニ』と同じスタイルを踏襲しています。 「表面の水分を適度に飛ばして香ばしく、中はレアに仕上げるイメージ。時間はかけず、一気に焼き上げる。今日の短角牛で300gほどですが、完成まで10分ぐらい。日本で塊肉だと休ませながら焼くというイメージがありますが、イタリア人に言わせると、『それはビステッカでなく、ローストビーフだ』って言われてしまう(笑)」。       奥様との出逢いももちろん、イタリア! 『トラットリア29』は、イタリアの食文化に惚れ込んだ、竹内さんの熱意が凝縮されたレストラン。今も、年に1回は現地へ。そこで体感し、会得した、すべてが血となり肉となってお店に結実しているのです。実は、この日も2週間ほど滞在したフィレンツェから戻ったばかり。今回も、少なからず新たな発見があったようです。「新しい写真を飾らないと」。笑顔で舞さんが言いました。 そう言えば、竹内さんと舞さんが初めて出逢ったのもフィレンツェだったのでは? 「実は、よく食べに行っていた『トラットリア・ソスタンツァ』の裏手に、妻と横内美恵さんが暮らしていた部屋があって。横内さんを介して知り合いました」 横内さんは、今、『トラットリア29』の店舗を使い、別業態としてランチ限定で営業する、サンドウィッチ専門店『3&1(トレ・エ・ウーノ)』の責任者。竹内さんがフィレンツェで初めて働いた店の後任が、横内さんという縁があります。当時、彼女のルームメイトとして一緒に暮らし、ジュエリーデザインの学校に通っていたのが、舞さんでした。 舞さん曰く、「この店のデザインは、私の美大時代の先生にお願いしました。もちろん、2人のアイデアはいろいろとリクエストしています。そして、小物などを集めて飾るコーディネートは私の担当。飾る写真などは、折に触れて替えています」。     イタリア人のデザイン力に惹かれて なるほど、明るくスタイリッシュな店内は、夢を叶えてジュエリーデザイナーとしても活躍する舞さんと、竹内さん、そして美大時代の恩師のセンスの賜物。伝統的で重厚な肉料理を提供するするレストランとは思えないほど、洗練されています。実はその理由も「『チェッキーニ』の存在が大きかった」と舞さんは振り返ります。 「歴史があるお店なので、建物自体は何百年も前に建てられたままですが、『チェッキーニ』のレストランは、中に入るとビックリするぐらい、モダンにリノベーションされていた。彼らチームのデザイン力を実感しました。帰国して、店を始めるとき、最初から、そういう風にしたいねって2人で話していました」。 聞けば、トスカーナ州の代表的ワイン、キアンティの品評会でも、古い駅舎を会場に使用。外観は荘厳に、中は明るくモダンなんてことがよくあるそう。イタリアは美食の国であると同時にデザインの国でもある。そんなことを改めて思い出します。そして、竹内さんが愛車に500Cを選んだのも、イタリアへの愛の深さを考えれば、当然のことでした。     500のためのドライバーズライセンス 「ちょうど、僕がボローニャで修業していた頃、500に3代目が誕生して、街で見る度に『乗りたいなぁ』って思っていました。免許もなかったのに(笑)。イタリア人の同僚に『買ったぜ』と自慢されたときはホント、悔しかったなぁ」。 だから、運転免許取得の動機はただ一途に「500に乗りたかったから」。忙しい合間に免許を取って、店が軌道に乗った3年半ほど前にようやく、500Cを購入しました。買い出しでも大活躍する、今や『トラットリア29』には欠かせない、大切な存在です。 「かわいくて選んだカラーリングですが、後から見るとベージュが脂、ボディが赤身で、やっぱり肉になっているんです(笑)」という竹内さんに、舞さんは「彼はいつもそう言うんですけど、誰も同調してくれない(笑)」。 イタリア文化を丸ごと愛する2人の熱い思いが、『トラットリア29』の料理と店舗、そして500Cに凝縮されています。   […]

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オーナー紹介〜ウェディングのメインゲストは500

文=田代いたる 写真=太田隆生   転勤で同じ事業所になった同僚と結婚 仲睦まじく、箱根『小田急 山のホテル』のテラスでスイーツを楽しむカップル。影山僚大さんと悠里加さんは、今年6月に結婚式を挙げたばかりの新婚カップルです。共に同じ会社に勤務。3年前、僚大さんが北海道から悠里加さんのいる神奈川の事業所に転勤してきたことで出逢い、今日に至りました。最初のデートから「優しくて素敵な女性だなと感じました」と僚大さんが言えば、悠里加さんは「しっかりしていて引っ張っていってくれる、自分とは真逆のタイプ」と応えます。そんな2人がこの日、乗ってきたクルマがバニライエローの500。悠里加さんの愛車です。     500との出逢いは小学3年生 その優しいカラーリングのほかにも、車内には花も飾られて女性らしい雰囲気。かわいくディスプレーされた大小のミニカーからは悠里加さんの500への強い愛を感じます。 「小学校3年生のときに、ルパン三世の映画『カリオストロの城』を見たんです。そのとき、ストーリーよりクルマのかわいさに驚いて、ひと目惚れしちゃいました。500のミニカーを集め始めたのはその頃からですね」。 現在、20台はコレクションがあるとのこと。バレンタイン限定のミニカー付きチョコレートは毎年、欠かさず購入しています。 「僕はそのチョコ、もらったことないなあ(笑)」と僚大さん。「いつも自分で買って自分で食べちゃうから(笑)。来年はプレゼントしようかな」。     2人それぞれ、別々のイタリア車 実は悠里加さんの500に対して、僚大さんの愛車はAlfa Romeo MITO。1人1台のクルマを所有しています。MITOを選んだ理由を「妻の“500愛”に影響されました」と振り返る僚大さん。結婚を決意した後で夫婦のクルマとしてまず購入したそうです。 「展示会で見た瞬間、カッコいいなぁと(笑)。その日のうちに契約しちゃいました。妻のお陰でイタリア車に対する理解が深まっていたのだと思います。だから、妻にも『そんなに好きなら、もう1台、買ってもいいんじゃない?』って提案しました。探していたら国立のディーラーさんに、状態の良いバニライエローの500があった」。「一緒に見に行ってすぐに、『あ、買います』(笑)。私も、即決でした」と悠里加さん。   500も一緒に、箱根のリゾートホテルで挙式 2台あるから「その日の気分に合わせて乗り換えられえる」と小春日和のテラスで幸せそうに語る2人。実はここ、『小田急 山のホテル』は夫妻が結婚式を挙げた舞台でもあります。「景色がキレイ」と悠里加さんが見つけてくると、僚大さんも「歴史があるし、その風格に魅せられました」と納得。 「でも最大の決め手は何より、スタッフの方々。本当に親切にしてくださって」。当日は何と、チャペルに500を運び入れて記念写真も撮りました。中にはトリックアートのような一枚もあり、「あのときは腰が痛かった」と僚大さん、思い出し笑い。夫婦になってからも撮影も兼ね、500でいろいろな場所へ出かけています。       北海道を500で巡って 「今年の夏休みは僕の実家がある北海道へ、500に乗って帰省しました」。運転は主に僚大さんでしたが、「キビキビとスムーズに走れて気持ち良かったです」と言います。500で帰った理由については「私が説得しました」と悠里加さん。「北海道の景色をバックに、500の写真が撮りたいって思って。『メルヘンの丘』のような大自然の中でどれだけ映えるか、見たかった。いっぱい撮影してみて私が実感したのは、500はどんな場所でも絵になるということ。それが一番の魅力かもしれません。500を買ってからは、出かけることも増えたよね?」 「そうだね。今は、目的地でなく『この辺りをドライブしたい』って最初に考えるようになりました。500に乗るようになって、出かけるきっかけが変わりました」。僚大さんもフォトジェニックな500の魅力を認めているようです。     不安を払拭してくれたディーラーの心遣い 悠里加さんが長年の夢を叶えて500を購入したのは今年4月。最初は「自分でちゃんと運転できるか、少し心配だった」と言います。けれど、ディーラーの対応が素晴らしく、すぐに安心できたそう。 「納車日に、デュアロジックの操作方法などを教えてくれるために、後ろに乗って一緒にドライブしてくださったんです」と僚大さん。「おかげですごく助かりました」と悠里加さん。「そんなに運転は得意な方じゃないけど、初めて乗ったときから、私の体にフィットして、手足のように動いてくれる感覚がありました。自分に合っていると思います。女性でも気軽に乗れるクルマですね」と操作性の魅力も体感しているそう。さらに「服装でお洒落するようにクルマもお洒落な方が楽しいと思うんです」。これには僚大さんも同感。「僕もクルマ選びには、自分の中のこだわりを反映したつもりです」。2人の絆は、同じ価値観を共有することでも深められています。     新居の完成を待つ2台の愛車 「今の500は廃車になったとしても、庭にずっと飾っておきます!」と溢れる“500愛”を語る悠里加さん。現在2人は来春の完成予定で、一軒家の新居を計画中。「ミニカーのショーケースとか、業者さんといろいろなアイデアを詰めている段階」だと言います。「最初はスペースの有効活用で縦列を予定していたんですけど、『お互いのクルマがちゃんと見えた方がかわいいよね』と意見が一致。結局、無理矢理、横に並べられる駐車場をお願いしました」と僚大さんも笑っています。 さらにもう一つ、2台がリビングから見えることもリクエストしているそう。悠里加さん曰く「ご飯を作りながら、ソファに座りながら、いつでも眺めていたいから」。新居に並ぶ2台の愛車はきっと、2人の幸福を象徴する存在になることでしょう。       『小田急 山のホテル』 芦ノ湖と富士山、箱根の絶景が楽しめるリゾートホテル。広々とした庭園はツツジ、アジサイ、バラ、紅葉など、四季折々の植物を楽しめることで有名。また寛ぎの場として愛され続けてきた1階にある「ラウンジ・バー」では、正統派の「アフタヌーンティー」やホテル特製スイーツなどが楽しめる。2017年11月12日までは、「箱根スイーツコレクション2017秋」参加スイーツ「秋季箱」(本文参照)を提供。   SHOP DATA 店名 『小田急 山のホテル』 住所 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80 電話番号 […]

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