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#500

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EVに特化したイベントに『500e』が参加!『EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA』イベントレポート

自動車専門誌『ル・ボラン(LE VOLANT)』が、東京・世田谷の二子玉川ライズで2023年3月18日・19日に開催した『EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA』。フィアットは、国内デビュー1周年を迎える『500e』で参加。EVでは現在唯一、ルーフが全開する『500e OPEN』の展示から、『500e』の魅力が体感できる試乗体験会まで、多くの人々が最新の『500』に触れた模様を報告します。   EV唯一のカブリオレ仕様『500e OPEN』をご紹介 数多くのショップやレストラン、さらには映画館まで備える『二子玉川ライズ』。その中央を貫くガレリアと中央広場に、およそ15の国内外自動車メーカー&ブランドの“エレクトリックなクルマ”が一堂に会する『EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA』が開催されました。 本イベントを主催する自動車専門誌『ル・ボラン』は、環境意識の高まりに合わせて注目が集まりながらも、まだ少し距離があると思われがちなEV(電気自動車)をより身近に感じてもらうため、3年前から『EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA』を開催しています。     2023年の今年、フィアットは国内デビュー1周年を迎えるEV『500e(チンクエチェントイー)』とともに参加。思えば、週末のショッピングを楽しむ人々が行き交う中で、電気自動車だけでモーターショーが実現できるのは、新たな時代の到来という他にありません。   ▲『500e OPEN』     ここで、改めて『500e』をご紹介します。2022年4月5日に日本国内で発表されたコンパクトカーは、1957年の登場から環境に配慮し、小さい排気量、小さいサイズで開発された『Nuova 500』(愛称は、イタリア語で“500”を意味する“チンクエチェント”)の流れを汲む電気自動車です。現行の『500』とそっくりですが、EV化に伴ってすべてを一新。ボディも『500』の全長3,570㎜に対して60㎜長くなったものの、世界中で愛される『500』の可愛らしさは、新たなルックスで表現されました。 展示車両は、現在のEVで唯一ルーフが全開する『500e OPEN』。カブリオレ仕様は誰にとっても興味深かったようで、特に小さな子供たちから歓声が上がっていました。     特に女性に伝えたい『500e』の魅力 来場者の興味を引き続けたフィアット展示ブースでは、ノベルティグッズを提供するキャンペーンを実施。また、展示車両にフォーカスするコーナーでは、モータージャーナリストの竹岡圭氏と、フィアットブランドマネージャー、熊崎陽子氏による『500e』の紹介が行われました。     ▲キャンペーン参加者にプレゼントされたフィアットのノベルティグッズ   ▲モータージャーナリスト 竹岡圭氏(左)と、フィアットブランドマネージャー 熊崎陽子氏(右)   「たくさんの方々に『500e』を気に入ってもらえたら」 こちらは、展示車両の紹介を終えた後、ミネラル グレーをまとった『500e OPEN』が常に誰かに触れられている姿を見守っていた熊崎氏の言葉です。 「二子玉川ライズがある世田谷の住宅街を、環境に優しい『500e』がきびきび走り回る姿をイメージしていただけるとうれしいですね。EVの場合、バッテリー切れが気になる方は少なくないと思いますが、航続距離は355㎞なので、『500e』が得意とする街中でのドライブを安心して楽しんでいただけます」 今回の展示車両に『500e OPEN』を選んだのは、次のような実績があるからだそうです。 「『500』にも『500C TWINAIR DOLCEVITA(チンクエチェントシー ツインエア ドルチェヴィータ)』というルーフが開くカブリオレモデルがありますが、ラインナップ全体では2割の支持率です。それが『500e』になると、カブリオレモデルの『500e OPEN』は5割の支持率となっています。私たちも予想しなかった結果ですが、EVであってもルーフが開く自由を求める方が少なくないのだなと実感しているところです」     『500e』の認知度向上に関して、熊崎氏からはもう一つ興味深い数字の話を聞きました。 「この可愛らしいデザインとコンパクトなボディサイズから、『500』は女性オーナー比率が5割に達しているんですね。ところが、まもなく発売1年を迎える『500e』は、男性オーナーが8割を超えています。もちろん、『500e』がお宅にあればご主人も奥様も運転されると思いますが、名義で調べていくとそのようなデータになります。この結果に鑑みると、女性はまだEVを遠巻きに見ていらっしゃるのではないかと。そこに近寄りがたい何かがあるなら、私たちは距離を詰めてもらえる努力を続けていきます。コンパクトで経済的なクルマであること。そしてまた『500e』は安全装備が充実していること。そうした情報は、このようなイベントや、4月から始まるデビュー1周年キャンペーンで、特に女性に伝えていきたいです」   次のページ:【EVである前に『500e』】 […]

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『500』は電気自動車になっても楽しい|FIATオーナー紹介

『500 TwinAir』を含め、さまざまなクルマを乗り継ぎ、現在は『500e』オーナーの服部美樹(はっとり・みき)さん。「次に乗るクルマは電気自動車と決めていた」という服部さんに、その理由や『500e』に感じている魅力について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   ガソリンで走るクルマとは違う、新しい乗り物として乗ってみたい 「私、クルマのこと、本当にうといんですよ。今回のお話をいただいてから『fiat magazine CIAO!』の記事をいろいろ拝見したんですけど、みなさんのようにお役に立てるかどうか……」 今回ご登場いただく『500e』のオーナー、服部美樹さんのお言葉です。とはいえ、最初の愛車は欧州車風味の国産ハッチバック、次は軽自動車のオープンスポーツカー、そして英国の小型車を新車で購入し、レストアや息子さんが乗っていた期間の9年間は『500 TwinAir』に乗り、2台を手放して昨年からは『500e』を愛車に、という車歴です。インタビュー取材に同行されていたご主人、桂三さんの手厚いサポートもあったようですが、それでも本当にクルマがお好きなのだということがはっきりわかります。   ▲服部桂三さん、美樹さん   まずは最大の関心事、なぜ『500e』を選んだのかということから訊ねてみることにしました。 「次は電気自動車、って決めていたからです。フィアットの電気自動車が発表されたときに、絶対これにしようって思ったんですよ」   ▲『500e』   電気自動車は増えてきているとはいえ、まだ少数派。なぜ次は電気自動車に、って思われたのですか? 「私、ガソリンを自分で入れられないんですよ。昔はガソリンスタンドの人がやってくれたでしょ。今はセルフが多くなって、私が自分でできないから、主人が毎回入れに行ってくれていたんです。それがなんかちょっと申し訳ないなと思って……」 たしかにそういう方もいらっしゃるよな、入れられるけどちょっと怖いという方も含めて……と思っていたら、桂三さんが補足してくださいました。 「妻は昔、ガソリンをかぶっちゃったことがあるんですよ。それがトラウマになっているみたいで」     話を伺うと、タンクの構造を理解してないスタンドの店員がセルフ式に慣れていない美樹さんに入れ方をレクチャーし、それがもとでアクシデントに見舞われてしまった模様。出先でガソリンを浴びるなんて、さぞかしつらい体験だったことでしょう。 「なので、ずっと電気自動車を買おうって考えていて。フィアットから『500e』が発表されて、まだ日本に入ってきていなかったときから決めていました。ガソリンは怖くて入れられないけど、電気自動車は充電ソケットをカチッて挿すだけですから(笑)」 航続距離や充電環境の観点で抵抗感がある人もいるようですけれど、そういうのは……? 「なかったです。むしろガソリンで走るクルマとは違う、新しい乗り物として乗ってみたいな、と思っていました」     電気自動車だと『500e』のほかにも選択肢があったと思うんですが、なぜフィアットに? 「絶対に次は電気自動車にしたかったから、実は一度だけ別の電気自動車を試乗したことがあって、そのときにはこれはないなって思ったんです。ルックスも好きになれなかったし、走ってもあんまり楽しくないし、値段にも見合ってないし。いろいろと未来的だけど、なんだか落ち着かなくて。その後に『500e』が発表されて、これだって思ったんです。それから日本に入ってくるのをずっと待っていました。実車も見ないで注文しちゃったぐらいですから」   今までのクルマにはなかった運転の楽しさ   去年の10月に納車されたということですが、初めて『500e』に乗ってどんなことを感じましたか? 「楽しいな、って思いました。まず、加速が気持ちいいですね。『500 TwinAir』もよく走ってくれたけど、『500e』はもっといいです。信号が青になって発進するときに、ほかのクルマを置いて自分だけビューンって行けちゃうのは気持ちが良いな、って思いますね。クルマが軽々と走ってくれるんですよ。足元がちょっと硬い感じがするけど、それが不快というわけじゃなくて、曲がり方がしっかりしているように感じます。自分が操作して、こうなるだろうって思っているとおりに走ってくれますよね。長年乗った前のクルマは身体の一部みたいなところがありました。サイズも本当にコンパクトだったし、クルマがぜんぶ自分についてくる。『500e』にもそういうところがありますね。だから走っていておもしろいです。私は好きですよ」 「基本、小さくてキビキビ走るクルマが好きみたいです。これまでのクルマも全てそうだったから」 と、これは桂三さんによる補足。     「私、アクセルを踏んだらビューッっていけるクルマが好きなんです。でも、スピードは出さないんですよ。逆に自然とゆっくり走るようになっちゃって(笑)。最初の出だしがすごく気持ちいいからビューッっていくこともあるけど、そこからは法定速度で充分。普通のエンジンのクルマとは違うところがあって、例えば、アクセルを踏んだり戻したりっていうのが楽しい。普段はノーマルモードじゃなくてレンジモードで走っているんですけど、そのときのアクセルひとつでグーッと加速したり、グーッとスピードが落ちる感じがいいんですよね。レンジモードでは停止までいくので、狙ったところでピタリと停めるようにアクセルの戻し方を調整したり。そういうのがおもしろいんです。今までのクルマにはなかった運転の楽しさですよね。そういう電気自動車ならではの運転の楽しさ、みたいなのを味わっている時間があって、そっちに気持ちが向いているから、ぜんぜんゆっくりでいいんですよ。たまに、電気自動車はないなって言っている人もいますけど『500』は電気自動車になっても楽しい。乗る楽しさはものすごくあると思います」       普段『500e』にはどんなふうに乗ってらっしゃるんですか? 「乗りたいとき!(笑)。でも、本当に普通に乗っています。ショッピングモールの買い物とかに乗って行きますし、ちょっとお出かけするときや、趣味でやっていることで少し距離があるところまで走ったりと、普通の使い方ですね。通勤にも使っていますよ。でも、勤め先がすごく近いので、ぜんぜん距離が伸びないんです。家で100%まで充電して、100%のまま帰ってくることもあるくらい(笑)。もっと乗りたいんですけど、なかなか遠くまでいく用事がないんですよね」   次のページ:【『500e』は人に優しい運転をしたくなる】 […]

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泉の魔法が効いたなら〜ロマーニに愛されてきたROMAのスポット特集〜

“イタリア各地をめぐるフィアット”がテーマの『フィアット オリジナルカレンダー 2023』。2ヶ月ごとに、フィアットの各モデルが6つの街をめぐるイラストが描かれています。3月と4月に描かれているのは、イタリアの首都『ROMA(ローマ)』。今回も、イタリア在住のコラムニスト・大矢アキオ氏にローマの魅力をたっぷり伺いました。 なお、『フィアット オリジナルカレンダー 2023』はダウンロードが可能。ダウンロード方法は、記事の最後に掲載しているので、ぜひチェックしてみてください!   ▲『フォロ・ロマーノ』は、2千年前の古代ローマの寺院&官庁街跡。いっぽう右側には1935年に完成した『ヴィットリオ・エマヌエレⅡ世記念堂』が。時空を超越した建築物が混在するのも、この街の魅力です。   観光スポット満載のイタリアの首都・ローマ 地域ごとに深い歴史・文化をもち、独特の魅力を放つ国イタリア。ゆえに目的地選びは悩むものです。そうしたなか、年間旅行客数が約3千万人と国内第1位を誇るのがローマです。そのローマで“トレヴィの泉”といえば、1960年の映画『甘い生活』でマルチェッロ・マストロヤンニとアニタ・エクバーグが水に入って戯れたシーンで有名です。「後ろ向きにコインを投げ入れると、ローマに帰って来ることができる」という伝説から、実際にやってみた方も多いのではないでしょうか。   ▲トレヴィの泉。現在の姿は18世紀前半に造られたバロック様式で、海神ネプチューンの像などが据えられています。   ただし、別の映画『ローマの休日』の名ロケシーンであるスペイン階段しかり、あまりの賑わいに圧倒されてしまった方も少なくないはず。そこで今回は、ある日トレヴィのおまじないが効いてローマを再訪するあなたのために、生粋のロマーニ(ローマっ子)や、首都という土地柄セレブリティたちに愛されてきた店を2つほどご紹介。いずれも当主は創業家の出身。知り合いが気軽に「コメ・スタイ(よう、元気か)」と声をかけて入ってくるのも、地元の店ならではの風景です。 そして、伝説の『Nuova 500(ヌォーヴァ チンクエチェント)』で巡るツアーをプロデュースしているローマ生まれの紳士も。彼がナビゲートするのは、イタリア人でも知らない場所ばかり。これを読めば「もうローマは知り尽くしたから」なんていう言葉は出てこないかも……。 早速、スポット紹介に移りたいところですが、その前にローマの街で見かけたフィアットたちの写真をお届けします。   ローマの街を走るフィアットたち ▲『パンテオン』の裏で。リストランテの前に佇む『500e(チンクエチェントイー)』。   ▲近年若者に人気のナイトスポットであるピニェート通りで。初代『Panda(パンダ)』がポップな雰囲気の壁面と似合っています。   ▲イタリア首相官邸である『キージ宮』近くで。ターヴォラ・カルダ(軽食堂)の前に路上駐車する『500X(チンクエチェントエックス)』。   ▲ローマが最も領土を拡大した時期の皇帝名にあやかった『トラヤヌスのフォルム』を見渡すエリアで。フィアットのマルチパーパスカー 二代目『Doblo(ドブロ)』。   ▲画家カラヴァッジョの連作がある『サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会』近くで。『500e』2台と脇を走り抜ける『Panda』。いつの時代もフィアットはローマの一風景です。   ▲夕刻、トラステヴェレ地区のリストランテで。アイキャッチ役を務めているのは第二次大戦後イタリアにおけるポピュラーカーである『500C』。『トポリーノC』というニックネームで親しまれています。   次のページ:【ローマのおすすめスポットをご紹介】 […]

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シンプルだけどほったらかしじゃない。人に優しいクルマ|FIATオーナー紹介

『Panda』のラゲッジルームに折り畳み自転車を積んで、出掛けることもあるという瀧川徹(たきかわ・とおる)さん。以前は、『500 TwinAir』にお乗りで、『Panda』でフィアットは2台目とのこと。そんな瀧川さんに、フィアットとの出会いや趣味にも大活躍の『Panda』との過ごし方について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   自転車を積み込んで出掛けるときの『Panda』の使いやすさ それがどの街であれ、イタリアの街角に立ってグルリと周りを見渡すと、少なくとも1台や2台は『Panda(パンダ)』の姿が目に入ってきます。それもそのはず、『Panda』はイタリアで最も売れているクルマ。3代目にあたる現行のモデルのデータだけを見ても、2022年ではすべての月で販売台数はトップ、それも2位に大差をつけての記録です。デビューから10年以上が経過していることを考えたら、それは驚異的というべきこと。そして同時に“代わりになるクルマがない”ということの証でもあるのでしょう。 一体、なぜそれほどまでに『Panda』が支持されているのか。今回お話を伺った瀧川徹さんの言葉に、その理由がつまっているように感じました。     瀧川さんは奥さまとふたり暮らしの、ご職業はシステムエンジニア。2021年に『500(チンクエチェント)』から『Panda』に乗り換えたとのこと。それ以前は国産車に6年、ドイツ車に7年、英国ブランドのクルマに12年、そしてフィアットへと、輸入車を乗り継いでこられました。まずはフィアットとの出逢いから伺いました。 「私たち夫婦は小学校、中学校のときの同級生なんですけど、18〜19歳の頃にふたりで話しているときに、四角い初代の『Panda』で盛り上がったことがあったんですよ。でも、若い頃はイタリア車に乗ることがあまり現実的に思えなかったんです。そんなこともあって別のクルマに乗ってきたんですけど、フィアットの前のクルマに12年乗って、そこから先のメンテナンスや部品のことを考えて乗り換えを意識しはじめた頃、実際のところ『Panda』はどうなんだろうね?ってことでフィアットのショールームに行ったんです」   ▲瀧川徹さん   ところがそこで購入したのは、『Panda』じゃなくて『500』だったんですよね? 「そうなんです(笑)。奥さんの好みで、やっぱり『500』のデザインがいい、と。うちの場合、クルマは奥さんの好みで選んで、私が試乗をして決める感じなんです。はじめてのイタリア車だったので、メンテナンスのことなど少し心配していたところもあったんですけど、ディーラーの方にいろいろと訊ねて教えていただいて、納得して買い換えました。2017年のことでしたね」 『500』はどうでしたか? 「実はそれまで乗っていたクルマの最新型の購入も考えていたんですけど、ボディサイズが大きくなっちゃって、自分たちに合った大きさではないとか、感覚からズレちゃってたんです。それで国産車も含めていろいろ試乗もしたんですけど、やっぱり見た目が気に入らないと愛せないですよね。『500』は、ボディサイズもデザインもいい。それにツインエア エンジンも楽しいから、ずっと乗り続けていくつもりでいたんですよ。私たちは気に入ったものとは長く付き合いたいタイプなので、10年以上乗ろうって思っていたくらいでした。すごく気に入って乗っていたんです」 なのに、『Panda』に乗り換えられたのはなぜですか?   ▲『Panda』   「1回目の車検のときに奥さんといっしょにショールームに行ったら、『Panda』があるんですけどちょっと乗ってみませんか?って、勧められるがままに『Panda』に試乗しちゃったんです。『500』が気に入っていたから、買い替える気もない状態で(笑)。クルマの印象がすごくよかったから、はじめはいずれ乗り換えてもいいかもしれないね、ぐらいの話だったんです。でも世の中の状況が変わってきて、好きなクルマに乗るのもだんだん難しくなっていきそうだし、純粋なガソリンエンジン車もどんどん少なくなってきてる。加えて、コロナ渦に入ってからクルマの入荷が鈍くなる。そこでしばらくは好きな『500』を次の車検を通すか、その前に『Panda』に乗り換えるかで悩んでいたんですけど、今のタイミングを逃したら次に入荷する予定が見えなくなりそうと聞いて、最後の最後にふんぎりをつけました。乗り換えたのは2021年で、それから2年経って、今、走行距離は1万5,000〜6,000km。乗り換えたのは結果的には正解だったと思っています」     どんなところが正解だったんでしょう? 「自転車をクルマに積み込んで出掛けるときの、『Panda』の使いやすさです。例えば、私はカメラを肩から下げてポタリングをするのが趣味なんです。自宅から出発して近所を走ることもあるし、折り畳んだ自転車をかついで電車で遠くまで行って走ることもあります。また、クルマに積んで出掛けることも結構あるんです。週末になると、どこかしらを走っている感じですね。これは『Panda』や『500』に乗るずっと前からの趣味で、20〜30kmくらい走るときもあるし、思いのままに写真を撮りながら、どこにでも行っちゃうんですよ(笑)。目的地というよりもそこに至るまでのプロセスを楽しみたくて、ポタリングをやっています。そういう意味では、走ろうと思っている場所までどうやって行こうかを考えるのも楽しみのひとつなんですけど、『Panda』は自転車やそれに取り付けるポタリング用のバッグなどを積み込みやすいんです。『500』のときには工夫しながら積み込んでいたところがあったんですけど、『Panda』はそのまま難なく3台は積み込めますよ」     『Panda』の荷室容量はそのままで225リットル、リアシートを倒せば870リットルですから、積載能力は高いでしょうね。 「ボディサイズからしたら充分なスペースですよね。でも、その広さももちろんなんですけど、ラゲッジスペースのかたちがまたいいんですよ。実は去年、奥さんがしばらく空き家になっていたおばあさんの家を相続したので、この1年ぐらいは毎月『Panda』で南房総の海の近くに通って、中を片付けたりちょっとリフォームしたりして、やっと住めるようにしたんですね。そのときに向こうから荷物をいっぱい運んできてこっちで処分したり、逆にこっちから家電とかを持っていったり、それはもう散々荷物を積み込んできたんですけど、『Panda』のラゲッジルームは本当に使いやすいんです。今どき、バンでもワゴンでもないのにこんなふうに四角に積めるクルマ、そうそうないですよ。それが気に入っているところのひとつですね」     ほかにはどんなところがお気に入りですか? 「いろいろあるんですけど、背が高いのにロールが少ないので高速道路も安定して走れるし、素直に曲がってくれるところ。何の不安も不満もないです。それと走っていて楽しいこと。楽しくなかったら、たぶん買ってないです(笑)。それには、ツインエア エンジンの存在が大きいでしょうね。姿カタチからは想像できない音を聞かせてくれて、速くて、燃費もよくて、“走っている”っていう感覚が強いのもいい。シートがいいっていうこともあるんでしょうけど、エンジンが力強いから長い距離を走っても疲れない。『Panda』もツインエアだから乗り換えた、ツインエアだから乗っている、っていうところはあります。『500』のときは、見た目がかわいいから変な恰好して乗れないなって思っていましたけど、『Panda』は自然に街に馴染んでくれるので、気を使わずに普通に乗れますね。変に目立ったりはしないけど埋もれなくて、実によくできた洗練されたデザインだと思っています」   次のページ:【『Panda』は余計なものが何もついてない】 […]

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クルマの走らせ方、楽しみ方が変わった|FIATオーナー紹介

若い頃から熱心なクルマ好きで、車歴にはスポーツ志向の強いクルマが多かったという保坂光男(ほさか・みつお)さん。現在も、サーキット仕様のクルマやスーパーカーを所有する保坂さんが『500e』に魅了された理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   今までで、いちばん運転しやすいクルマ『500e』 『500e(チンクエチェントイー)』は118psの最高出力と220Nmの最大トルクを発揮する42.0kWのモーターをフロントに搭載し、車両重量1,320kg〜1,360kgの車体を走らせます。最高速度は150km/hに制限され、0-100km/h加速タイムは9.0秒。スポーツモデルというわけではありませんが、『500 TwinAir(チンクエチェント ツインエア)』の0-100km/hが11.0秒であることを考えると、走りっぷりはなかなかのものといえるでしょう。 そのパフォーマンスは、スピードと慣れ親しんできたドライバーの目にはどう映るのでしょう? 今回お話を伺う保坂光男さんは、若い頃から熱心なクルマ好き。20代の頃は日本のスポーツモデル、それもカスタマイズを加えてパフォーマンスを高めたクルマで走りを楽しむドライバー。息子さんとのキャンプのために大柄な本格的SUVへと路線を変えていた頃もありましたが、30代ではドイツの、40代ではイタリアの、高性能モデルを乗り継いできています。そして50代となった現在は『500e』、サーキットを楽しむための『アバルト595』、さらにはいわゆるスーパーカーをも所有するエンスージアストです。   ▲保坂光男さん   「ずっと仕事を一生懸命がんばってきたのですが、それもこれもクルマ好きをなんとか続けたいがためでした」 車歴にあるのは、基本的には速いクルマ、高性能なクルマばかり。普段使いとして『500 TwinAir』に乗られていたこともありますが、それも程なくして『アバルト595』へと代わります。そうした極めてスポーツ志向の強い方が、なぜ電気自動車の『500e』に関心を持ったのでしょう? 「普段乗るつもりで『500 TwinAir』からアバルトに乗り換えたんですけれど、あまりに楽しすぎてサーキット専用にしてしまったんですね。それに僕は精密な部品加工を生業にしていて、リチウムイオン電池のための部品も作っているんです。バッテリーの製造には以前から関与していたので、手元に電気自動車やハイブリッドカーが1台ある方がいい。それならフィアットのEVがいいな、と思ったんですよ。だから最初は“体裁”ですね(笑)」   ▲『500e』   電気自動車そのものに興味があったわけでは……? 「なかったです(笑)。むしろ逆で、自分のライフスタイルには合わないと思っていました。ガソリンを爆発させて走るクルマが大好きだから、電気自動車っていうものにケチをつけてやろうぐらいの意地悪な気持ちもあったほどです。電気自動車っていうものにはほとんど期待はしていませんでした。ところが『500e』は、それをことごとく裏切ってくれるという……(笑)。この15年ぐらいの間に買った中で、いちばん乗り心地がよくて、いちばんスマートに走ってくれて、いちばん何の不安もなくて、いちばん運転しやすいクルマ。それが『500e』なんですよ。どこに行っても絶賛してしまう自分がいる(笑)。そして、推したいクルマのひとつになってしまった。電気自動車嫌いが電気自動車にはまってしまった。そんな感じです」     単に電気自動車というだけなら、ほかにも選択肢はあったと思うのですが? 「僕は、日常で乗るクルマには条件があって、コンパクトな作りであることが絶対なんです。でも、いくつかコンパクトな電気自動車に試乗してみたのですが、何かピンと来なかったんですね。そんなときに『500e』がデビューして、これは都合がいいぞ、と(笑)」     それは『500 TwinAir』や『アバルト595』で慣れ親しんだ世界観にあるクルマだから、ということですか? 「それはありましたね。実は実車を見る前に予約をしちゃったんですけれど、実車にはまったく違和感がありませんでした。ただ、自分が『500』に乗ってきたり『アバルト595』を持っているせいか、味というかクセというか、そういうところが強いのかと思っていました。けれどいい具合に洗練されていて、初めての人でも自然に運転できるクルマに仕上がっているんですよ。フィアットが電気自動車を作るとこうなるのかっていう、いい意味でのギャップは大きかったですね」   次のページ:【モーター駆動の瞬発力や力強さってすごいな、って思います】 […]

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フィアットの故郷へようこそ!〜TORINOのとっておきスポット特集〜

フィアットファンに毎年大好評の『フィアット オリジナルカレンダー』。2023年のテーマは“フィアットとイタリアの街並み”です。2ヶ月ごとに、フィアットの各モデルが6つの街をめぐるイラストが描かれています。1月と2月に描かれているのは、フィアットの故郷『TORINO(トリノ)』。産業都市として、まさに近代イタリアのエンジンとなった街の“とっておき”スポットをお届けします。 なお、フィアット オリジナル 2023年カレンダーはダウンロードが可能。ダウンロード方法は、記事の最後に掲載しているので、ぜひチェックしてみてください!   ▲鉄道の玄関口であるポルタ・ヌオーヴァ駅付近を行く『500e(チンクエチェントイー)』。   フィアットの故郷“TORINO(トリノ)”とは? 北西部ピエモンテ州の州都であるトリノ。遠くアルプスの山々を見渡す街は、130平方kmに約84万人が住んでいます。ミラノが181平方km・約135万人ですから、ひとまわりコンパクトな街といえます。 11世紀にその歴史をさかのぼる名門・サヴォイア家は、ピエモンテだけでなく現在のフランスやスイスの一部も支配下に置いていました。そのため建築や方言には、フランスの影響がみられます。 やがて国家統一が果たされて1861年、ヴィットリオ・エマヌエレⅡ世を国王に据えたイタリア王国が誕生した際、トリノは3年にわたり首都機能の役割を担いました。   ▲トリノ旧市街を象徴する広場『ピアッツァ・サンカルロ』。周囲の館には、人々が冬の間、雨や雪を避けて歩けるようにポルティコ(屋根付き回廊)が設けられています。   20世紀のイタリアの近代化における原動力もトリノでした。ジョヴァンニ・アニェッリらが1899年にフィアットを興したのも、1927年に初めてラジオ局が開局したのもこの街。第二次大戦後は、多くの人々が南部から移り住んで工場で働き、復興を支えました。 その後、1988年から今日まで続く『ブックフェア』や2006年の冬季五輪などを通じて、国際イベント都市としても世界から注目されるようになりました。さらに2022年には『スマートシティ・インデックス』において、最もエコ・サステナブルなイタリア都市に輝きました。トリノは常にイタリアの未来を示し続けているのです。   ▲トリノはイタリア・ナンバーワンのエコ・サステナブル都市。EV(電気自動車)用充電ポールが充実していることもあり、『500e』もたびたび見かけます。   ▲裏道にたたずむ『500(チンクエチェント)』。碁盤の目のような道路は、サヴォイア家のカルロ・エマヌエーレ1世の号令で1620年に開始された都市計画の名残です。   ▲『500』は、イタリア屈指のカーシェアリングサービスの代表的車種としても有名です。   次のページ:【とっておきの!トリノのおすすめスポットをご紹介】 […]

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クルマに乗るときのワクワク感を取り戻した|FIATオーナー紹介

さまざまなイタリア車を乗り継ぎ、現在は『500e』に加え、『500』も所有されている日高正博(ひだか・まさひろ)さん。その中でも日常生活では、ほとんど『500e』にお乗りという日高さんに、『500e』の魅力や過ごし方について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   『500e』の写真を見て、デザインがすごくいいと思った イタリア本国では2020年にデビュー、日本では2022年の6月に発売開始となった『500e(チンクエチェントイー)』。世界に向けてデリバリーされるプロダクションモデルとして、フィアット初のEV(電気自動車)となったモデルです。1957年に誕生して今も世界中で愛されている『Nuova 500』こと2代目『500』の世界観や存在感を新しい時代に向けて再解釈しなおした電気自動車として高く評価され、2代目『500』同様、世界中で愛される存在となっています。日本ではEVそのものの普及がゆっくりなこともあってまだ少数派ではありますが、この『500e』の存在が気になっている人も多いようです。 今回はいち早く『500e』との生活を楽しんでいる、日高正博さんにお話を伺いました。 日高さんは20代前半の頃からさまざまなクルマを乗り継いで来られましたが、そのほとんどがイタリア車。それもスポーティなモデルが中心でした。現在も世界のトップクラスのハンドリングを誇るイタリアンSUV、そして1.2リッターのFIREエンジンを積んだ『500(チンクエチェント)』を所有されています。イタリア車のべテランといえる方の目に、はたして電気自動車の『500e』はどのように映っているのでしょうか。   ▲『500e』   まずはガソリンエンジンの『500』について伺います。『500』の1.2ℓモデルは、ご自身のクルマとして購入されたんですか? 「購入したとき、僕は別のクルマを気に入っていてそれに乗っていたから、どちらかといえば家族用という感じでした。娘がちょうど免許を取ったタイミングだったんですよ」 娘さんが『500』のかわいらしいスタイリングを好きになって、とか……? 「いや(笑)。僕が半分むりやり決めちゃったようなものでした。しかも『500』が家に来たら、乗ると楽しいものだから、ついつい僕がそっちにばっかり乗ってしまうという……」   ▲日高正博さん   娘さんというよりお父さんが乗りたかったんですね(笑)。 「そうですね、完全に(笑)。でも、どうせ買うなら楽しいクルマがいいじゃないですか」 SUVと『500』があるのに『500e』を買われたのはなぜですか? 「娘が家を出ることになって、『500』を持っていくことになったんですよ。妻とふたりの生活になって、だんだん小さなクルマでも十分なんじゃないかと感じるようになってきたんですね。そんなときに『500e』の話を聞いたものですから」     電気自動車にはもともと関心があったんですか? 「1ミリもなかったです(笑)。というか、他社のEVの試乗に行ったことはあったんですけれど、おもしろいなとは思いつつも、自分が所有する、所有したいっていう気持ちにはまったくなれなかったんです。でもたまたま『500e』が発売されるという話を聞いて、ちょっと気になっていろいろと調べたんですね。僕は興味を持つとわりと調べたくなるタイプなので、そうしているうちに、これはいいんじゃないかな、おもしろいんじゃないかな、という印象がどんどん強くなってきたんです」     「加えて、ちょうど娘夫婦に子どもが生まれたタイミングで、『500』だと少しずつ大変になりそうだから、娘夫婦にSUVを渡して僕が『500e』に乗ればいいんじゃないかな、なんて思うようになったんです。妻に『500e』を買う説明をするための、後付けの理由だったんですけどね(笑)。『500e』が来た今になっても、まぁそこはいろいろ考えています。『500』が戻ってきても置いておくことはできるので、『500』が2台並んでもいいかな、とか」 EVにあまり関心がなかったのに『500e』には興味を持ったというのは、なぜですか? 「最初に写真を見て、デザインがすごくいいと思ったんですよ。『500』なのは間違いないけど古臭いわけじゃなくて、抜群に上手いですよね。今の自分の気分にピッタリはまるな、という感じでした。それでいろいろな情報を集め出して、海外も含めてインプレッションの記事とかを読んだり動画を観ていたりしたら、クルマとしてのクオリティーは高そうだし相当おもしろそうだなって思えたんです。モータージャーナリストの方々がほぼ絶賛で、みなさんも本当に気に入ったんだなっていうことが伝わってきたんです。電気自動車でそういうのって珍しいなって感じたんですよ。これは間違いないなって思いました」     オーダーをしたのはどのタイミングですか? 「発売よりずいぶん前でしたね。初めて実車を見たのがショールームにクルマが入ったタイミングで、試乗をさせてもらったら、直感は大当たりでした。ものすごくいいな、って感じました。不安があったわけじゃないですけれど、早くにオーダーを入れていた自分は正しかった、って思いましたね」   次のページ:【『500e』の満足度はどれくらい?】 […]

CULTURE

イタリアと日本の文化を愛するイラストレーター、ビオレッティ・アレッサンドロの“POP・PRETTY・FUNNY”なメッセージ

広告・キャラクターデザイン・挿絵・漫画・絵本など、幅広い媒体で活動しているイラストレーターのビオレッティ・アレッサンドロさんは、フィアットと同郷のイタリア・トリノ出身。幼少期から“絵描きになること”と“日本に住むこと”への想いを募らせ、27歳のときに偶然の出会いを機に日本で絵本を出版。2015年5月からは日本に移り住み、現在はフリーランスのイラストレーターとして活躍中です。そんなビオレッティさんに、自身の活動のテーマやイタリアと日本の文化について、そして同郷であるフィアットの印象を伺いました。   夢は“絵描きになること”と“日本に住むこと” ──まずは日本に移り住むことになったきっかけを教えてください。 18歳のときに初めて日本に観光で来て、それから27歳までトリノに住みながら、日本へ行き来していました。そんなある日、出版社の編集者の方と偶然出会って、「絵本を出版しませんか?」と声をかけていただいたんです。それがきっかけで、絵本の出版後にアーティストビザを取得することができて、2015年からは日本に住んでいます。   ▲ビオレッティ・アレッサンドロさん   ──小さいころから絵を描くことに興味はありましたか? はい。幼いころから絵を描くことは好きで、7歳ぐらいのときには「絵の仕事をしたい」「絵を描いて生きていきたい」って思うようになりました。   ▲インタビューマガジン『世田谷十八番』   ──ビオレッティさんの幼いころのエピソードで、おじいちゃんが持っていた70年代の日本の写真集を見たことがとても印象に残っているそうですね。 それも7歳のときです。“日の丸”が描かれた本がおじいちゃんの本棚にあって、気になって手に取ってみたら、日本の70年代の写真集でした。僕のおじいちゃんはトリノにある『ラ・スタンパ』という新聞社で仕事をしていて、ジャーナリストと出会う機会がたくさんあり、その中のひとりからいただいたそうです。それを見たとき自分は、「日本はなんて面白い国なんだ!」って思いました。   ──それがビオレッティさんにとって、日本に興味を持つ原体験だったんですね。 はい。そこからどんどん興味が湧いてきて、“絵描きになりたい”と“日本に住みたい”っていう気持ちが合わさり、日本で絵描きができないかなって。そのあとは16歳から日本語の勉強を始めて、先ほど言ったようにイタリアと日本を行き来しながら、2012年ごろに出版社の方と出会い、2014年に『みつけてアレくん!せかいのたび』という絵本を出版しました。     ──絵本の出版によって、念願の日本暮らしが叶った面も? そうですね。「これをきっかけに日本に住めるんじゃないか……」っていう気持ちは正直ありましたね。日本に住むようになって、観光で訪れたときよりももっと深く、“日本の1日”を感じられました。そこはイタリアの1日のペースとは違いましたけど、今ではイタリアと日本の考え方やライフスタイルを、うまく自分の中でミックスできているように感じます。   ──日本に来てフリーランスのイラストレーターとして活動する傍ら、デザイン事務所の勤務なども経て、独立されたのは2019年。そこからは漫画や絵本のみならず、さまざまなブランドやイベントにおける広告のイラストなども数多く手掛けていますよね。 自分としてはひとつひとつのお仕事を大切に、とにかく100%で描いてきました。なので、何かこの仕事がきっかけで注目を浴びた、という感覚はないですね。日本人らしく言えば“コツコツ一生懸命”取り組んで、自分が納得できるクオリティの作品を出すことをいつも心掛けてきました。   ▲スーパーマケット成城石井でのイラスト制作   ──ちなみにビオレッティさんの作風が確立されたのはいつごろですか? ちょっとずつのプロセスの積み重ねではあると思いますが、根本的な部分で言うと、昔から“線を繋ぐ”ことが好きだったんですね。そこから自分の中の個性をもっと生かせないかなって考えていくうちに、フォルムや体の作りが独特な、誰も描いたことのないキャラクターを描くようになりました。自分の中でそこはアーティスティックな部分で、ちょっとずつ進化して今に至ります。   ──イラストには“POP・PRETTY・FUNNY”という3つのキーワードがあるそうですね。 まず僕の絵をパッと見て、その印象をひとつの言葉で表現するならPOP。ただそれだけじゃなくて遊び心、つまりFUNNYな要素も加えて、PRETTYな絵になるように表現しています。   ▲2022年9月に発売した新作絵本『なぞなぞショッピングモールでおかいもの』   次のページ:【ビオレッティさんのDNAにあるイタリアとは?】 […]

LIFESTYLE

バイクは私の時間、クルマは家族の時間|FIATオーナー紹介

バイクをメインのフィールドに、モデル・タレント・ライターとしてマルチに活躍されている多聞恵美(たもん・めぐみ)さんが、ご自身初の愛車として選んだのが『500C』。バイク乗りの多聞さんが『500C』を選んだ理由について、自動車ライター・嶋田智之さんがお話を伺いました。   運転席に座った瞬間、いろんなものがしっくりきた 上信越自動車道の碓井軽井沢インターから県道43号を軽井沢駅方面へ5kmほど走ると、左側にカナリアイエローの小さな建物が見えてきます。そこは『SHINICHIRO ARAKAWA 軽井沢 Canarino』という、パリコレデザイナーとしても著名なSHINICHIRO ARAKAWAのバイクウェアショップ。傍らの駐車場には、赤い『500C(チンクエチェントシー)』が停まっています。このお店のカフェカウンターを担当する、多聞恵美さんの愛車です。 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、多聞さんはバイクの世界では著名な方。タレントやモデルとしての経歴もさることながら、バイク好きが高じてバイク系メディアで連載を持ったり試乗記を書いたりとライターとしても活動され、ツーリングと食をからめた著作も3冊あります。さらには、バイク関連イベントのMCやテレビ/ラジオ番組でのパーソナリティも。モデル+ライター+ライダーで“モデライダーの多聞恵美”。その名前はバイク業界全体に行き届いているといっていいでしょう。   ▲多聞恵美さん   ここしばらくは、ふたりめのお子さんの出産のためにすべての仕事をお休みしていましたが、復帰した途端に連載は再開、MCの仕事も入りはじめ、バイク乗りのお客さんたちが待つカフェにも戻り……と、いきなり多忙になってきた様子。お訪ねしたのはちょうどそんなタイミングでした。 『500C』は多聞さんにとっての最初の愛車ということですけれど、ずっとバイクにお乗りだったんですか? 「10代からずっと、でした。バイクでこと足りていたので、クルマに興味が向かなかったんです。すべてが自分の手の届く範囲にある感覚が好きで、それに馴染んでいたから、クルマの大きさだと四隅に責任が持てないって感じてもいましたし。免許は20歳の頃に取りましたけど、それもモデルの仕事で教習所のプロモーションビデオの仕事をさせていただいて、ご縁だからそこで免許を取ろうっていう感じでした。クルマに乗りたいっていう想いはなかったですね」 クルマにはまったく乗っていなかったんですか? 「母が軽自動車に乗っていたので、必要なときに借りることはありました。でも、そうじゃないときは、ずっとバイクでした。バイクは何台か乗り継いで、20代前半の頃からバイクの仕事をいただくようにもなって、排気量の大きめなイタリア車も2台乗りましたよ」 なのにクルマに、それも初めてのクルマとして『500C』に乗るようになったのはなぜですか?   ▲『500C』   「31歳のときに最初の子どもを授かったのがきっかけでした。家には主人のクルマがあって、それが私にはちょっと大きかったんです。それに私、免許はマニュアルで取ったんですけど、ほとんど運転してこなかったので……。主人はいろんな含みを持った言葉で、心配だからって乗らせてくれなかったんですね(笑)。仕方がないから教習所でマニュアル講習を受けて、次に主人を乗せてテストしたんですけれど、坂道発進ができなくて“やっぱりダメ”っていわれて(笑)。実は主人がかなりのイタリア車好きで、そのクルマもイタリア車で、大のお気に入りだったからでしょうね(笑)」     なるほど、ご主人の影響を受けての選択だったんですね。 「ぜんぜん違います(笑)。結果的には増車になったんですけれど、私が運転できる小さいクルマに買い換えようってことになって。最初、『500C』は候補じゃなかったんです。もちろんフィアットは前から知っていたし、仕事で知り合った4輪のプロの方たちからお話を聞いたりもして、小さくてかわいくていいなと感じてはいたんですよ。でも、かわいいって思うのと買おうって考えるのはぜんぜん違うじゃないですか。もともとクルマに趣味性みたいなものはまったく求めてなくて、子どもが大きくなってファミリーカーとして使うのならスライドドアは便利だし、そんないい選択肢はないでしょ、なんて考えていたくらいですから」   ▲Canarinoで食べることができるホットドッグ。   なのに、なぜ『500C』に? 「実は私、車種がどうっていうより、せっかくならサンルーフで構わないから屋根が開くクルマがいいな、って思っていたんですよ。バイクの仕事でお世話になった方のクルマに乗せていただいたとき、当たり前のようにサンルーフを開けてくださって、こういうのっていいな、って感じたことがあったんです。それを主人に伝えたらいくつも候補を上げてくれて、それこそ軽自動車から輸入車まで、いろいろ見に行ったり試乗しに行ったりしたんですね。そしたらファミリーカーとして最良に思えたクルマたちって、とっても便利なんですけれど、おもしろくなかったんですよ。最後に見に行ったのが『500』で、これはないだろうなと思いながら運転席に座ったら、その瞬間、ああ、これだ!って思ったんです(笑)」     「なにがどうって説明しにくいし、直感といえば直感なんですけれど、いろんなものがしっくりきたんです。それで、3ドアだけど何とかなるだろう、って(笑)。そのときに試乗したのはハッチバックだったんですけれど、“屋根が開くクルマがいいんでしょ?”っていうことで、1.2の『500C』がうちに来ることになりました」 次のページ:【多聞さんが感じているフィアットの魅力とは…?】 […]

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