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トリノで行われた旧車イベント〜第36回、アウトモトレトロ Vol.1

トリノ、FIAT、蚤の市 いまから120年近くも前、1899年7月11日に創立されたFIATは、イタリア最古の自動車メーカー。ちなみに、この世に初めて「自動車=Automobile」という言葉が使われたのが同年1899年の1月のニューヨーク・タイムズ紙だといわれています。FIATが世界最古というわけではありませんが、自動車製造の黎明期に産声を上げた、数少ない歴史あるブランドであることに間違いはありません。   そんなイタリア(主に北中部)では、自動車関連のイベントは日常茶飯事。このいわゆる「蚤の市」的イベントは、真夏(7、8月)と真冬(12月、1月)を除けば、ほぼ毎週末、さまざまな規模や内容で各州、各都市、各市町村で行われており、週末の市民の楽しみとして長く愛されています。   トリノでの最大規模がこの「Automotoretro(アウトモトレトロ)」。今年で36回目を迎えるこのイベントは「自動車+バイク+レトロ」を意味するその名の通り、自動車やバイク、自転車などあらゆる車輪がついたもの、そしてその部品はもちろん、広告やノベルティといった関連商品からおもちゃに至るまで、様々な「旧いもの」が手に入る正真正銘の蚤の市なのです。     1923年に生まれたFIAT社の本社兼工場施設であったLINGOTTOの隣(昨年まではリンゴットの一部も使用していた)で開催されるお膝元どころか城内開催のような趣のイベントで、FIAT好きにはたまらないロケーションです。ちなみにこのリンゴット内には商業施設や映画館、ホテルなどもあるので会場までのアクセスも至便。そのロビーには同じトリノの名門、ランチアの旧車が展示されていたりと、ファンにはなかなかたまらない演出がなされています。     あくまでいち都市のローカルイベントでありながら、やはり多くのメーカーが林立していたトリノの引力のなせる技なのか、隣接するスイスやドイツ、フランスはもちろん、オランダやスペイン、ベルギーあたりからも高速をすっ飛ばしてやってくるファンたちも決して少なくない、人気のイベントとなっています。     ブームの裏に…。 FIATやアバルト、ランチアなど多くのイタリアの代表的メーカーや、ピニンファリーナやベルトーネといったイタリアを代表するカロッツェリアが立ち並んだトリノ。やはり本場ならではの「掘り出し物」や「お宝」が多いのもこのイベントの魅力です。   しかし、昨今の旧車ブームによって、多くのバイヤーがトリノに訪れるようになり、ここ数年では高額取引がなされる車両をはじめ、関連部品などの出展数も減少傾向。その煽りを受けてか、軒並み価格が高騰するという状況に見舞われています。   それでもやはりそこはトリノの底力とでも言うのでしょうか。進む高齢化に伴う「次世代へのバトンタッチ」は避けられず、ひょんなことで幻の名車や珍車が売りに出されることも少なくありません。そんな中にはワンオフ(別注・特注)やワンオーナーものがあったりしますので、旧車ファンとしてはやはり気が抜けません。     もうひとつの魅力は、オーナーズクラブの出展です。ここでは、まずお目にかかれないようなコンディションの名車や珍車にお目にかかるチャンスであり、また、ユーザー同士の交流や、情報交換ができるのも大きな魅力。これはSNS全盛となった今も変わらず続く伝統だといえます。     特にイタリアの自動車最大の魅力であるデザインは、紙面や画面で見るのと、間近に見たり触ったりするのとでは大違い。その圧倒的な存在感には、毎回ヤラれてしまいます。   長い歴史は、長く愛されてこそ生まれるものであり、そうした足跡や今も綿々と続く流れのようなものを感じさせてくれるのが、こうした特定ジャンルの蚤の市の魅力。   次回は「アウトモトレトロ」をもっと深掘りしていきたいと思います。 […]

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イタリア自動車紀行〜FIATの街、トリノ vol.1

現在のイタリアの首都といえばローマ。 ではローマの前の首都はと聞かれると、わたしたち日本人は「?」となってしまうでしょう。 実はFIATの本拠地であるトリノこそ、今から150年ほど前、19世紀におきたイタリア統一運動の主力であったサヴォイア家の本拠。その後彼らが首都に定めた街だったのです。     「山の麓」を意味するピエモンテ州の州都トリノは、北に雄大なアルプスを構える美しい街。碁盤の目のような近代的な区画整理や、均整の取れた建物が溢れ、オリーブやブドウ畑、地中海といった典型的なイタリアの風景とはまた違う、きりりとした魅力溢れる美しき古都。     そんなかつての首都とともに栄えたのが、その名も「トリノ・イタリア自動車工業」であるわれらがFIAT。 1899年創立、以後「陸に海に空にFIATあり」というスローガンとともに、自動車以外にも鉄道、船舶、航空機などを製造し、文字通りイタリアを支える役割を担ってきました。           次号からは、そんなトリノで2月1日から行われたイベント「AUTOMOTORETRO(アウトモトレトロ)」の模様、現地のオーナーズクラブの情報、街中で活躍する新旧さまざまなFIATたちをお届けしたいと思います。お楽しみに!     つづく […]

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良質なココアを贅沢に使用 イタリア生まれの本格チョコレート「DOMORI(ドモーリ)」

  カカオ本来の味わいがそのままおいしさに イタリアが世界に誇る高級チョコレート「DOMORI(ドモーリ)」。世界に数あるチョコレートブランドのなかでもドモーリが注目されている理由は、全体の10%ほどしか取れない良質なファインカカオを原料に使い、製造方法にもこだわることで、カカオ本来の旨味が生きたおいしさを届けてくれるから。     カカオは、抗酸化効果が期待できるポリフェノールを豊富に含むことから近年ますます注目されている存在。ドモーリはカカオの味わいを最大限引き出すことに注力し、香料を使わずに発酵や焙煎、製造まですべてを自社で行っています。畑で獲れてから工場を出荷するまでのあらゆる工程で妥協せず、それによって実現するピュアな味わいは、グルメや健康志向の高い人をも魅了しています。     今回紹介するのは、ドモーリの真骨頂であるファインカカオの味わいを気軽に味わえる「CHACAO by DOMORI(チャカオ バイ ドモーリ)」。風味の異なる6種類がラインアップされています。   CHACAO by DOMORI 塩チョコレート(カカオ45%)     CHACAO by DOMORI塩チョコレートは、フランス・ブルターニュ地方のゲランドの塩をブレンドしたミルクチョコレート。カカオの豊かな香りと天日塩の思いもよらぬ出会いが口のなかでとろけ、豊かな芳香を楽しませてくれます。     フィアット正規ディーラーでは、2月3日(土)から14日(水)にかけてバレンタインシーズン限定のテストドライブキャンペーンを実施。期間中にフィアット車にご試乗された方に「CHACAO by DOMORI 塩チョコレート」を差し上げます。まいにちを楽しくしてくれるイタリア生まれのドモーリとフィアット。その運命的な出会いをあなたに。   バレンタイン テストドライブキャンペーンの詳細はこちら […]

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おいしいイタリア〜シンプルな漁師めし「アクアパッツァ」

巷では◎◎めしなるものがもてはやされている。 いろんなアイディアが詰まっていて手軽で美味しく味わえ、しかもコスパ抜群。そんな簡単レシピが大人気である。 アクアパッツァという料理をご存知だろうか? いうなれば南部イタリアの漁師めしなのだが、これまたシンプルなことこの上なく、さりとて日本で大人気なイタリアン、ペペロンチーノやピッツァ・マルゲリータ同様、実に奥の深い料理なのである。 日髙良実(ひだかよしみ)、日本を代表するイタリア料理のシェフのひとり。喫茶店で供されるナポリタンやミートソース、そして冷凍のピザくらいしか一般的には認知されてなかった時代、イタリアの名店で修行を重ね、本格的なイタリア料理を日本に広めたことで知られている。 今よりもずっと本格イタリアンが少なかった時代、彼の海外武者修行もフランス料理からスタートしている。しかし、当時のフランス料理は敷居が高く、そこに疑問を抱いていた彼はもっと身近に楽しんでもらえるイタリア料理を選んだ。     その男、南へ 日髙青年は、やがて単身イタリアへ渡り数々の名店で修行を重ねる。 イタリアは広い、そこで郷土料理も学ぶべきだという先輩シェフの言葉に、彼は南イタリアのナポリへ足を向けた。 そして、後の彼の店名でもある「アクアパッツァ」に出会うことになるのだ。 「塩とオリーブオイル、柑橘類くらいしか使わないのに奥が深い。衝撃でした。シンプル、そのひと言ですね。イタリアンの凄味を感じました」     極めればミニマルに 「毎日食べても飽きないんです。いやシンプルだからこそ飽きないのかな? これぞイタリア的な一皿だと思いました。」 アクアパッツァは、格式あるレストランでも食べられるが、同時に庶民的でもあるこの“漁師めし”は、オステリアやトラットリア、果てはターヴォラカルダといった場末でも楽しむことができるので、修行の合間に評判の名店を食べ歩いたという。 「最初は仕事に夢中でしたが、慣れてくるといつのまにかどんどんイタリアが好きになっていました。特にイタリア人の人がらでしょうね、朗らかで屈託がない。街の美しい景色は、この人たちあってのものなんだと実感しました。     修行する店のスタッフの実家へ遊びに行ったり、街を散歩するようになると、ますますイタリアの魅力に引き込まれていく。」 「ナポリって港町ですからね。新鮮な魚介類の料理を大勢で楽しんでいる。暖かい日差しが降り注ぐ街並、石畳の上にはちっちゃなフィアットたちがギュウギュウに停められている。あれは心象風景ですね、僕にとってのイタリアの。」 そう語る日髙氏がアクアパッツァを作ってくれるという。           長く愛される理由 ホールスタッフに取り分けてもらった一皿を前にすると香しさに包まれる。柔らかな白身を口にふくむ…。素材を活かすのがイタリア料理などという月並みな言葉が頭の中から吹っ飛んでしまった。気がつけばスープまで飲み干していた。一皿のカタルシス。日髙氏の言う衝撃とはこのようなものだったのだろうか? 庶民派という点ではFIAT 500もその代表格。しかも、ギュウギュウに路上に溢れていたチンクエチェントは日高氏と同い年の1957年生まれ。 「ますます親近感を覚えますね。使い込まれたチンクエチェントが元気に走り回る光景は私にとってイタリアそのものです。いまは忙しくて運転する機会と言えば横須賀のアクアマーレに行くくらいなのですが、いつかこういう車に乗って港町を巡る旅をしてみたいものです。」 笑顔で答える彼と、いつのまにかミケランジェロやダヴィンチといったイタリアの文化や芸術にも話が及ぶ。 「どちらもイタリアの人が作ったものだからなんでしょうね、アクアパッツァ的なものを、チンクエチェントに乗った時にも感じましたよ。イタリアの気質みたいなものでしょうか。しっかりと歴史が磨いていく感じなのかな…。 誰からも愛され、歴史が磨き続け、愛され続けるという点で、一皿のアクアパッツァとチンクエチェントには同じイタリアの精神が脈々と宿っていると改めて認識させられた。     リストランテアクアパッツァ 東京都渋谷区広尾5-17-10 EASTWEST B1F 03-5447-5501 2018年春より移転予定 […]

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オーナー紹介〜イタリア文化を丸ごと愛する2人の思いが、トラットリアと500に凝縮!

文=田代いたる(ベスト・イタリアン選考委員) 写真=太田隆生   店で使うおしゃれな備品を500で買い出し 真っ赤なボディに、ベージュのソフトトップが何ともスタイリッシュな500Cが、この日、『IKEA立川』のパーキングにありました。オーナーは竹内悠介さんと舞さん夫妻。ペーパーナプキン、ストロー、フォトフレームなど、今日もたくさんお買い上げのよう。『IKEA立川』には「よく来ます」と笑顔で舞さん。竹内さんも、「店で使っているテーブル周りの備品など、いつもここで買っています。イタリアに住んでいた頃から愛用していますよ」と続けます。竹内さんは、西荻窪で人気のイタリア料理店『トラットリア29(ヴェンティノーヴェ)』のオーナーシェフです。       『トラットリア29』は肉料理が評判の、西荻窪の人気店 愛車を走らせ、店に戻った竹内さん。舞さんにも手伝ってもらい、ディナータイムの準備に取りかかります。『トラットリア29』は今年で7年目。当初から変わらないコンセプトは「お肉の美味しいイタリアンレストラン」。メインはもちろん、前菜やパスタも肉料理がズラリ。その原点は竹内さんが修行したトスカーナ州にありました。 「けれど、最初の修行先にトスカーナを選んだ理由は、当時、自分の中にイメージができたイタリアで唯一の州だったから。本当に、そんな程度(笑)。元々、肉料理は好きで『州都のフィレンツェもビステッカが名物だからなぁ』って。何のツテもなく、行ってしまいました」。 最初の修業は、ビザの関係から半年の期間限定でした。「運良く、日本人シェフが在籍していた、フィレンツェの店で働くことはできたのですが、半年では全然、足りなかった。そこの先輩料理人から、存在を教えてもらったのが『チェッキーニ』でした」。そこである日、見学に出かけることに。     イタリアで『チェッキーニ』と出逢い、肉にのめり込む 『チェッキーニ』とは、トスカーナ州パンツァーノで400年(!)も続く老舗の精肉店。生の肉を卸し、販売するだけでなく、生ハムやサラミ、牛肉のタルタルなど、肉の総菜もいろいろ扱っています。店の向かいにはビステッカが名物の直営レストランも併設。竹内さんも驚いた、肉尽くしの環境がそこにはありました。 「生から熟成まで、肉料理に、これほど多彩なアプローチがあるのかと感激しました。その奥行の深さにすっかり魅せられてしまった」。 竹内さんがここで実感したのはひとつの文化。主役は肉で、町のお肉屋さんがその文化を牽引し、多くの人から愛され続けている。「いつかは自分の店を持ちたい」。イタリア料理の世界に飛び込んだときから抱いていた、竹内さんの漠然とした夢は『チェッキーニ』と出逢い、確固たる信念に変わりました。 「肉に特化した店をやる」。強い決意を胸に抱き、改めてイタリアへ渡った竹内さん。ほかの州も知っておきたいと、今度はエミリア・ロマーニャ州ボローニャで著名な『トラットリア・ダ・アメリーゴ』や、マルケ州で城壁の内にあるリストランテ『ラ・ボッテ』といった名店で研鑽を積みます。一方で、『チェッキーニ』にはずっと修業を嘆願。望みが叶ったのは、渡伊から1年半の月日が経った頃でした。     肉漬けの日々で見えてきた、肉の本当の美味しさ 「『チェッキーニ』では本当に、朝から晩までみっちり、肉(笑)。毎日7時から午前中はずっと、70歳を越える熟練職人の隣で肉を解体して、ランチタイムはレストランの手伝い。夜は夜で、また肉屋に戻って作業する。おかげで、それぞれの部位にはどんな特性があって、どういう調理が適しているのか、深く知ることができました」。 だから『トラットリア29』のビステッカは、イタリアで感激した赤身の美味しさを真っ直ぐに伝えるスペシャリテ。調味は基本的に焼き上がりに振る塩のみで、熱源も炭火。『チェッキーニ』と同じスタイルを踏襲しています。 「表面の水分を適度に飛ばして香ばしく、中はレアに仕上げるイメージ。時間はかけず、一気に焼き上げる。今日の短角牛で300gほどですが、完成まで10分ぐらい。日本で塊肉だと休ませながら焼くというイメージがありますが、イタリア人に言わせると、『それはビステッカでなく、ローストビーフだ』って言われてしまう(笑)」。       奥様との出逢いももちろん、イタリア! 『トラットリア29』は、イタリアの食文化に惚れ込んだ、竹内さんの熱意が凝縮されたレストラン。今も、年に1回は現地へ。そこで体感し、会得した、すべてが血となり肉となってお店に結実しているのです。実は、この日も2週間ほど滞在したフィレンツェから戻ったばかり。今回も、少なからず新たな発見があったようです。「新しい写真を飾らないと」。笑顔で舞さんが言いました。 そう言えば、竹内さんと舞さんが初めて出逢ったのもフィレンツェだったのでは? 「実は、よく食べに行っていた『トラットリア・ソスタンツァ』の裏手に、妻と横内美恵さんが暮らしていた部屋があって。横内さんを介して知り合いました」 横内さんは、今、『トラットリア29』の店舗を使い、別業態としてランチ限定で営業する、サンドウィッチ専門店『3&1(トレ・エ・ウーノ)』の責任者。竹内さんがフィレンツェで初めて働いた店の後任が、横内さんという縁があります。当時、彼女のルームメイトとして一緒に暮らし、ジュエリーデザインの学校に通っていたのが、舞さんでした。 舞さん曰く、「この店のデザインは、私の美大時代の先生にお願いしました。もちろん、2人のアイデアはいろいろとリクエストしています。そして、小物などを集めて飾るコーディネートは私の担当。飾る写真などは、折に触れて替えています」。     イタリア人のデザイン力に惹かれて なるほど、明るくスタイリッシュな店内は、夢を叶えてジュエリーデザイナーとしても活躍する舞さんと、竹内さん、そして美大時代の恩師のセンスの賜物。伝統的で重厚な肉料理を提供するするレストランとは思えないほど、洗練されています。実はその理由も「『チェッキーニ』の存在が大きかった」と舞さんは振り返ります。 「歴史があるお店なので、建物自体は何百年も前に建てられたままですが、『チェッキーニ』のレストランは、中に入るとビックリするぐらい、モダンにリノベーションされていた。彼らチームのデザイン力を実感しました。帰国して、店を始めるとき、最初から、そういう風にしたいねって2人で話していました」。 聞けば、トスカーナ州の代表的ワイン、キアンティの品評会でも、古い駅舎を会場に使用。外観は荘厳に、中は明るくモダンなんてことがよくあるそう。イタリアは美食の国であると同時にデザインの国でもある。そんなことを改めて思い出します。そして、竹内さんが愛車に500Cを選んだのも、イタリアへの愛の深さを考えれば、当然のことでした。     500のためのドライバーズライセンス 「ちょうど、僕がボローニャで修業していた頃、500に3代目が誕生して、街で見る度に『乗りたいなぁ』って思っていました。免許もなかったのに(笑)。イタリア人の同僚に『買ったぜ』と自慢されたときはホント、悔しかったなぁ」。 だから、運転免許取得の動機はただ一途に「500に乗りたかったから」。忙しい合間に免許を取って、店が軌道に乗った3年半ほど前にようやく、500Cを購入しました。買い出しでも大活躍する、今や『トラットリア29』には欠かせない、大切な存在です。 「かわいくて選んだカラーリングですが、後から見るとベージュが脂、ボディが赤身で、やっぱり肉になっているんです(笑)」という竹内さんに、舞さんは「彼はいつもそう言うんですけど、誰も同調してくれない(笑)」。 イタリア文化を丸ごと愛する2人の熱い思いが、『トラットリア29』の料理と店舗、そして500Cに凝縮されています。   […]

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CULTURE

生誕60周年! Nuova 500がイタリアで記念切手に!

文・大矢アキオ Akio Lorenzo OYA (イタリア文化コメンテーター)   2017年7月4日、フィアットNuova 500(チンクエチェント)が誕生60周年を迎えた。 1957年から1975年まで18年にわたり、400万台以上が造られたモデルである。ゆえに、今も世界でイタリアを語る際のアイコンとなっている。 故郷イタリアでは、ほとんどの人がNuova 500(イタリア人の多くは愛称でチンクイーノと呼ぶ)との思い出がある。60歳以上なら、少なくとも一度は所有もしくは運転したことがあるという人が大半を占める。     筆者の知人マリオ&ロザンナ夫妻もしかり。初期型の価格は49万リラで、平均的労働者の月給の10倍以上だった。若い頃買うのは大変だったのでは? そんな質問に対して彼らは「あの頃は毎年お給料が増えていったから、まったく心配なかった」と振り返る。“奇跡”といわれた戦後イタリア経済の活況を彷彿とさせる話である。 同じく知人のピエロ&ヌンツィア夫妻は、ミラノで交際していた時代、Nuova 500を各自持っていたと振り返る。「当時ミラノは、ナンバープレートの数字が偶数か奇数かで、走れる車の量をコントロールしていたのよ。運良く私のチンクイーノのナンバーは偶数、彼のは奇数だったから、毎日二人で走れたわ」とヌンツィアさんは笑う。     今もNuova 500を毎日の足とする人もたびたび見かける。調査によると、イタリアでは今も38万8千台以上が現存している。街を走れば誰もが微笑むそのキャラクターだけが理由ではない。2970✕1320mmという極めて小柄なボディゆえ、歴史的旧市街にある古い馬小屋を改造したガレージにも収まってしまうのである。自家製生ハムやワインの樽に埋もれるようにしてNuova 500が眠っている光景も、よく目にする。 加えて、イタリアでは30年以上前に生産され、かつオリジナル・コンディションが維持されている車は、自動車税免除という“おまけ”もついてくる。     若い世代もNuova 500が大好きだ。現行500の人気に反応するかたちで、納屋に眠っていた車を引っ張り出して、復元を試みる若者が現れるようになった。 この地では結婚式に新郎新婦が洒落た車に乗って教会に乗りつけるのがおきまりだが、レストア完了したNuova 500にリボンで飾ってやってくる光景も近年目撃するようになった。かつてのポピュラーカーが晴れの日の車にとは、あっぱれではないか。     しかし、Nuova 500による最大の功績を忘れてはいけない。 イタリアでは多くの地域で、人々は中世に起源を遡る城壁内と、その周囲で生活が完結していた。城壁の中で生まれ、学び、結婚し、働いていたのである。 それは筆者が住むシエナで、11世紀末に起源を遡る病院の建物が、第二次大戦後まで同じ場所で同じ機能を果たしていたことからもわかる。 彼らの生活に劇的な変化をもたらしたのは、1950-60年代に訪れたモータリゼーションと、その主役であるNuova 500であった。     人々はNuova 500に乗って城壁を飛び出し、隣の町や村へいつでも楽に移動できるようになった。 自由な移動は、郊外住宅や商業施設、さらには工場の建設も加速させた。これだけ多くの人々が一斉に城壁の外で暮らし始めたのは中世以来の出来事だ。 週末のピクニックや、夏や冬のヴァカンスなど、レジャーという習慣も誕生した。 それを陰で支えたNuova 500は、イタリアの歴史を変えたといっても過言ではない。     誕生60周年に際してイタリアのテレビ各局は、連日ニュースのヘッドラインで紹介し、主要新聞も軒並み文化欄に大きなページを割いた。 さらにイタリア郵便も。現行500のシルエットにNuova 500を重ねた、粋なデザインの記念切手だ。上部にはイタリア国旗のトリコローレが走る。     Nuova 500は、単なる生活の道具や車ではない。イタリアにおける20世紀の誇りなのである。 […]

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イタリアの魅力に触れる「イタリア・アモーレ・ミオ!」

文=友永文博 写真=太田隆生   六本木ヒルズが再びイタリア色に染まった2日間 昨年、イタリアと日本の国交樹立150周年を記念して初めて行われた2日間のフェスティバル「イタリア・アモーレ・ミオ!」。会場となった六本木ヒルズにイタリアのトップブランドが集結、その魅力を間近に体験できたほか、アーティストたちがパフォーマンスやコンサートを繰り広げ、多くの人々を魅了しました。その人気イベントが大好評のため、舞台を同じくして今年も開催。当日の5月20日(土)、21日(日)は天気にも恵まれ、昨年同様、大きな盛り上がりを見せました。     2台の個性際立つ展示が人気だったフィアット&アバルト フィアットも昨年に続きこのイベントに参加、六本木ヒルズ2階の大屋根プラザにブースを展開しました。今回は“One Soul, Two Roads”のコンセプトのもと、FIAT 500とABARTH 595を並べて展示。同一のボディとシャシーを用いながらも、シティ・コミューターとレース対応も可能な高性能車という、コンセプトの異なる2つの車の魅力をアピールしようという試みです。     期間中は、イタリア車ならではのチャーミングな外見とともに、対照的な個性を際立たせる展示スタイルにも注目が集まり、来場者が続々。老若男女、国籍も多様な人々がブースを訪れました。そして、それぞれ熱心にスタッフに質問したり、自らiPadを操作してスペックを確認したり。また大部分が展示車両のシートに体を預け、そのファッショナブルな空間とハンドルを握ったときのワクワクする感覚を存分に楽しんでいたよう。中には、さっそく試乗の予約を取り付けたファンまでも! 誰もがつかの間のドラマティックな体験を満喫し、ハッピーな笑顔でブースを後にしていました。     吉本ばななさんのトークショーでイタリアの美しさを再認識 また20日の17時からは、作家の吉本ばななさんが登場。『ヒルズカフェ』でトークショーが開かれました。吉本さんの作品の多くはイタリア語に翻訳・出版され、現地でも大人気。そんな作家の目に映った「イタリアについてぜひ話を聞いてみたい」と会場は満員に。FCAジャパンのマーケティング本部長ティツィアナ・アランプレセがインタビュー役となり、子どもの頃から大好きだったという日本の漫画や映画監督ダリオ・アルジェントから、翻訳者ジョルジョ・アミトラーノさんたちと一緒に巡ったトスカーナやシチリアの旅の思い出まで、幅広い話題について語っていただきました。     さらには、この日のために書き下ろしたという「イタリアがくれたもの」という短いエッセイを自身で朗読。そこで紡がれていたのは、吉本さん曰く「形容詞がいくらあっても足りない」ほどのイタリアの美しさを描いた、詩的で少しセンチメンタルな言葉の数々。それらは空間を共有する聴衆の心を一瞬で魅了し、インタビュアーのティツィアナも「思わず涙が出てしまった」と感動するほどでした。 またトークショーの最後に設けられた吉本さんへの質問コーナーでは、会場から「一番心に残っているイタリアの思い出は?」との問いが。それに対して「一つに決めるのは本当に悩ましいけれど、あえて選ぶならサルデーニャ。あの柔らかい光で映し出される夕刻の海辺や花が咲き乱れる山々など、移動中の車窓から見た景色やシーフード料理の美味しさは今でも忘れられません」と回答した吉本さん。とても印象的なイベントの締めくくりとなりました。     来年の再会を願って。CIAO TUTTI! 今年の「イタリア・アモーレ・ミオ!」にも、イタリアから歌姫ARISAやピアニストのマウリツィオ・マストリーニなど多彩なアーティストがゲストとして参加。コンサートやパフォーマンスを披露してくれました。まさに誰もが忘れられない思い出を刻んだ2日間。イタリアの陽気でエネルギッシュな魅力をいっぱいに浴び、訪れた来場者はもちろん、ゲストや主催者側のスタッフまでも一緒になって、夢のような時間を楽しんでいました。今年も大成功に終わったこのイベント、来年も絶対に戻ってきてもらいたいですね。     […]

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おいしいイタリア〜自宅で手軽にナポリ式カッフェ「クックマ」

大好評・バリスタ中川直也さんとのバール連載、4回目は自宅で飲める本格派カッフェを伝授していただきます。ドリップコーヒーとはまた違う濃厚な味わいのカッフェ・ナポレターノ。簡単なのにとてもおいしくできるので、思わずほしくなっちゃいます!       バールをこよなく愛し、なじみの店に何度も足を運ぶのがイタリア人の日常ですが、もちろん自宅でもカッフェを楽しみます。各家庭に直火式のマキネッタが必ずあり、しかも「家族2〜3人用」「家族で大量に飲む大人数用」「来客用」など大きさ違いで数個あるのが普通だといいますから、コーヒーがいかに暮らしに溶け込んでいるかがよくわかります。 マキネッタは以前こちらの記事でもご紹介しましたが、今回登場するのは、イタリアの中でもとくにコーヒーに強いこだわりを持つナポリ人が愛用する昔ながらの器具、クックマです。     「イタリア全土で近代的なモカ・マキネッタが使われているのに対し、ナポリ人だけは昔ながらのクックマを愛用しています。一日にバールや家で7〜8杯のコーヒーを飲むナポリ人ですが、その半分以上は自宅で飲むわけですから、クックマの使い方やレシピにもかなりのこだわりがあります。親から伝わる一子相伝的なものでもあるので、誰もが“うちのコーヒーが一番!”と思っていますね」と中川さん。     ナポリ人も納得のクックマは今から約170年前、19世紀前半に発明されたといいます。「サイフォンと同時期に誕生した器具です。20世紀になりイタリアでエスプレッソが発明されるまでの数十年で、フィルターコーヒーよりもより抽出効率が高い方法が発明されてきましたが、ナポリ人は古き良きものを大切にしますから、そういった面でもクックマを愛し、その器具を今でも使っている自分たちに誇りを持っているのだと思います。ナポリの文化を守り続けているんだ、という自負を感じます」 ではさっそく、クックマを使ってナポリ式カッフェを淹れてみましょう。     まずは内側の容器(穴あきのもの)に粉を入れます。今回は3杯用のクックマなので規定量は15〜17g。「18gぐらい使うとシロップのようなとろみ感が出て、ナポリ人が家庭で味わうようなカッフェ・ナポレターノになります。15gだといわゆるレギュラーコーヒーより少し濃い目かな、という感じ。お好みですが、まずはナポリ風を味わってみて」     容器の脇を軽く10回ほど叩いて、粉を均一にならします。指でぎゅっと押し込むと抽出しづらくなり、濃く出すぎたり苦味ばかりが強調されたりするので、軽くならす程度でOK。「もしご自身で豆を挽く場合は、グラインダーの粗さ表示を細かい設定にしてください。確実なのはイタリアの粉パックを使うこと。クックマやモカ・マキネッタに合うようになっていますから。イタリアではそもそもドリップコーヒーを飲みませんから豆を自分で挽く人もいないのです」     均一にならしたら、フタを閉めます。フチの部分に粉がくっついているとフタがきちんと閉まらず、うまく抽出できなくなるので、その部分についた粉は指できれいにはらってから閉めましょう。     注ぎ口がないほうの容器に熱湯を注ぎます。内側にラインがあるのでそれを越えないように。「温度は90〜95℃くらい。熱湯だと苦味や酸味が際立ってしまいますが、少し冷ますと脂質や糖質が溶けつつも、高温による苦味・酸味成分が出すぎないため、バランスのいいイタリア人好みの味に抽出できます。沸かした湯を冷たい容器に注げばちょうど適温になりますね」     先ほどのお湯の中にコーヒー粉を入れた容器を入れ(写真左)、残りの容器(注ぎ口の付いたもの)をすぐにはめます。 持ち手を持ってすっと上下をひっくり返し、その上にフタをのせたら、あとは5分ほど待つだけ。     ところで、最後にのせたフタは単なる飾りなのでしょうか? 「その通り。上容器のお尻の部分を隠してエレガンテに、カップに注ぐときもエレガンテに、という役割です」・・・エレガンテ! なるほどそれもイタリアらしいですね。 抽出が終わったら、濃さが均一になるよう容器の中で軽くまわします。香りを逃がさないよう上容器を付けたままカップに注ぎましょう。     おいしいカッフェ・ナポレターノのできあがり。簡単なのにとてもおいしいです! このコーヒー2杯分に、65℃程度に温めたホットミルクを加えれば、コクと優しさのあるカッフェ・ラッテも簡単に作れます。バニラやチョコのアイスと合わせれば、食後や夏のデザートにぴったりのアッフォガートに。 「夏にぴったりといえば・・・」と、中川さんが手早く作ってくださったもう一品は、淹れたてのコーヒーで作るカッフェ コン ギアッチ。「コーヒー withアイス、つまりアイスコーヒーです(笑)。氷さえあればいいので、僕も夏場はよく作ります。甘味も加えずにこのまま味わってみてください」     ワイングラスに氷を6〜7分目まで入れておき、できたてのカッフェ・ナポレターノを注ぐだけ。「できたてを急冷させるので甘味も酸もきれいな状態のまま。香り、味ともにぎゅっと閉じこもるんです。じんわり冷ますとおいしくないんですよね」 注いだら、グラスをまわすかマドラーでステアすれば完成。     「たとえばコンビニで買うアイスコーヒーは、苦味ばかりが立って甘味が少ない。コーヒーの旨味である糖質や油分がちゃんと溶け出していないから薄っぺらい味にしかならないんです。カッフェ・ナポレターノで作ったら、ひと味違うでしょう?」ひと味どころか・・・これ、本当においしいです! ワイングラスで飲むことで香りがさらに際立つし、夏のひとときを優雅に演出してくれる効果も。 自宅で簡単に作れるカッフェ・ナポレターノ。この道具があるのとないのとでは、暮らしの質が変わってしまうはず・・・そう思えてしまうコーヒー器具でした。次回は、カッフェ・ナポレターノで作るカクテルレシピをご紹介。クックマがますますほしくなっちゃうこと請け合いです。どうぞお楽しみに!   ***   フィアット松濤 ショールーム内のFIAT CAFFÉでも、クックマで淹れた「カフェナポレターノ」が飲めます。お気軽にどうぞ。 […]

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おいしいイタリア〜シェフ直伝。本格濃厚「カルボナーラ」

銀座で出会った極上のカルボナーラ カルボナーラ。「炭焼き職人風」という名の通り、卵、パンチェッタ、チーズで作るシンプルなソースに、炭焼き職人の手から炭の粉がハラハラと落ちたかのように黒胡椒をたっぷりかけたパスタです。日本でもおなじみですが、個人的には「おいしい!」と感激したことはありませんでした。今回ご紹介する、ジャッジョーロ銀座のカルボナーラを食べるまでは。     落とし気味の照明が落ち着いた雰囲気を醸し出す店内は、食通の常連さんやカップル、近所にお勤めの会社員など、幅広い客層。銀座にふさわしい高級感がありつつも、フレンドリーでにこやかな接客をしてもらえるので、とても居心地よく食事が楽しめます。ジャッジョーロ銀座は、今年で開業8年目を迎えたリストランテ。フィレンツェにある世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」の自然治癒、予防医学といった思想を取り入れながら、素材本来の味わいを活かした調理法で、心身が豊かになれる料理を提供する本格派です。こちらの名物といえば、目にも舌にもおいしい「15種類のハーブサラダ」、炭火を使った和牛や和豚のグリル、それに、天然真鯛のハーブ蒸しなど、思わず通い詰めたくなる料理ばかりなのですが、濃厚なカルボナーラも人気メニューの筆頭。本当に、感動的なおいしさなのです。   こだわり卵と熟成パンチェッタ     「エサ、飲み水、環境などすべてにこだわり、清潔な鶏舎でストレスなく暮らしている親鶏が生んだ卵です。鮮度もいいし、すべてにおいてポテンシャルが高いですね。完璧です」とシェフも太鼓判。「カルボナーラの決め手は、なんといっても新鮮で味のいい濃厚な卵」と語る、シェフ岩永 健さん。野菜、魚、肉などすべての食材に対して真摯に向き合い、鮮度はもちろん栽培法(飼育法)や産地にまでこだわるシェフがカルボナーラのために選び出したのは、「こだわり家族のこだわり卵」と名付けられた、なんとも鮮やかなオレンジ色をした卵。 本来、カルボナーラは卵黄だけで作りますが、この卵の場合、黄身だけだと濃すぎるくらいの濃厚さなので、ジャッジョーロでは全卵を使って作られています。それなのに、あの見事に美しいオレンジのカルボナーラになるというのですから、驚きです。     唯一の「具」ともいえるパンチェッタ。イタリアで熟成させて、香草をまぶしたもので、なんとも芳醇ないい香りがします。「生ハムと同じで、このまま食べてもおいしいですよ」とシェフ。カルボナーラを作る際は、あらかじめカリカリに炒めておきます。 ではさっそく濃厚こだわり卵のカルボナーラ、レシピを教えていただきましょう!   ジャッジョーロの極上レシピを伝授!     材料(1人前)/スパゲッティ90g 、茶色い殻の全卵1個(ヨード卵・光など、ちょっといい卵を使いましょう。普通の卵を使う場合は、卵黄のみで2個分)、パンチェッタ10g、グラナパダーノ10g(パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリーノ・ロマーノでもOK)、生クリーム10cc(乳脂肪分35%がおすすめ)、塩・黒胡椒適量 材料をそろえたら、たっぷりのお湯を沸かします。茹でる際の塩は、湯量の1〜0.8%。「けっこう多めですよ。ご家庭で作るとだいたい塩が少なすぎる人が多いですから」とシェフ。塩の分量でパスタそのものの塩味が変わるので、ここはきっちり量りましょう。   1)パンチェッタを適当な大きさに刻みます。   2)フライパンに少量のオリーブオイルを敷き、弱火でカリカリになるまで炒めます。   3)キッチンペーパーで油を切っておきます。このくらいまでじっくり炒めることで、香ばしさが際立ちます。   4)ボールに卵を割り入れ、チーズ、生クリーム(分量の2/3)、塩ひとつまみ、粗挽きの黒胡椒を適量(たっぷり目がおいしいです)加えて、泡立て器で混ぜます。   5)ダマが残らないように、しっかりかき混ぜます。   6)フライパンに、パンチェッタ(半量。残りは飾り用に取っておく)と4)の残りの生クリームを入れておきます。まだ火は付けません。   7)パスタを茹で始めます。茹で時間は、表示よりやや少なめに。ジャッジョーロの場合、「9分と書いてありますが、7分50秒にしています」とのこと。キッチンタイマーできっちり測りましょう。   8)パスタが茹で上がる30秒前になったら、フライパンを弱火にかけ、温め始めます。温めすぎると卵がそぼろ状になってしまうので、気をつけて。このあたりで、盛りつけ用の皿も出しておきましょう。   9)フライパンをいったん火から下ろし、茹で上がったパスタを十分に湯切りして加えます。   10)5)の卵液も加えます。ボールに残らないよう、ゴムベラでこそげ落としましょう。   11)火に戻して(慣れるまで、火加減は弱火で)、ここからは手早く! まわりから火が入るので、鍋はだをゴムベラで混ぜながらソースをからめていきます。   12)卵のとろみを見つつ、1分ほど。火の入れ具合はパスタの量やフライパンの大きさ、コンロの種類によっても変わってくるので、ここはズバリ練習あるのみ!   13)生すぎず、ダマにもならない頃合いになったら、余熱がそれ以上入らないように、すぐにお皿へ。トングで高さを出すと美しく盛りつけられます。   14)残しておいたパンチェッタを飾り、粗挽きの黒胡椒をたっぷりかけたら完成!       ソースとパスタをからめるとき火の入り具合を見極め、ダマにならないように仕上げるのはかなり難しい工程ですが、これは何度も作って経験を積むのが一番です。それに、シェフいわく「カルボナーラの本場はローマですが、ローマで食べてもここまでクリーミーなのはないですよ。イタリア人は生卵を食べないので、生すぎるといやがるんです。だから、イタリアで食べるカルボナーラはそぼろ状だったりします」とのこと。 […]

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