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チンクエチェント博物館 館長のフィアットへの想い|FIATオーナー紹介

愛知県名古屋市にある『チンクエチェント博物館』。館長の深津浩之(ふかつ・ひろゆき)さんは、『PUNTO』、『PUNTO EVO』と乗り継ぎ、現在は『500X』のオーナーです。チンクエチェント博物館 館長の深津さんのフィアット『500X』への想いについて、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   気づいたら自分の趣味趣向がフィアット寄りに 日本にもフィアットのプロフェッショナルと呼べる方は何人かいらっしゃいますが、この方も間違いなくその内のひとり。世界でも数少ない『500』の私設ミュージアム『チンクエチェント博物館』の館長、深津浩之さんです。2001年のオープニングの頃から博物館の運営にたずさわり、以来、年に何度もイタリアへ渡って現地の新鮮な情報を仕入れてきたり、国内ではフィアットやイタリア車好きのためのイベントをプロデュースしたりと、フィアット好き、『500』好きにとって、何かと心強いアニキのような存在です。   ▲深津浩之さん   ▲チンクエチェント博物館   実は深津さんご自身も、20年以上、フィアットを所有し続けているオーナーさんです。今回は現在所有している『500X』を中心に、フィアットへの想いをうかがってみました。 まずは深津さんとフィアットの出逢いからたずねてみようと思います。 「実は昔からフィアットが大好きだったとか、『500』に憧れていたとか、そういうのじゃないんです(笑)。きっかけらしいきっかけは、この博物館の代表である伊藤精朗(いとう・せいろう)さんとの出逢いですね。22〜23年ほど前ですけど、当時、伊藤さんはクルマのスペシャルショップやクラブもやっていたし、僕もその頃は別のイタリア車に乗っていて、その集まりの中で知人に紹介してもらったんですよ。僕は当時、普通のサラリーマンだったんですけど、お付き合いしてきた中で伊藤さんに『博物館をいっしょにやろうよ』って誘われて、ここのスタッフになって今に至る、っていう感じです」       ということは、イタリア車はお好きだったんですね? 「そういうわけでもなかったんです(笑)。クルマはもちろん好きでしたよ。でもそれまで乗ってきたのは日本車1台にドイツ車3台。僕は昔から多趣味で、何が何でもクルマがいちばんというわけでもなかったし。こういう仕事をしているとそう思われがちなんですけど、僕は昔も今も、少しもマニアじゃないんですよ」 今のようにフィアットに詳しくなったり好きになったのには、どんな経緯があったんですか? 「以前、前の会社に在籍したまま、博物館の開設の手伝いをしていたんですよ。そうしたらある日、伊藤さんが『ちょっと乗ってみなよ』って『Nuova 500(ヌォーヴァ チンクエチェント)』を貸してくれて、乗って帰ることになったんです。乗ってみての最初の正直な印象は『何だコレ……?』でした(笑)。ものすごく遅いし、操作系もかなり丁寧にやらないと綺麗に動いてくれないし。1kmも走らないうちに、やっぱり返すっていおうかな、と思ったぐらい(笑)。でも、せっかく貸してくれたんだからせめて2〜3日は乗ってみよう、と思い直したんですね。それで次の日も会社に乗っていったりとかして、ちゃんと乗ってみたんです。そうしたら3日ぐらいでどんどん慣れてきて、慣れたらどんどん楽しくなってきちゃって、1週間経つ頃にはめちゃめちゃ面白いと感じるようになって、結局、伊藤さんにお願いして3週間ぐらい借りていました」     それがリアルなフィアットとの出会いだったんですね? 「そうですね。その後チンクエチェント博物館に転職することになったわけですけど、ここはもともとフィアットを好きな人たちが集まるところで、いろんな話をしたりクルマに触れさせてもらったり。博物館がオープンする前に伊藤さんといっしょにイタリアへ行って、フィアット本社でアーカイブを見せてもらったり、まだ昔の面影を残していたリンゴット(1923年から1982年に操業していた、屋上にテストコースを備えるフィアットの生産工場)に連れていってもらったり。いろいろな経験をさせてもらったんです。そんな中で、フィアットは単なる1メーカー、1ブランドじゃないんだな、って肌で感じるようになりました。フィアットって歴史も長いし、その歴史の中でイタリアという国のためにいろんなことをしてきているんですよね。ある意味、イタリアの象徴のような存在。それを実感するにつれて興味がどんどん湧いて、気づいたら自分の趣味趣向みたいなものがフィアット寄りになっていた、っていう感じです(笑)」     『PUNTO』、『PUNTO EVO』、その次が今の『500X』。 その流れで自家用車にもフィアットを選ぶようになったんですね? 「ファミリーカーを買い換えようっていうときに、自分はチンクエチェント博物館で働いているし、よし、フィアットにしよう、と。それで2代目『PUNTO(プント)』を買ったんです。イタリアで見てかっこいいと思ったので。どちらかといえば自分が乗るというよりは、妻がチャイルドシートをつけて乗っていたんですけどね。でも、それが自分の所有する初めてのフィアットでした。そこからは自家用車はほぼ全部フィアット。『PUNTO』のあとは『PUNTO EVO(プント エヴォ)』で、その次が今の『500X』です」   ▲『500X』   社用車として現行『Panda(パンダ)』にもお乗りですよね? 「まいにち乗っています。博物館のスタッフとして働きはじめた頃は、初代『Panda』に乗らせてもらっていました。途中で『チンクエチェント博物館のスタッフなんだから古い『500』に乗る方がいいよ』っていうことになって、『Nuova 500』に3年ぐらい、まいにち乗っていました。どちらもすごく楽しかったですね。『Nuova 500』は古いクルマだから大変な想いをしたこともあったけど、今ではいい想い出になっているんですよ。いろいろ勉強もさせてもらいました。今の『Panda』もすごく気に入っています」 ご自身で所有されてきたクルマはいかがでしたか? 「『PUNTO』はエンジンもしゅんしゅん回るし、小さいから走りが軽快だし、とってもフィアットらしいな、って思っていました。フィアットらしさって人それぞれなんでしょうけど、僕がイメージするフィアットだったんですよ。カタログ上のパワーは強力なわけではないんだけど、数値よりも明らかによく走るんですよね。ものすごく元気に走ってくれる。『PUNTO EVO』も同じようにフィアットらしくて気に入っていたんですけど、メーターが15万kmを越えて、もう乗り換える方がいいのかな、って考えたんですよ」 ▲『PUNTO EVO』 それで選んだのが今の『500X』ですね。なぜ『500X』を? 「そのときの候補が『500』『Panda』、それに『500X』の3択。その中で、『500』は妻が吹奏楽をやっていて道具一式を積み込むのが大変。『Panda』は僕が社用車で使っている。残された選択が『500X』だったんです。もちろんそれより前に試乗はしていて、よくできたクルマだってわかっていたので」 次のページ:【SUVだけどやっぱりフィアットだな、って感じます】 […]

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『500』は電気自動車になっても楽しい|FIATオーナー紹介

『500 TwinAir』を含め、さまざまなクルマを乗り継ぎ、現在は『500e』オーナーの服部美樹(はっとり・みき)さん。「次に乗るクルマは電気自動車と決めていた」という服部さんに、その理由や『500e』に感じている魅力について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   ガソリンで走るクルマとは違う、新しい乗り物として乗ってみたい 「私、クルマのこと、本当にうといんですよ。今回のお話をいただいてから『fiat magazine CIAO!』の記事をいろいろ拝見したんですけど、みなさんのようにお役に立てるかどうか……」 今回ご登場いただく『500e』のオーナー、服部美樹さんのお言葉です。とはいえ、最初の愛車は欧州車風味の国産ハッチバック、次は軽自動車のオープンスポーツカー、そして英国の小型車を新車で購入し、レストアや息子さんが乗っていた期間の9年間は『500 TwinAir』に乗り、2台を手放して昨年からは『500e』を愛車に、という車歴です。インタビュー取材に同行されていたご主人、桂三さんの手厚いサポートもあったようですが、それでも本当にクルマがお好きなのだということがはっきりわかります。   ▲服部桂三さん、美樹さん   まずは最大の関心事、なぜ『500e』を選んだのかということから訊ねてみることにしました。 「次は電気自動車、って決めていたからです。フィアットの電気自動車が発表されたときに、絶対これにしようって思ったんですよ」   ▲『500e』   電気自動車は増えてきているとはいえ、まだ少数派。なぜ次は電気自動車に、って思われたのですか? 「私、ガソリンを自分で入れられないんですよ。昔はガソリンスタンドの人がやってくれたでしょ。今はセルフが多くなって、私が自分でできないから、主人が毎回入れに行ってくれていたんです。それがなんかちょっと申し訳ないなと思って……」 たしかにそういう方もいらっしゃるよな、入れられるけどちょっと怖いという方も含めて……と思っていたら、桂三さんが補足してくださいました。 「妻は昔、ガソリンをかぶっちゃったことがあるんですよ。それがトラウマになっているみたいで」     話を伺うと、タンクの構造を理解してないスタンドの店員がセルフ式に慣れていない美樹さんに入れ方をレクチャーし、それがもとでアクシデントに見舞われてしまった模様。出先でガソリンを浴びるなんて、さぞかしつらい体験だったことでしょう。 「なので、ずっと電気自動車を買おうって考えていて。フィアットから『500e』が発表されて、まだ日本に入ってきていなかったときから決めていました。ガソリンは怖くて入れられないけど、電気自動車は充電ソケットをカチッて挿すだけですから(笑)」 航続距離や充電環境の観点で抵抗感がある人もいるようですけれど、そういうのは……? 「なかったです。むしろガソリンで走るクルマとは違う、新しい乗り物として乗ってみたいな、と思っていました」     電気自動車だと『500e』のほかにも選択肢があったと思うんですが、なぜフィアットに? 「絶対に次は電気自動車にしたかったから、実は一度だけ別の電気自動車を試乗したことがあって、そのときにはこれはないなって思ったんです。ルックスも好きになれなかったし、走ってもあんまり楽しくないし、値段にも見合ってないし。いろいろと未来的だけど、なんだか落ち着かなくて。その後に『500e』が発表されて、これだって思ったんです。それから日本に入ってくるのをずっと待っていました。実車も見ないで注文しちゃったぐらいですから」   今までのクルマにはなかった運転の楽しさ   去年の10月に納車されたということですが、初めて『500e』に乗ってどんなことを感じましたか? 「楽しいな、って思いました。まず、加速が気持ちいいですね。『500 TwinAir』もよく走ってくれたけど、『500e』はもっといいです。信号が青になって発進するときに、ほかのクルマを置いて自分だけビューンって行けちゃうのは気持ちが良いな、って思いますね。クルマが軽々と走ってくれるんですよ。足元がちょっと硬い感じがするけど、それが不快というわけじゃなくて、曲がり方がしっかりしているように感じます。自分が操作して、こうなるだろうって思っているとおりに走ってくれますよね。長年乗った前のクルマは身体の一部みたいなところがありました。サイズも本当にコンパクトだったし、クルマがぜんぶ自分についてくる。『500e』にもそういうところがありますね。だから走っていておもしろいです。私は好きですよ」 「基本、小さくてキビキビ走るクルマが好きみたいです。これまでのクルマも全てそうだったから」 と、これは桂三さんによる補足。     「私、アクセルを踏んだらビューッっていけるクルマが好きなんです。でも、スピードは出さないんですよ。逆に自然とゆっくり走るようになっちゃって(笑)。最初の出だしがすごく気持ちいいからビューッっていくこともあるけど、そこからは法定速度で充分。普通のエンジンのクルマとは違うところがあって、例えば、アクセルを踏んだり戻したりっていうのが楽しい。普段はノーマルモードじゃなくてレンジモードで走っているんですけど、そのときのアクセルひとつでグーッと加速したり、グーッとスピードが落ちる感じがいいんですよね。レンジモードでは停止までいくので、狙ったところでピタリと停めるようにアクセルの戻し方を調整したり。そういうのがおもしろいんです。今までのクルマにはなかった運転の楽しさですよね。そういう電気自動車ならではの運転の楽しさ、みたいなのを味わっている時間があって、そっちに気持ちが向いているから、ぜんぜんゆっくりでいいんですよ。たまに、電気自動車はないなって言っている人もいますけど『500』は電気自動車になっても楽しい。乗る楽しさはものすごくあると思います」       普段『500e』にはどんなふうに乗ってらっしゃるんですか? 「乗りたいとき!(笑)。でも、本当に普通に乗っています。ショッピングモールの買い物とかに乗って行きますし、ちょっとお出かけするときや、趣味でやっていることで少し距離があるところまで走ったりと、普通の使い方ですね。通勤にも使っていますよ。でも、勤め先がすごく近いので、ぜんぜん距離が伸びないんです。家で100%まで充電して、100%のまま帰ってくることもあるくらい(笑)。もっと乗りたいんですけど、なかなか遠くまでいく用事がないんですよね」   次のページ:【『500e』は人に優しい運転をしたくなる】 […]

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シンプルだけどほったらかしじゃない。人に優しいクルマ|FIATオーナー紹介

『Panda』のラゲッジルームに折り畳み自転車を積んで、出掛けることもあるという瀧川徹(たきかわ・とおる)さん。以前は、『500 TwinAir』にお乗りで、『Panda』でフィアットは2台目とのこと。そんな瀧川さんに、フィアットとの出会いや趣味にも大活躍の『Panda』との過ごし方について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   自転車を積み込んで出掛けるときの『Panda』の使いやすさ それがどの街であれ、イタリアの街角に立ってグルリと周りを見渡すと、少なくとも1台や2台は『Panda(パンダ)』の姿が目に入ってきます。それもそのはず、『Panda』はイタリアで最も売れているクルマ。3代目にあたる現行のモデルのデータだけを見ても、2022年ではすべての月で販売台数はトップ、それも2位に大差をつけての記録です。デビューから10年以上が経過していることを考えたら、それは驚異的というべきこと。そして同時に“代わりになるクルマがない”ということの証でもあるのでしょう。 一体、なぜそれほどまでに『Panda』が支持されているのか。今回お話を伺った瀧川徹さんの言葉に、その理由がつまっているように感じました。     瀧川さんは奥さまとふたり暮らしの、ご職業はシステムエンジニア。2021年に『500(チンクエチェント)』から『Panda』に乗り換えたとのこと。それ以前は国産車に6年、ドイツ車に7年、英国ブランドのクルマに12年、そしてフィアットへと、輸入車を乗り継いでこられました。まずはフィアットとの出逢いから伺いました。 「私たち夫婦は小学校、中学校のときの同級生なんですけど、18〜19歳の頃にふたりで話しているときに、四角い初代の『Panda』で盛り上がったことがあったんですよ。でも、若い頃はイタリア車に乗ることがあまり現実的に思えなかったんです。そんなこともあって別のクルマに乗ってきたんですけど、フィアットの前のクルマに12年乗って、そこから先のメンテナンスや部品のことを考えて乗り換えを意識しはじめた頃、実際のところ『Panda』はどうなんだろうね?ってことでフィアットのショールームに行ったんです」   ▲瀧川徹さん   ところがそこで購入したのは、『Panda』じゃなくて『500』だったんですよね? 「そうなんです(笑)。奥さんの好みで、やっぱり『500』のデザインがいい、と。うちの場合、クルマは奥さんの好みで選んで、私が試乗をして決める感じなんです。はじめてのイタリア車だったので、メンテナンスのことなど少し心配していたところもあったんですけど、ディーラーの方にいろいろと訊ねて教えていただいて、納得して買い換えました。2017年のことでしたね」 『500』はどうでしたか? 「実はそれまで乗っていたクルマの最新型の購入も考えていたんですけど、ボディサイズが大きくなっちゃって、自分たちに合った大きさではないとか、感覚からズレちゃってたんです。それで国産車も含めていろいろ試乗もしたんですけど、やっぱり見た目が気に入らないと愛せないですよね。『500』は、ボディサイズもデザインもいい。それにツインエア エンジンも楽しいから、ずっと乗り続けていくつもりでいたんですよ。私たちは気に入ったものとは長く付き合いたいタイプなので、10年以上乗ろうって思っていたくらいでした。すごく気に入って乗っていたんです」 なのに、『Panda』に乗り換えられたのはなぜですか?   ▲『Panda』   「1回目の車検のときに奥さんといっしょにショールームに行ったら、『Panda』があるんですけどちょっと乗ってみませんか?って、勧められるがままに『Panda』に試乗しちゃったんです。『500』が気に入っていたから、買い替える気もない状態で(笑)。クルマの印象がすごくよかったから、はじめはいずれ乗り換えてもいいかもしれないね、ぐらいの話だったんです。でも世の中の状況が変わってきて、好きなクルマに乗るのもだんだん難しくなっていきそうだし、純粋なガソリンエンジン車もどんどん少なくなってきてる。加えて、コロナ渦に入ってからクルマの入荷が鈍くなる。そこでしばらくは好きな『500』を次の車検を通すか、その前に『Panda』に乗り換えるかで悩んでいたんですけど、今のタイミングを逃したら次に入荷する予定が見えなくなりそうと聞いて、最後の最後にふんぎりをつけました。乗り換えたのは2021年で、それから2年経って、今、走行距離は1万5,000〜6,000km。乗り換えたのは結果的には正解だったと思っています」     どんなところが正解だったんでしょう? 「自転車をクルマに積み込んで出掛けるときの、『Panda』の使いやすさです。例えば、私はカメラを肩から下げてポタリングをするのが趣味なんです。自宅から出発して近所を走ることもあるし、折り畳んだ自転車をかついで電車で遠くまで行って走ることもあります。また、クルマに積んで出掛けることも結構あるんです。週末になると、どこかしらを走っている感じですね。これは『Panda』や『500』に乗るずっと前からの趣味で、20〜30kmくらい走るときもあるし、思いのままに写真を撮りながら、どこにでも行っちゃうんですよ(笑)。目的地というよりもそこに至るまでのプロセスを楽しみたくて、ポタリングをやっています。そういう意味では、走ろうと思っている場所までどうやって行こうかを考えるのも楽しみのひとつなんですけど、『Panda』は自転車やそれに取り付けるポタリング用のバッグなどを積み込みやすいんです。『500』のときには工夫しながら積み込んでいたところがあったんですけど、『Panda』はそのまま難なく3台は積み込めますよ」     『Panda』の荷室容量はそのままで225リットル、リアシートを倒せば870リットルですから、積載能力は高いでしょうね。 「ボディサイズからしたら充分なスペースですよね。でも、その広さももちろんなんですけど、ラゲッジスペースのかたちがまたいいんですよ。実は去年、奥さんがしばらく空き家になっていたおばあさんの家を相続したので、この1年ぐらいは毎月『Panda』で南房総の海の近くに通って、中を片付けたりちょっとリフォームしたりして、やっと住めるようにしたんですね。そのときに向こうから荷物をいっぱい運んできてこっちで処分したり、逆にこっちから家電とかを持っていったり、それはもう散々荷物を積み込んできたんですけど、『Panda』のラゲッジルームは本当に使いやすいんです。今どき、バンでもワゴンでもないのにこんなふうに四角に積めるクルマ、そうそうないですよ。それが気に入っているところのひとつですね」     ほかにはどんなところがお気に入りですか? 「いろいろあるんですけど、背が高いのにロールが少ないので高速道路も安定して走れるし、素直に曲がってくれるところ。何の不安も不満もないです。それと走っていて楽しいこと。楽しくなかったら、たぶん買ってないです(笑)。それには、ツインエア エンジンの存在が大きいでしょうね。姿カタチからは想像できない音を聞かせてくれて、速くて、燃費もよくて、“走っている”っていう感覚が強いのもいい。シートがいいっていうこともあるんでしょうけど、エンジンが力強いから長い距離を走っても疲れない。『Panda』もツインエアだから乗り換えた、ツインエアだから乗っている、っていうところはあります。『500』のときは、見た目がかわいいから変な恰好して乗れないなって思っていましたけど、『Panda』は自然に街に馴染んでくれるので、気を使わずに普通に乗れますね。変に目立ったりはしないけど埋もれなくて、実によくできた洗練されたデザインだと思っています」   次のページ:【『Panda』は余計なものが何もついてない】 […]

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クルマの走らせ方、楽しみ方が変わった|FIATオーナー紹介

若い頃から熱心なクルマ好きで、車歴にはスポーツ志向の強いクルマが多かったという保坂光男(ほさか・みつお)さん。現在も、サーキット仕様のクルマやスーパーカーを所有する保坂さんが『500e』に魅了された理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   今までで、いちばん運転しやすいクルマ『500e』 『500e(チンクエチェントイー)』は118psの最高出力と220Nmの最大トルクを発揮する42.0kWのモーターをフロントに搭載し、車両重量1,320kg〜1,360kgの車体を走らせます。最高速度は150km/hに制限され、0-100km/h加速タイムは9.0秒。スポーツモデルというわけではありませんが、『500 TwinAir(チンクエチェント ツインエア)』の0-100km/hが11.0秒であることを考えると、走りっぷりはなかなかのものといえるでしょう。 そのパフォーマンスは、スピードと慣れ親しんできたドライバーの目にはどう映るのでしょう? 今回お話を伺う保坂光男さんは、若い頃から熱心なクルマ好き。20代の頃は日本のスポーツモデル、それもカスタマイズを加えてパフォーマンスを高めたクルマで走りを楽しむドライバー。息子さんとのキャンプのために大柄な本格的SUVへと路線を変えていた頃もありましたが、30代ではドイツの、40代ではイタリアの、高性能モデルを乗り継いできています。そして50代となった現在は『500e』、サーキットを楽しむための『アバルト595』、さらにはいわゆるスーパーカーをも所有するエンスージアストです。   ▲保坂光男さん   「ずっと仕事を一生懸命がんばってきたのですが、それもこれもクルマ好きをなんとか続けたいがためでした」 車歴にあるのは、基本的には速いクルマ、高性能なクルマばかり。普段使いとして『500 TwinAir』に乗られていたこともありますが、それも程なくして『アバルト595』へと代わります。そうした極めてスポーツ志向の強い方が、なぜ電気自動車の『500e』に関心を持ったのでしょう? 「普段乗るつもりで『500 TwinAir』からアバルトに乗り換えたんですけれど、あまりに楽しすぎてサーキット専用にしてしまったんですね。それに僕は精密な部品加工を生業にしていて、リチウムイオン電池のための部品も作っているんです。バッテリーの製造には以前から関与していたので、手元に電気自動車やハイブリッドカーが1台ある方がいい。それならフィアットのEVがいいな、と思ったんですよ。だから最初は“体裁”ですね(笑)」   ▲『500e』   電気自動車そのものに興味があったわけでは……? 「なかったです(笑)。むしろ逆で、自分のライフスタイルには合わないと思っていました。ガソリンを爆発させて走るクルマが大好きだから、電気自動車っていうものにケチをつけてやろうぐらいの意地悪な気持ちもあったほどです。電気自動車っていうものにはほとんど期待はしていませんでした。ところが『500e』は、それをことごとく裏切ってくれるという……(笑)。この15年ぐらいの間に買った中で、いちばん乗り心地がよくて、いちばんスマートに走ってくれて、いちばん何の不安もなくて、いちばん運転しやすいクルマ。それが『500e』なんですよ。どこに行っても絶賛してしまう自分がいる(笑)。そして、推したいクルマのひとつになってしまった。電気自動車嫌いが電気自動車にはまってしまった。そんな感じです」     単に電気自動車というだけなら、ほかにも選択肢はあったと思うのですが? 「僕は、日常で乗るクルマには条件があって、コンパクトな作りであることが絶対なんです。でも、いくつかコンパクトな電気自動車に試乗してみたのですが、何かピンと来なかったんですね。そんなときに『500e』がデビューして、これは都合がいいぞ、と(笑)」     それは『500 TwinAir』や『アバルト595』で慣れ親しんだ世界観にあるクルマだから、ということですか? 「それはありましたね。実は実車を見る前に予約をしちゃったんですけれど、実車にはまったく違和感がありませんでした。ただ、自分が『500』に乗ってきたり『アバルト595』を持っているせいか、味というかクセというか、そういうところが強いのかと思っていました。けれどいい具合に洗練されていて、初めての人でも自然に運転できるクルマに仕上がっているんですよ。フィアットが電気自動車を作るとこうなるのかっていう、いい意味でのギャップは大きかったですね」   次のページ:【モーター駆動の瞬発力や力強さってすごいな、って思います】 […]

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クルマに乗るときのワクワク感を取り戻した|FIATオーナー紹介

さまざまなイタリア車を乗り継ぎ、現在は『500e』に加え、『500』も所有されている日高正博(ひだか・まさひろ)さん。その中でも日常生活では、ほとんど『500e』にお乗りという日高さんに、『500e』の魅力や過ごし方について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   『500e』の写真を見て、デザインがすごくいいと思った イタリア本国では2020年にデビュー、日本では2022年の6月に発売開始となった『500e(チンクエチェントイー)』。世界に向けてデリバリーされるプロダクションモデルとして、フィアット初のEV(電気自動車)となったモデルです。1957年に誕生して今も世界中で愛されている『Nuova 500』こと2代目『500』の世界観や存在感を新しい時代に向けて再解釈しなおした電気自動車として高く評価され、2代目『500』同様、世界中で愛される存在となっています。日本ではEVそのものの普及がゆっくりなこともあってまだ少数派ではありますが、この『500e』の存在が気になっている人も多いようです。 今回はいち早く『500e』との生活を楽しんでいる、日高正博さんにお話を伺いました。 日高さんは20代前半の頃からさまざまなクルマを乗り継いで来られましたが、そのほとんどがイタリア車。それもスポーティなモデルが中心でした。現在も世界のトップクラスのハンドリングを誇るイタリアンSUV、そして1.2リッターのFIREエンジンを積んだ『500(チンクエチェント)』を所有されています。イタリア車のべテランといえる方の目に、はたして電気自動車の『500e』はどのように映っているのでしょうか。   ▲『500e』   まずはガソリンエンジンの『500』について伺います。『500』の1.2ℓモデルは、ご自身のクルマとして購入されたんですか? 「購入したとき、僕は別のクルマを気に入っていてそれに乗っていたから、どちらかといえば家族用という感じでした。娘がちょうど免許を取ったタイミングだったんですよ」 娘さんが『500』のかわいらしいスタイリングを好きになって、とか……? 「いや(笑)。僕が半分むりやり決めちゃったようなものでした。しかも『500』が家に来たら、乗ると楽しいものだから、ついつい僕がそっちにばっかり乗ってしまうという……」   ▲日高正博さん   娘さんというよりお父さんが乗りたかったんですね(笑)。 「そうですね、完全に(笑)。でも、どうせ買うなら楽しいクルマがいいじゃないですか」 SUVと『500』があるのに『500e』を買われたのはなぜですか? 「娘が家を出ることになって、『500』を持っていくことになったんですよ。妻とふたりの生活になって、だんだん小さなクルマでも十分なんじゃないかと感じるようになってきたんですね。そんなときに『500e』の話を聞いたものですから」     電気自動車にはもともと関心があったんですか? 「1ミリもなかったです(笑)。というか、他社のEVの試乗に行ったことはあったんですけれど、おもしろいなとは思いつつも、自分が所有する、所有したいっていう気持ちにはまったくなれなかったんです。でもたまたま『500e』が発売されるという話を聞いて、ちょっと気になっていろいろと調べたんですね。僕は興味を持つとわりと調べたくなるタイプなので、そうしているうちに、これはいいんじゃないかな、おもしろいんじゃないかな、という印象がどんどん強くなってきたんです」     「加えて、ちょうど娘夫婦に子どもが生まれたタイミングで、『500』だと少しずつ大変になりそうだから、娘夫婦にSUVを渡して僕が『500e』に乗ればいいんじゃないかな、なんて思うようになったんです。妻に『500e』を買う説明をするための、後付けの理由だったんですけどね(笑)。『500e』が来た今になっても、まぁそこはいろいろ考えています。『500』が戻ってきても置いておくことはできるので、『500』が2台並んでもいいかな、とか」 EVにあまり関心がなかったのに『500e』には興味を持ったというのは、なぜですか? 「最初に写真を見て、デザインがすごくいいと思ったんですよ。『500』なのは間違いないけど古臭いわけじゃなくて、抜群に上手いですよね。今の自分の気分にピッタリはまるな、という感じでした。それでいろいろな情報を集め出して、海外も含めてインプレッションの記事とかを読んだり動画を観ていたりしたら、クルマとしてのクオリティーは高そうだし相当おもしろそうだなって思えたんです。モータージャーナリストの方々がほぼ絶賛で、みなさんも本当に気に入ったんだなっていうことが伝わってきたんです。電気自動車でそういうのって珍しいなって感じたんですよ。これは間違いないなって思いました」     オーダーをしたのはどのタイミングですか? 「発売よりずいぶん前でしたね。初めて実車を見たのがショールームにクルマが入ったタイミングで、試乗をさせてもらったら、直感は大当たりでした。ものすごくいいな、って感じました。不安があったわけじゃないですけれど、早くにオーダーを入れていた自分は正しかった、って思いましたね」   次のページ:【『500e』の満足度はどれくらい?】 […]

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バイクは私の時間、クルマは家族の時間|FIATオーナー紹介

バイクをメインのフィールドに、モデル・タレント・ライターとしてマルチに活躍されている多聞恵美(たもん・めぐみ)さんが、ご自身初の愛車として選んだのが『500C』。バイク乗りの多聞さんが『500C』を選んだ理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   運転席に座った瞬間、いろんなものがしっくりきた 上信越自動車道の碓井軽井沢インターから県道43号を軽井沢駅方面へ5kmほど走ると、左側にカナリアイエローの小さな建物が見えてきます。そこは『SHINICHIRO ARAKAWA 軽井沢 Canarino』という、パリコレデザイナーとしても著名なSHINICHIRO ARAKAWAのバイクウェアショップ。傍らの駐車場には、赤い『500C(チンクエチェントシー)』が停まっています。このお店のカフェカウンターを担当する、多聞恵美さんの愛車です。 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、多聞さんはバイクの世界では著名な方。タレントやモデルとしての経歴もさることながら、バイク好きが高じてバイク系メディアで連載を持ったり試乗記を書いたりとライターとしても活動され、ツーリングと食をからめた著作も3冊あります。さらには、バイク関連イベントのMCやテレビ/ラジオ番組でのパーソナリティも。モデル+ライター+ライダーで“モデライダーの多聞恵美”。その名前はバイク業界全体に行き届いているといっていいでしょう。   ▲多聞恵美さん   ここしばらくは、ふたりめのお子さんの出産のためにすべての仕事をお休みしていましたが、復帰した途端に連載は再開、MCの仕事も入りはじめ、バイク乗りのお客さんたちが待つカフェにも戻り……と、いきなり多忙になってきた様子。お訪ねしたのはちょうどそんなタイミングでした。 『500C』は多聞さんにとっての最初の愛車ということですけれど、ずっとバイクにお乗りだったんですか? 「10代からずっと、でした。バイクでこと足りていたので、クルマに興味が向かなかったんです。すべてが自分の手の届く範囲にある感覚が好きで、それに馴染んでいたから、クルマの大きさだと四隅に責任が持てないって感じてもいましたし。免許は20歳の頃に取りましたけど、それもモデルの仕事で教習所のプロモーションビデオの仕事をさせていただいて、ご縁だからそこで免許を取ろうっていう感じでした。クルマに乗りたいっていう想いはなかったですね」 クルマにはまったく乗っていなかったんですか? 「母が軽自動車に乗っていたので、必要なときに借りることはありました。でも、そうじゃないときは、ずっとバイクでした。バイクは何台か乗り継いで、20代前半の頃からバイクの仕事をいただくようにもなって、排気量の大きめなイタリア車も2台乗りましたよ」 なのにクルマに、それも初めてのクルマとして『500C』に乗るようになったのはなぜですか?   ▲『500C』   「31歳のときに最初の子どもを授かったのがきっかけでした。家には主人のクルマがあって、それが私にはちょっと大きかったんです。それに私、免許はマニュアルで取ったんですけど、ほとんど運転してこなかったので……。主人はいろんな含みを持った言葉で、心配だからって乗らせてくれなかったんですね(笑)。仕方がないから教習所でマニュアル講習を受けて、次に主人を乗せてテストしたんですけれど、坂道発進ができなくて“やっぱりダメ”っていわれて(笑)。実は主人がかなりのイタリア車好きで、そのクルマもイタリア車で、大のお気に入りだったからでしょうね(笑)」     なるほど、ご主人の影響を受けての選択だったんですね。 「ぜんぜん違います(笑)。結果的には増車になったんですけれど、私が運転できる小さいクルマに買い換えようってことになって。最初、『500C』は候補じゃなかったんです。もちろんフィアットは前から知っていたし、仕事で知り合った4輪のプロの方たちからお話を聞いたりもして、小さくてかわいくていいなと感じてはいたんですよ。でも、かわいいって思うのと買おうって考えるのはぜんぜん違うじゃないですか。もともとクルマに趣味性みたいなものはまったく求めてなくて、子どもが大きくなってファミリーカーとして使うのならスライドドアは便利だし、そんないい選択肢はないでしょ、なんて考えていたくらいですから」   ▲Canarinoで食べることができるホットドッグ。   なのに、なぜ『500C』に? 「実は私、車種がどうっていうより、せっかくならサンルーフで構わないから屋根が開くクルマがいいな、って思っていたんですよ。バイクの仕事でお世話になった方のクルマに乗せていただいたとき、当たり前のようにサンルーフを開けてくださって、こういうのっていいな、って感じたことがあったんです。それを主人に伝えたらいくつも候補を上げてくれて、それこそ軽自動車から輸入車まで、いろいろ見に行ったり試乗しに行ったりしたんですね。そしたらファミリーカーとして最良に思えたクルマたちって、とっても便利なんですけれど、おもしろくなかったんですよ。最後に見に行ったのが『500』で、これはないだろうなと思いながら運転席に座ったら、その瞬間、ああ、これだ!って思ったんです(笑)」     「なにがどうって説明しにくいし、直感といえば直感なんですけれど、いろんなものがしっくりきたんです。それで、3ドアだけど何とかなるだろう、って(笑)。そのときに試乗したのはハッチバックだったんですけれど、“屋根が開くクルマがいいんでしょ?”っていうことで、1.2の『500C』がうちに来ることになりました」 次のページ:【多聞さんが感じているフィアットの魅力とは…?】 […]

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フィアットは自分のアイコンみたいな存在|FIATオーナー紹介

山形県を中心に、フリーランスの映像作家かつクリエイティブディレクターとして、マルチな活動をしている菊地翼(きくち・つばさ)さん。あまりクルマに詳しくないとおっしゃる菊地さんが、フィアットを好んで乗り続けている理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   乗っているクルマで見られ方って変わるんだ 「今ではもう自分のアイコンみたいな存在になっていますね。僕はクルマに詳しくはないし、ドライブに出掛ける趣味もなくて、あくまでも実務のために乗っているようなものなんですけど、本当にいいクルマと出逢えたな、って思っています」 そう語ってくださるのは、菊地翼さん。山形市内に軸足を置き、山形県内を東奔西走しながら活動している映像作家かつ、クリエイティブディレクターです。その“クリエイティブ”の中には写真あり、デザインあり、企画あり、イベントあり、と活動は多岐に渡ります。それらは、すべて映像の仕事を核にして広がっていったもの。同様に映像の仕事から派生した、自治体と協力し合うかたちでの町づくりにも力を注いでいて、山形市から北西20km少々の大江町では、昔の銀行跡をリノベーションしてカフェやギャラリー、レンタルホールを備えた、町の住人と町を訪ねる人をつなぐ『大江町まちなか交流館 ATERA』のプロデュースと運営を担っています。   ▲菊地翼さん   また山形市から南西36kmほどの高畠町で、大正時代からの巨大な石切場跡の史跡を会場にした『岩壁音楽祭』というイベントを2回にわたって開催した運営メンバーの中心人物のひとりで、2025年に再び開催を予定しているとのことです。 昔から関心があったのは映像に音楽にクリエーション。クルマにはまったく興味はなくて、動いてくれさえすれば何でもよかった。しかも愛車である『500』は欲しくて買ったというわけでもない。菊地さんはそんなふうに振り返ります。     「最初は家族から譲り受けた小さな国産車に乗っていました。クルマは用事が済ませられれば何でもよかったし、壊れるまではそれでいいって思っていました。ところが、数年乗ったら壊れまして(笑)。以前、僕は山形のFM局に数年間つとめていたんですが、その頃に仕事を通じて知り合ったディーラーの方が紹介してくれて、とあるフランス車を買うことになったんです。乗っているクルマで見られ方って変わるんだ、ということを知りましたし、わりと気に入ってもいたんですけど、それも4年乗ったらエンジンがかからなくなっちゃったんです。それで次は国産車に変えたんですけど、そのクルマも乗れなくなってしまい、同じディーラーの方に再び相談してみることにしました。その方の会社はいろいろなブランドを取り扱うディーラーをやっていて、今度はフィアットを紹介されたんです。でも、僕はその時点ではフィアットに乗りたいとは思ってなかったんですよ。」     それはいったいなぜだったんでしょう? 「まず、小さいこと。現場に行くときには機材とかも積み込まなきゃならないんです。それにあんまりよく走らないんじゃないか、っていう先入観もあったんですよ。かわいいクルマに乗っている人って見られそうなことにも抵抗がありました。でも、よくしてくださっているディーラーの方が結構マジメに勧めてくるし、僕もアシがなくて困っていたので、興味本位でフィアットに乗りはじめたんです。ほかのフィアットに乗っている方は好きで欲しくて購入するんでしょうけど、僕の場合はほかにいい選択肢がなくて『500 TwinAir Pop(チンクエチェント ツインエア ポップ)』を選んだ、っていう感じです」   ▲『500 TwinAir Pop(チンクエチェント ツインエア ポップ)』 次のページ:【想像していたクルマとは違ったフィアット】 […]

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「かわいい!」が止まらないクルマ|FIATオーナー紹介

母娘2世代でフィアットに乗っている、かおるさんとあゆかさん。お母さまのかおるさんが『500』に乗っており、お嬢さまのあゆかさんが『500X』を購入し溺愛しているとのこと。そんなおふたりのフィアットを購入したきっかけや、それぞれのフィアットへ感じている魅力、母娘にとってのフィアットの存在について、自動車ライター嶋田智之さんが伺いました。   自分が本当に気に入ったクルマに乗れば後悔しないはず 「かわいい」「やっぱりかわいい」「ほんとにかわいい」 この日、何度この言葉を耳にしたことでしょう。自分たちが撮影されているのに隙を見つけては愛車をカメラで撮影していた、ふたりの女性の嬉しそうな声。ほぼ溺愛といったトーンです。およそ5年前に購入した『500』に乗る母、かおるさん。そして1年半ほど前に購入した『500X』に乗る娘、あゆかさん。母と娘がそれぞれフィアットを愛車にしている、かおるさんあゆかさん親子です。   ▲あゆかさん(左)、かおるさん(右)   ふたりのフィアット物語は、かおるさんが『500』を購入したことからスタートします。 かおるさん「ちょうど結婚30周年の年に子供たちが家から巣立って、主人とふたりの生活になったんです。そこにクルマの買い換え時期が重なって、記念も兼ねて何に乗ろう?って考えたのがきっかけです。それまでもスタイルのいい小さなクルマに乗っていて、やっぱり次もかわいいクルマに乗りたかったんですね。私はハンドクラフトが好きで、ハンドメイドマーケットとかに行くとクリエイターさんたちがおしゃれなクルマに乗っていることが多くて、そこで『あのクルマかわいいな、私もあのクルマに乗りたいな』と思ったのが『500』だったんです。そのことを主人に話したら、『それってガイシャだよ?フィアットだよ?』っていわれました(笑)」   ▲『500』   それとなく反対された感じですか? かおるさん「反対というか、“なぜ?”みたいな感じでした。私はフィアットがイタリアのクルマだっていうことも知らなかったくらいだから、そのとき主人が何をいおうとしているのかさっぱり解らなかったんです。でも、これだけかわいいって感じられるクルマはほかにはなくて、自分が本当に気に入ったクルマに乗れば後悔しないはず、と思って買っちゃいました(笑)。最初はデュアロジックに慣れてなくてギクシャクしちゃっていたんですけど、でもそういうちょっとだけクセのあるところもかわいいと思ったし、クセを意識しながら走るのも、初めてだったから楽しかった。今はもう普通に走れていますけど、やっぱり乗ると楽しくてしょうがないんですよ」     日頃はどんなふうに乗ってらっしゃるのですか? かおるさん「通勤と買い物と、ときどきお出かけするくらいですね。日常のパートナーみたいな存在です。小さいクルマですけど家族4人でのお出かけも普通にできるし、荷物もわりと積めるし、不満はありません。まいにちいっしょに暮らしていて、かわいいし、いつも笑っていてくれるから、癒されちゃったりしています。通勤に1時間くらいかかるんですけど、ドライブしながら通勤しているような感覚があるから、楽しくてちっとも苦にならないんですよ。それにエアコンのスイッチのところとかが全部マルなのがまたかわいくて、見ていると渋滞も気にならないくらい。本当にかわいいクルマで、5年経っても気持ちはまったく変わってないです」       “かわいい”と“かっこいい”を両方持っているクルマ あゆかさんが『500X』を購入されたのは、そういうお母さんの姿を見ていたから、ですか? あゆかさん「違います(笑)。私はクルマにはほとんど興味がなくて、仕事の行き帰りに使えて友達と遊びに行ければいいぐらいに思っていたんですよ。だから最初はお母さんが買ってくれた“普通”のクルマに乗っていました。でもあるとき、お母さんのクルマと同じ顔をしているのに4ドアでもっと大きいクルマが走っているのを見て、驚いてその場でお母さんに電話したんですよ。そしたら普通に“あるわよ”って返事が返ってきて(笑)。それが『500X』を知ったきっかけでした」   ▲『500X』   かおるさん「娘がフィアットに興味を持ったことにビックリでした。台風で瓦が飛んできて自分のクルマの屋根に刺さっちゃって、それでも修理に出すまでのしばらくの間、ガムテープで穴をふさいで走っていたくらいクルマに興味がなかったのに(笑)」 あゆかさん「瓦が刺さっているのを最初に見たときには泣きましたよ。でもお母さんが買ってくれたクルマだから、乗れなくなるまでは直しながら大切に乗ろうと思っていたんです。買い換える気はまったくなかったんですよ」 なのに、ちょっと大きくて4ドアのフィアットを見て衝撃を受けちゃったんですね? あゆかさん「かわいい、って思ったんです。次に乗るクルマはSUVがいいって思っていたところもありました。そうしたら、少ししてクルマをぶつけられちゃったんですよ。それで車検も近かったこともあって、買い替えを考えたんです。お母さんといっしょにショールームに行って実物を見たら、なにコレかわいすぎる!って感動して(笑)。ちゃんと『500X』を見たのはその日が初めてだったんですけど、日本車にこういうクルマはないなって思いました。それからはまいにちインターネットで『500X』を検索してばかり。でも、実はショールームに行ったときにはすでに試乗もさせてもらって、絶対にこの子を買う!って決めていたんですよ。もちろんお父さんにも話しました。そうしたらお母さんのときと似た感じで、『ハイオクだよ?』っていわれました(笑)」     お父さんは、娘までフィアットを買うのか、っていう気持ちだったのかもしれませんね(笑)。 あゆかさん「維持費のこととかを心配してくれたんでしょうけどね。半年くらいじっくり考えなさい、ほかのクルマも見なさいっていわれて、日本車も含めていろいろ見て回ったんですけど、どれもピンと来なかったし、何より『500X』を買うって心に決めていて欲しくて欲しくて仕方なかったから、半年後に買いました。維持費がどうとか、そういうのはまったく気にしてなかったです(笑)。長くつきあうんだし、自分が心から気に入ったかわいいクルマと過ごしたら、いつでも絶対に気分がいいはず。そう思ったんですよ」     そのかわいさも含めて、『500X』のどんなところに惹かれたんですか? あゆかさん「まずはフォルムですね。“かわいい”と“かっこいい”を両方持っているクルマじゃないですか。それにベージュの色も、すごくかわいくて。置いてあるのを見ただけで『ああ、うちの子かわいい!』って思っちゃうし、ほかのクルマと並んでいても『うちの子がいちばん光ってる!』って思っちゃう(笑)。使い勝手もものすごくいいですね。室内が広いから何でも載せすぎちゃって、洗車のグッズとかも入れっぱなしです。私、自分で手洗いしないと気がすまないんですよ。前のクルマは自分で洗車したことなんて一度もなかったのに」       普段はどんなふうに『500X』に乗っているんですか? あゆかさん「お出かけが多いですね。それまでのクルマではちょっと怖くて、実は高速道路に入ったことがなかったんですよ。でも『500X』は安定していて怖くないし、乗っていて楽しいから、高速道路に入ってみたんです。そしたらすごく便利で(笑)。これならどこにでもいけるじゃん、って思いました。それからずいぶん遠出をするようにもなったんですけど、2時間が30分に感じちゃうくらい、乗っていて楽しい。休みの日は必ずどこかに行っているし、仕事が終わった後もどこかに行っています。1日1回はちゃんと乗らないと落ち着かなくて。悲しいことに通勤は5分くらいなので、家にいて『500X』を眺めていると、ああ乗りたいって思っちゃう。それで乗って帰ってくると、また眺めちゃう。本当にかわいいクルマで、もう全部好き」       フィアットは家族をつなげてくれる存在 かおるさんは、娘さんがフィアットに乗っていることをどう感じていらっしゃいますか? かおるさん「前からクルマの運転は嫌いじゃなかったとは思うんですけど、今はものすごく楽しそう。驚くほどポジティブにあっちこっちへ走って行ってるみたいで。その楽しそうな感じがいちばんかな、と思いますね」     逆にあゆかさんは、お母さんがフィアットに乗っていることをどう感じていらっしゃいますか? あゆかさん「最初は何とも思ってなかったんですけど、でも自分がフィアットに乗るようになってから、お母さんのクルマもかわいいと思うようになりました。気持ちのどこかでかわいいって感じているところがあったから、『500X』を初めて見たときに衝撃を受けたんでしょうね。お母さんが『500』に乗ってなかったら、私が『500X』に乗ることはなかったと思います。それに『500X』と『500』が並ぶと、すごくかわいいんですよ。並べて写真を撮ってInstagramにアップしたりするのも楽しいし、今日もそうだったけど、いっしょに走るのも楽しい。最近は2台で移動することが増えて、私はお姉ちゃんを隣に乗せて、お母さんはお父さんといっしょで、そういうお出かけの仕方もとっても楽しいです」 […]

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500は私の大切な宝物であり家族の一員|FIATオーナー紹介

フィアット乗りのなかで密かに人気を集める『500』のポストカードや、優しいタッチで描かれたクルマのLINEスタンプ。そのイラストを手がけているのは『500』オーナーの鵜飼桃子(うかい・ももこ)さんです。そんな鵜飼さんが感じているフィアットの魅力に加え、本業のお仕事でも大活躍だという『500』とのライフスタイルについて、自動車ライター嶋田智之さんが伺いました。   眺めているだけでほんのりと幸せな気持ちになるイラスト ▲鵜飼桃子さん   「『500』に乗っていなかったら、今のような活動をすることはなかったかもしれませんね」 そう語ってくれたmomoちゃんこと鵜飼桃子さんを知ったのは、彼女が描くイラストがきっかけでした。イタリア車を中心とするイベントの会場で彼女が描いたイラストのポストカードを持っている方がいて「フィアットに乗っている人の間で、非売品だからっていうこともあって、秘かに人気なんです」と教えてくれたのでした。同時に「“ぶーぶとゆかいななかまたち”っていうLINEスタンプもあって、フィアット乗りの中にはファンが多いんですよ」と話してくれました。   ▲ポストカード   ▲LINEスタンプ   絶妙な淡い色彩で描かれた、愛らしい『500』のポストカード。フィアットにインスパイアされたように思えるクルマたちが優しいタッチで並ぶ、微笑ましい印象のLINEスタンプ。独特の雰囲気があって、眺めているだけでほんのりと幸せな気持ちになってきます。なので、鵜飼さんはイラストレーターなのだと思い込んでいたのです。そのつもりで会いにいってみると……。     「イラストはただの趣味で、描きたいから描いているだけなんです(笑)。本業はお花の仕事なんですよ」 聞けば鵜飼さんは、フラワーアーティストでありフラワーライフクリエイターでもある花の専門家。日頃は花屋さんの仕事をこなしつつ、個人として活動するための“atelier cinque(アトリエチンク)”を立ち上げ、プリザーブドフラワーやドライフラワーでハンドメイドするリースやアレンジ、そしてもちろん生花のアレンジなども手掛け、お客さんの注文に応じたり、ワークショップを開いたり、作品をマルシェで販売したりしています。     「花屋さんには社用車がないので、私の『500』で花市場にも行きますし、配達にも出掛けます。小さいクルマだから荷物がたくさん積めないと思っている人が多いと思うんですけど、見た目と違って結構たくさん積めるんですよ。大きなフラワーアレンジや胡蝶蘭だって当たり前のように積めちゃうし、花材の仕入れをするときも、リアシートを倒せば意外と余裕でモリモリとお花を積めちゃいます。助手席と運転席の間にも細い花をポンポンって置いたりとか。隙間も楽しく使えますよ。ボディが小さくて小回りが利くから、狭い道にも楽々入れて、配達先が入り組んだ路地にあっても困るようなことがありません。不自由なことは何ひとつないですね」   人を笑顔にしてくれるクルマ “花”と『500』って、見ているだけで人を幸せな気持ちにさせるっていうところが共通していると思うんですけど、最初から仕事に使おうと思って購入されたんですか? 「どちらかといえば、自然にそうなったっていう感じですね。もともと最初に『500』を意識したのは、高校生の時だったんです。私、片道9キロぐらいの自転車通学で(笑)、自転車に乗りながら道行くクルマを見るのが好きだったんですよ。美術部だったので、クルマのデザインというか、かたちを眺めるのが楽しかったんですね。そんな中でいちばんかわいいって感じたのが『500』で、その頃から自分でクルマに乗ることになったときの候補にしようって思っていました。でも、免許をとってからも、最初のうちは実家にあった軽自動車にたまに乗るくらいで、あまりこだわりはなかったんですよね」     にも関わらず今はこうして『500』にお乗りです。何かきっかけはあったんですか? 「結婚と同時にクルマがないと不便な場所に移り住んだので、自分のクルマを持とうと考えたのがきっかけでした。ちょっと変わったクルマに乗りたいと思っていろいろ探していたところ、高校生の頃にかわいいって思った『500』に、デュアロジックっていう独特のトランスミッションがあるのを知って、それはいいかも、って感じたんですよ。誰でも乗れるんだけど、でも普通のオートマチック車じゃない、っていうところに興味を持ったんですよね。そういうタイミングでこのチャチャチャアズールの『500』と出逢って『ああ、見ちゃった!もうこの子しかない』って。運命の糸まで見えちゃったんですよね(笑)。その日のうちに、試乗も何もせず『これください』って契約してきちゃいました。クルマの買い方とか、よくわからなかったので。でも、完全なデザイン買い、色買いですよね」   ▲『500』   初めて乗ったときには、どんなことを感じました? 「まずはかわいいと思っていたデザインと大好きな色に包まれて走っているっていうことの嬉しさ、かな。このかたちとこの色の組み合わせが、私にとって最高なんですよね。それともうひとつときめいたのは、白いステアリングと、その真ん中に赤いFIATのエンブレム、奥には丸いメーター。そういうところもかわいくて(笑)」     「それからは、乗るたびにどんどん好きになっちゃいました。走っていても楽しいですよね。スイスイッて曲がってくれて気持ちいい。お尻のほんわかしたラインも好きだし、大きく開く重いドアも、たまにはさまれるけど(笑)、そんなところも生き物みたいでかわいい。何から何まで全部好きになりました。買ってから5年経ちますけど、今も全部好き。自動車に対してここまで愛着を感じるとは思ってなかったです。手洗い洗車なんてクルマ好きの男性がすることだと思っていたのに『500』と出会ってからは朝早く起きて自分で手洗い。クルマが『気持ちいいな〜』って喜んでくれるような気がして(笑)」     そういえば鵜飼さんご自身のInstagram(@fiat_to_momo)も『500』の写真が並んでいて楽しい印象ですけど、“atelier cinque”のInstagram(@atelier_____500)の方には『500』のラゲッジルームを作品の展示に使っている写真がありました。 「“atelier cinque”としてマルシェに出展することも多くて、クルマが入れるマルシェは、必ず『500』といっしょです。あるとき『500』にお花をもりもりに積んでいって、後ろを大きく開けてそこにお花を並べて販売したら絶対かわいいよね、って思いついちゃったんです。それからはお花が好きな方はもちろんですけど、奥さんがお花を見ている間に旦那さんがクルマをジッと眺めていたり『500』オーナーの方やおじいちゃんが『イタリアのクルマが凄く好きなんだ』ってお話をしに来てくれたり。『500』ってマルシェの雰囲気に似合っているのにマルシェで見かけることはほとんどないせいか、お花にはぜんぜん興味ないけどクルマを見に来てくれる人とかも増えましたね(笑)」     「もちろん女性のお客さんからも『かわいいクルマですね』って好評で、すぐに仲良くなれちゃう。本当に人を笑顔にしてくれるクルマなんですよね。だから『500』といっしょにマルシェに出る日は1日ずっと楽しいんですよ。私は『500』と出逢ったことで、好きなものや好きな人に囲まれて好きなことができるっていうのは、本当に幸せなことなんだって気づかされました。『500』を通じて、友達もたくさんできました。そんなところから、お花好きな方やクルマ好きの方が気軽に遊びに来られる自分のお店をいつか持ちたい!っていう将来の夢もできました。『500』に出逢ってなかったら、まったく違う人生になっていたんじゃないかと思いますね」   『500』とずっといっしょに暮らしていきたい 最後の質問です。鵜飼さんにとって『500』はどのような存在ですか? 「愛車でもあるし、仕事のパートナーでもあるし。……というか、まいにちのほとんどに『500』が関わっていて、ほとんど自分の一部みたいな感じですね。ビルドインガレージを作っていっしょに添い寝したいくらい大好きです(笑)。いろんな動物といっしょに暮らしているんですけど、同じくらいかわいいです。私、現在妊娠していまして、このクルマは子育てには不向きといわれたりもしたんですけど『500』はただの自動車ではなく私の大切な宝物だし家族でもあるので、これから生まれてくる子供にも『500』を家族の一員のように感じながら育ってもらえたらいいな、と思います。もちろん手放す気なんてぜんぜんありません。これから先、何年乗れるかわからないですけど、ずっといっしょに暮らしていきたいです」 これからしばらくは子供のことを考えてマルシェはお休みということですが、それでも「ギリギリまでツーリングには行きます(笑)」と、熱愛さめやらぬ感じの鵜飼さん。お次はお子さんが生まれてしばらくしてから『500』と子育ての関係についてお話をうかがいにお邪魔しますね。     FIAT 500の詳細はこちら […]

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