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一人ひとりの“好き”が集まる「#LOVEFIAT_2021」

なかなか自由にお出かけできない毎日。おうち時間のなかでも、何か楽しいことに触れて、気分を上げたいものです。 そこでフィアットでは、みなさんに楽しんでもらえるように、フォトコンテスト「#LOVE FIAT 2021」を開催します。これはあなたの好きな写真を、ハッシュタグ「#LOVEFIAT_2021」をつけてインスタグラムに投稿してもらうキャンペーンです。 過去にも、インスタグラムでさまざまなフォトコンテストを開催してきました。今回はとくに投稿数の多かった2つのフォトコンテスト「LOVE FIAT 2020」「FIAT HAPPY YELLOW」から、編集部が独断で選んだ素敵な写真をご紹介します。その写真をお楽しみいただくとともに、「#LOVEFIAT_2021」の投稿の参考にしてくださいね。     「LOVE FIAT 2020」 バレンタインシーズンにぴったりな投稿キャンペーンが、2020年2月に開催された「LOVE FIAT 2020」です。みなさんの“好き”がたっぷり詰まった写真を、ハッシュタグ「#LOVEFIAT_2020」をつけて投稿してもらいました。 このキャンペーンで「好きなもの」を紹介してもらったのは、バレンタインデーがある2月に、フィアットオーナーさまも、まだそうでない人も気軽に参加できるようにするため。自分の好きなものを投稿してもらうことで「生活にさらなる彩りを」と考えて企画したキャンペーンです。 その結果、フィアットとの愛や繋がりを感じる写真だけではなく、家族やペット、ファッション、スイーツなど「#LOVEFIAT_2020」のハッシュタグがついた愛を感じる写真の投稿は5,000件を超えました。その中から編集部が注目した写真をご紹介します。   夕陽のなかで映える「500S Automatica」 Instagramで投稿を見たい方はこちら 夕陽が差し込む大きな水溜りに、愛車の500S Automatica(オートマティカ)を停めて撮影。景色が光の反射によって水面に映り込む「リフレクション」と呼ばれる方法を使うことで、幻想的な世界観をつくりだした写真になっています。 美しい風景だけではなく、好きな猫や日常の身近なものを写真に残して投稿するejistagramさん。愛車のフィアットが写り込んだ風景写真の投稿もあるので、ドライブシーンを連想できます。 ejistagramさんのinstagramはこちら   お気に入りの赤い「500」で大自然をドライブ Instagramで投稿を見たい方はこちら 日本百名山に選ばれている北海道の「羊蹄山(ようていざん)」をバックにした、真っ赤なボディカラーの500(チンクエチェント)が目を引きます。大自然のなかを500で爽快にドライブするときの気持ちよさを感じる写真です。 北海道の大自然や街並みといっしょに、愛車の500を撮影した写真が並んでいます。被写体の元のカラーを変えないように撮影してあるので、「その場にいるようなリアルさ」を感じることができる写真ばかりです。 ezoflatさんのinstagramはこちら   箱根・芦ノ湖を「500C」で爽快にお出かけした記録を Instagramで投稿を見たい方はこちら 箱根・芦ノ湖に現れた光芒(雲の隙間から差し込む光)を背景に、カブリオレモデルの500C(チンクエチェント シー)を撮影した1枚。光がうまく当たっているので、ホワイトのボディカラーでも白飛びすることなく、500Cのおしゃれさが際立っています。 愛車の500Cとの日常を残しているKensuke Imamuraさんのアカウントでは、撮影後に加工を施した写真もたくさん投稿されています。アーティスティックな写真を残したい人にとって参考になる写真ばかりです。 Kensuke Imamuraさんのinstagramはこちら     「FIAT HAPPY YELLOW」 春本番をむかえた季節に、インスタグラムのフィードを色鮮やかに彩ったキャンペーンが「FIAT HAPPY YELLOW」です。 キャンペーンのテーマは、2020年3月に発売された限定車『500 Mimosa(チンクエチェント ミモザ)』のボディカラーで、色彩心理学で「しあわせ」のイメージを与えるといわれる“黄色”。黄色いアイテムが写っている写真をハッシュタグ「#happyfiat_yellow」をつけて投稿してもらいました。 このキャンペーンが開催された2020年の3〜4月は、世界各地で新型コロナウイルス騒動によるロックダウンや外出自粛が叫ばれていた時期。フィアットでは「気分がすこしでも明るくなり、生活を楽しんでもらえるようなコンテンツをお届けしたい」という気持ちでキャンペーンをはじめました。 その気持ちに反応してもらったみなさんから、愛車の500 […]

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低所得国の子どもたちに教育のギフト(贈り物)を。ルーム・トゥ・リードの活動とその思いを聞く。

Room to Read(ルーム・トゥ・リード)は、アジアやアフリカなど16カ国で子どもたちに教育支援を行なっている国際NGO。支援先の国々では、今なお貧困や文化的背景から、教育環境が行き届いておらず、読み書きができない子どもが多くいるほか、男女間の教育格差が存在するといいます。今回は、ルーム・トゥ・リード日本法人の事務局長、松丸佳穂さんに、低所得国の教育を取り巻く問題や、その解決に取り組む活動についてうかがいます。     日本にいると初等教育で字を習うのは当然のことのように考えてしまいがちですが、世界に目を向けると、読み書きができない方というのはどれ位いるのでしょうか。 「世界では読み書きができない非識字人口は10億人近くいて、成人でも7億5000万人以上が基本的な読み書きができないというデータがあります。さらにその3分の2は女性や女の子で、低所得国では4人に1人の子どもが読み書きができません」   かなりの数ですね。ルーム・トゥ・リードでは、どのように教育支援を行なっているのでしょうか? 「ルーム・トゥ・リードは、質の高い教育によってすべての子どもたちが自分の可能性を最大限に発揮し、地域社会や世界に貢献できる世界を目指しています。教育における識字と男女平等に焦点を当てることで、低所得層のコミュニティに住む何百万人もの子どもたちの生活を変えようとしています。私たちの支援活動は、大きく分けて2つあります。ひとつは、初等教育の子どもたちの識字能力と読書習慣を育成する “識字教育プログラム”です。先進国では、義務教育の過程を通じて、自然と識字能力を身につけていきますが、私たちが支援しているアジアやアフリカの低所得国では、現地の言語で書かれた本や教材がほとんどなかったり、そもそも学校に図書室がなかったり、先進国では当たり前に存在するものが圧倒的に不足しているのです。そこでルーム・トゥ・リードでは、現地語による本や教材の開発から図書室の開設、教師や司書のトレーニングなど、子どもたちが生涯自立した読書家になれるよう読み書き学習に必要な支援活動を行なっています。もうひとつは、“女子教育プログラム”と呼ばれるもので、少女たちが学業における成功と、卒業後の豊かな人生のための必要なライフスキルを身につけ、高校を卒業できるように支援しています。なぜ支援対象が中学・高校の女の子かというと、小学校のうちは男女間で就学率の差というのはあまりないのですが、中学、高校と上がるに連れ、女の子の進学率は下がり、中退してしまう子も多いのです。その理由はいくつもあります。貧困から学校の代わりに、家事労働に従事する女の子も多いです。また、女の子に教育はいらないという文化的偏見やジェンダー差別、また、安全性への懸念もあります。中学や高校が近くになくて、家から5km、10kmと離れていることもよくあります。舗装されていない道を1時間や2時間歩いての通学は、体への負担だけではなく、身の危険にも晒されるますから、親が行かせたがらないこともあります。さらに学校に通えても、女性の教員が少なかったり、男女別のお手洗いがなかったり、女の子にとって学校が安心できる場所ではないという理由もあります。また、世界では結婚や出産を18歳未満で経験する女の子がいます。“児童婚”と呼ばれていますが、これも女の子が学校に通うことができない大きな要因のひとつになっています。このように、本人に学習意欲があったとしても、様々な理由から学校に行けなくなってしまうのです」     セキュリティやインフラ面、さらに社会環境が弊害になることが多々あるのですね。そのような問題に対して、どのようにアプローチしているのでしょうか? 「ルーム・トゥ・リードの女子教育プログラムは、少女が学校に長くとどまり、物事を判断する基準やプロセスを持ち、日常にある課題に対し自分で対処する自信を育み、意思決定ができるスキルを身に着けたうえで、高校を卒業ができるように設計しています。その一つとして、中学から高校までの間に、40から60のライフスキル教育、文字通り“生きるための力”を学ぶ授業を提供しています。 批判的思考や自尊心、自立心は、日々の課題に対処し、十分な情報に基づいた意思決定に役立ちます。こうしたスキルを身につけ、それを日常生活にどう役立てるかを学習した女の子は、性差別に対処する方法から勉強のための時間をどう作るかまで、今後直面するかもしれない障害を克服し、卒業後の生活に備えることができます。 最初は、自分の意思で物事を判断する習慣がなかった子どもたちは、“私って何?”“好き・嫌いって?”というところからスタートします。最初は、自分が“嫌”という気持ちをどう表現したらいいかも分からないのです。高校生になると、キャリアや試験対策、性的権利や安全性、ディベートやコミュニケーションなどを学びます。 ライフスキル教育に加えて、女の子にメンターとなる女性のメンターも重要です。私たちはソーシャルモビライザーと呼ぶ、地域社会における強力なロールモデルとなる女性を派遣しています。少女達が生活の中で直面する可能性のある問題に対処するために、メンタリングのセッションを実施しています。セッションは、グループ単位、あるいは個人に対しても行われます。少女にアドバイスを与えたり、心理的なサポートを提供すると同時に、教師や家族と緊密に協力して、課題に対処していきます。自分の悩みや思っていることを相談できる人が身近にいるというのはとても重要で、親にも言えないことをメンターに相談し、問題を一緒に乗り越えていくのです。いつも見守ってくれる人がいて、学校に行けば同じように頑張っている仲間もいる環境というのが、女の子たちの大きなモチベーションになっているのです」     コロナ禍で学校に戻れないリスクも   見守ってくれる人がいれば心強いのは誰でも同じですね。ところでコロナ禍の影響はいかがでしょうか? 「コロナの影響は計り知れないほど大きいなか、子ども達が教育現場から取り残されることがないよう、できることから迅速に対応をしてきた年でした。コロナに関するニュースは毎日報道されていますが、低所得国の状況はほとんど伝えられていません。パンデミックや自然災害が起こると、大きな影響を受けるのが、社会的に立場が弱い女性や子どもたちです。教育面でいうと、日本を含めて先進国では多くの学校でオンライン学習に移行しましたが、ネパールやタンザニアなど、ルーム・トゥ・リードが支援を行っている国々では、インターネットが普及しておらず、すべてをオンライン学習に移行することができません。ただでさえ貧しいなかでコロナが直撃し、両親が失職し、早すぎる結婚やジェンダーに基づく暴力、人身取引、中途退学なども報告されています。 低所得層のコミュニティにいる何百万人もの子どもたちにとって、コロナによる学校閉鎖は、一時的な学びの“中断”ではなく、学びの“消失”を意味します。読書の消失、学びの消失、そして自らの人生や所属するコミュニティに明るい変化をもたらすという夢の消失です。 ルーム・トゥ・リードの遠隔学習プログラムは、インターネットに依存していません。ラジオ、テレビ放送を通じての授業提供、電話、テキストメッセージを通じてのフォローアップ、他団体と協力して各家庭への印刷教材の配布など、子どもや保護者たちが最も利用しやすいチャンネルを通じて、支援を行っています。また、インターネットにアクセルできる人達には、デジタル学習プラットフォーム「リテラシークラウド(英語)」を無償で提供しています。読解レベルと言語で分類された絵本21か国語1000タイトル以上がアップロードされた豊富なオンラインライブラリに加え、教師、児童書作家、国際的な出版界のメンバー、政府向けの読み聞かせビデオや専門的な開発リソースが掲載されています。 また、女の子たちに対して、職員は電話でメンタリングセッションを行い、危機を乗り越えるべく精神的に支え、自宅で学業を続けるためのサポートを行っています。また、安全で健康的な生活を送れるよう情報提供し、学校が再開した際にスムーズに戻ることができるよう課題解決を一緒に行うなど、遠隔でサポートを行っています」     教育環境がより深刻になっているなかで、ラジオやテレビで支援を行なうなど、ルーム・トゥ・リードの活動の規模やスピーディな対応力には目を見張るものがありますが、スタッフの方はグローバルでは何名ぐらいいらっしゃるのでしょうか? 「ルーム・トゥ・リードの職員は、グローバル全体で約1600人、うち9割はプログラムを実施している支援国に在籍しています。ルーム・トゥ・リードの活動資金は、主に皆さまからいただく寄付金を使わせていただいていますが、間接費を徹底的におさえ、寄付の透明性にこだわり、組織や活動をビジネスと同じようにスピード感をもって運営しているのが特徴です。米国には慈善団体を評価する“チャリティナビゲーター”という第三者機関があり、財務の健全性、説明責任、透明性を重視しており、その評価基準はとても厳しいですが、ルーム・トゥ・リードは最高評価である4つ星を獲得しています。私達はお預かりした寄付の85.9%を、支援国における教育プログラムの実行のために投入していますが、寄付金が健全に運用され、世界を変革していくためのミッションが着実に達成されているということを裏付けるものです。また、昨年は設立から20周年のタイミングでしたが、現在までに1800万人以上の子ども達へのサポートを実現しています。ただ、最初にも申し上げましたが、世界では読み書きができない非識字人口はまだ10億人近くいて、低所得国では4人に1人の子どもが読み書きができません。私達は、2025年までに4000万人の子ども達に教育を届けるという新たな目標を掲げています」   次に日本での活動についてお聞きしたいのですが、主な活動は支援者を集めることでしょうか? 「そうですね。日本ではルーム・トゥ・リードの活動を知っていただくための啓発活動と資金調達活動を行っています。もちろん経費も厳しく見ていて、現在、日本にはオフィスは2拠点ありますが、企業や個人から無償で提供いただいます。また、日本には職員は私一人しかおりませんが、多くの企業のプロボノや個人のボランティアサポーターの皆さんに、資金調達からイベントサポート、翻訳やウェブサイトのリニュアル、SNS、事務局のサポートに至るまで、日々の活動を一緒に支えていただいています。フィアットさんにも秋に開催したバーチャルガラではイベントスポンサーとして協賛していただきました。 コロナのようなことがあると、自分達の生活も先が見えなくなってしまい、報道でもルーム・トゥ・リードの活動地域のニュースはほとんど流れませんので、どうしても内向きになってしまうことが多いと思います。ただ、少し外に目を向けていただいて、学校閉鎖によって、二度と教育現場に戻ってこられないかもしれない子ども達がいることにも思いを寄せていただけたら嬉しく思います。もちろん、日本にもコロナ禍で浮き彫りになった課題はたくさんあり、そのサポートをしている団体もたくさんあります。自分が関心を持つ課題に対して、自分ができることはないか、アクションを起こすことが大切だと思います。そこはまさに、フィアットが提唱している“Share with FIAT”の精神だと思います。ルーム・トゥ・リードが提供している女子教育プログラムもそうですが、私たちは、誰でもひとりでは絶望的な気持ちになってしまうことでも、周りの支えがあることによって勇気が得られます。個人個人が自分が持っているものを少しずつShareすることで、世界は大きく変わると信じています」     松丸さんは日本法人の立ち上げからずっとやられていて、こういう組織にしていきたいという思いはありますか。 「私は自分が前に出て、組織の顔となって引っ張っていくタイプではありません。ただ、ルーム・トゥ・リードのビジョンに共感していただいて、リーダーシップを持った素晴らしい人を巻き込んでコミュニティやチームを作ることを得意としています。毎年クリスマスの時期に、寄付キャンペーンAction for Educationを開催しているのですが、昨年12月はコロナ禍にいる子ども達に教育のクリスマスプレゼントを届けようと呼びかけました。日本全国から、そして海外からもご支援をいただき、おかげさまで目標を大幅に達成し4,144名の子ども達をサポートすることができました。 資金調達に際しては、32名もの多才なサポーターたちが自らチャレンジャーとなって、自身の好きなこと、得意なことを生かして、続々とユニークなファンドレイズのプロジェクトを立ち上げてくださり、寄付を募ってくださいました。お金に余裕のある方は寄付をしてくださったり、スキルがある方はご自身のスキルと時間を提供してくださったり、関わり方は様々です。一人ひとりが自分ができることをアクションしてムーブメントにしていくことがルーム・トゥ・リードらしさだと思っています。結果としてプロフェッショナルな方が集まってくださり、お一人おひとりが機会を生かして行動を起こしてくださったおかげで、子ども達、家族、コミュニティの将来に大きな変化が生まれているのです。」   最後に2021年の抱負を教えていただけますか。 「2020年はコロナ禍で春に予定していた資金調達を目的としたガラパーティや数々のイベントがすべてキャンセルになり、前半は資金調達の点では非常に苦しい状況となりました。ただ、秋に、これまで手がけたことがなかったバーチャルでの資金調達イベントを何度か開催し、おかげさまで多くのご支援をいただくことができました。バーチャルの利点としては、首都圏以外の支援者の方々にも多数ご参加いただけて、また、海外からも多くのゲストスピーカーがご参加くださいました。さらに、タイムリーに参加できない方には録画を共有することもできました。今年も、ルーム・トゥ・リードの活動を知っていただきたいので、バーチャルという新たな機会も生かしながら、状況を見ながらですが、リアルイベントなどとハイブリッドの組み合わせで進めていけたらと思っています!」   今日はお忙しいなか、ありがとうございました。       ルーム・トゥ・リード公式サイト ルーム・トゥ・リードのSNS(Facebook・Twitter・Instagram) フィアットが大切にしているシェアの気持ち「Share […]

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【お年玉プレゼント】自然な素材と製法にこだわったチーズを、自宅で楽しく手作り! 浜松のチーズ工房「HAKU」の手作りチーズキット

元気で、明るく、前向きな毎日のために、フィアットがすべての女性にエールを送るプログラム「#ciaoDonna(チャオ・ドンナ)」。 2021年の年明けには、この一年もっとCIAO! な日々を送っていただけるよう、2020年12月28日(月)〜2021年1月17日(月)にお年玉プレゼントキャンペーン「BUON ANNO NUOVO 2021」を実施。今回の記事では、そのプレゼントのひとつ、浜松にあるチーズ工房「HAKU」が提供する手作りチーズキット「おうちdeモッツァレラ」をご紹介。 ※「BUON ANNO NUOVO」は、イタリア語で「明けましておめでとう」を意味する言葉 店長の鈴木淑子さんに、チーズへの想いやHAKUが大切にしていること、「おうちdeモッツァレラ」の作り方のコツや、おすすめの食べ方などについて伺いました。     「本来のチーズの美味しさを伝えたい」HAKUが大切にしていること   「チーズ本来の美味しさを、たくさんの人に知ってもらいたい」 そんな想いからスタートしたHAKUでは、浜松市内の牧場でとれた、搾乳から1日未満の新鮮な生乳だけを使用。また、チーズ作りに使うのは自然な素材だけ。生乳を発酵させる乳酸菌と、固めるための植物性酵素、それから塩のみで作られているのです。 「もともとチーズに特別な興味はなかった」という鈴木さん。立ち上げのきっかけになったのは、静岡にあるチーズ専門店で食べた本格チーズの味でした。     「こんなに美味しいチーズがあるんだ……!」と感銘を受けた鈴木さんは、その味を浜松の人たちにも伝えたいと、まったくの未経験から挑戦を開始したのです。 当然、お店をオープンするまでの道のりは山あり谷あり。チーズ作りの要となる牛乳については、「浜松でやるなら浜松のものを使いたい」と、浜松市内の牧場を探し回ったり、浜松初の乳製造業だったため、保健所から許可が下りるのを根気強く待たなければならなかったり……。 「チーズ作りには、牛乳に乳酸菌を入れて発酵させる工程があるのですが、発酵が進み過ぎて、72リットルものヨーグルトができてしまった時には、思わず泣きそうになりました」       浜松の魅力が詰まったHAKUの人気商品 そんな多くの困難を乗り越えて、2021年で3年目を迎えるHAKU。今では地元の人たちがひっきりなしに訪れる、浜松の人気店へと成長しました。 「中学生が、千円札を握りしめ、汗びっしょりになって自転車でおつかいに来てくれたことがあって。聞けば、『母親に頼まれて夕食用にモッツァレラチーズを買いに来た』とのこと。その話を聞いて、地域の人の暮らしを支えるチーズになれているんだ、と感じて嬉しくなりました」 そんなHAKUのチーズはまさに、浜松の食材を使った、浜松の人が愛するチーズ。チーズ本来の美味しさを楽しめるだけでなく、浜松の食文化までも一緒に楽しむことができるチーズなのです。 看板商品は、なんといっても浜松産のミルクの味が存分に味わえる「モッツァレラチーズ」。     また、モッツァレラチーズと同じベースからできた「カチョカヴァロ」も人気商品のひとつです。     カチョカヴァロは、約1ヶ月間ひもでつるして熟成させたもので、モッツァレラのミルク感はそのままに、焼いて食べると外はカリッ、中はモチッとした食感を味わえるチーズ。   そして忘れてはならないのが、浜松の食材を使ったチーズの数々!     「グリルチーズ」には、たくあんや生青のり、季節に応じてしその実など、浜松産の農産物を使ったたくさんのラインナップがあるのが特徴です。 「当店に来て下さるお客様は地元の方が多いので、なじみ深い食材で安心して食べてほしい」と鈴木さん。組み合わせる農産物は、お客様からのお裾分けをきっかけに決まることもあるのだそうです。       簡単4ステップ!「おうちdeモッツァレラ」の作り方   今回、新年プレゼント企画に登場する「おうちdeモッツァレラ」は、そんなHAKUの看板商品「モッツァレラチーズ」をおうちで楽しく手作りできる一品。 キットに含まれているのは、チーズのもととなるHAKU手作りの“カード”と、布手袋、ビニール手袋、分量の塩とレシピ。自宅で用意が必要なものは、ボウルと熱湯、チーズをこねるのに使うヘラだけです。 手順も簡単! ざっくり分けて下記の4ステップだけで完成です。 1、チーズのもとを砕く 2、塩を入れた熱湯で暖める 3、チーズをこねる 4、丸くちぎる […]

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マンガで学ぶ。女性が自分らしく生きるために必要なこととは?

女性のエンパワーメントをテーマにしたデジタルマンガ 全話公開 女性が自分らしく生きることを応援する、女性のエンパワーメントをテーマにしたデジタルマンガがイタリアを代表するカーブランドFIAT(フィアット)が取り組むプロジェクト「#ciaoDonna」(※)で展開されています。マンガの主人公と同年代の女性たちに感想を聞くと、現代を生きる女性の性をめぐるさまざまな社会課題が見えてきます。マンガを描いたイラストレーターの伊吹春香さん、監修を手掛けた産婦人科医の遠見才希子さん、公益財団法人ジョイセフの市民社会連携グループ長の小野美智代さんがこうした課題を解決するために今できることについて語り合いました。       性の問題について正しく知る機会がなかった大人たちにも読んでほしい デジタルマンガは全4話で、フィアットと公益財団法人ジョイセフが共同で制作し、17歳の女子高生、21歳の女子大生、28歳のキャリアウーマン、35歳の専業主婦の4人が1話ずつ主人公として登場し、それぞれの年代の女性の性、生き方を考えるストーリーが進みます。主人公と同年代の女性たちからは、「性について知ることがとても大切」(高校生)、「性にかかわる話題がタブー視されていることが原因にある」(大学生)「性教育の大切さを実感」(主婦)といった声が聞かれました。     遠見 日本では、性の問題を大人が子どもたちに考える機会をつくれていないという現状があります。17歳のストーリーの監修に携わりました。日本の学校の性教育の内容は国際的には遅れています。コンドームの使い方なども詳しく紹介するなど、性教育の基本的な内容を盛り込みました。大人は子どもたちに対して、上から目線ではなく一緒に考える姿勢が大切です。個人的には、女子高校生の問いかけに、保健室の先生が「教えていなくてごめんなさーい!!」と答える場面が気に入っています。 また、先生の「相談してくれてありがとう」「困ったときはいつでもサポートするわ」という言葉にあるように、大人たちが子どもたちの気持ちに寄り添い、何かあった時に味方になるといった姿勢を示してほしいと思います。性の問題について、自分自身も正しく知る機会がなかった大人たちのためのマンガでもあると思っています。 小野 女性をエンパワーするマンガです。この日本社会で生きていく中で、男女の意識の差、無意識の中に潜む根深いジェンダー観、それに起因するコミュニケーションの問題が女性を取り巻く問題の多くに起因しています。だから性別、年齢を問わず読んでもらいたいです。17歳のストーリーは、恋愛に関心があるないに関わらず、必要な知識として中学生にも読んでもらえたら。 遠見 実際、スマートフォンやインターネットの広がりで、低年齢のうちから性情報に触れる機会が増えました。性暴力は身近に存在することがあります。妊娠と出産は基本的に女性の体だけにしか起こりません。男性と女性には決定的な違いがあります。包括的性教育を行うと、性行動に慎重になって初交年齢が上がるという研究結果があります。 伊吹 最初のストーリーでは、主人公の女子高生に対して、保健室の先生が説教するような書き出しにしてしまい、遠見先生に言われてハッとしました。子どもたちと同じ目線で考える姿勢が大切だと知りました。こうした感覚がもっと世の中に広がればいいなあと考えて描きました。また、全体のストーリーを通じて、「なぜ男性がそう思ってしまうのか。男性側の視点に立つと男性なりの葛藤があるのでは」と感じました。現在、社会は変わっている部分と変わっていない部分がありますが、「ジェンダーレス」化は進んできています。洋服などもユニセックスなものが人気を集めているようにさまざまなところで変化は起きています。今回のストーリーに登場する男性はどういう心境だったのかといった男性バージョンをはじめ、男性を主人公にしたマンガも描きたいと思いました。       「性」を意識することなく生きるために。生き方のヒントを伝えたい 遠見 今の日本社会は変わってきていますが、女性である、ということだけでの生きづらさは、まだまだあると思います。どんな性でも生きやすい社会になればいいなと思っています。そのためには、社会の制度や仕組みを整えていくことが大切です。また、女性が仕事をするうえでは、妊娠する時期についてのプレッシャーがあるかもしれませんが、「産む選択」「育てる選択」の少なさも影響しているのではないかと思います。もっともっと選択肢が増えれば生きやすい社会をつくることができると思います。「今、これからどうしていくか」をいろんな世代の人で話し合っていきたいです。特に若い世代の声を大事にしたいですね。 小野 SRHR、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する健康と権利)は、すべての人が持っている権利です。日本はそれを自分ごととして考えることすら機会を十分に与えられているとは言えませんが、国際基準ではライフスキルの向上に、包括的性教育が有効だとされています。私たちは、一人ひとりが自分の性や身体と向き合い、自分らしい選択ができるための啓発活動を行っています。ラブ(Love)、アクト(Act)、ディサイド(Decide)のやり方は人それぞれで、私たちは一人として同じ人はいません。私自身は「こんなに多くの人が、自分らしい選択をしている、アイレディ(I LADY.)に生きている人がいる」という大人のサンプルを見せることが一番の啓発だと思っています。これだけ情報が氾濫していると便利な一方で逆に迷ったり、悩んだりする若者が多いのも実態です。「自分の人生は自分自身で決める」という力、ライフスキルを身につけるために、自分らしく選択している多様な大人の生き方を見せてあげたいです。このマンガを通じて、さまざまな生き方のヒントを伝えたいですね。 伊吹 真剣に話し合うと難しい話についてもマンガだからこそフランクに話せることがあります。「女性らしさ」「男性らしさ」といった性を意識することなく、みんなが自分の生きたいように生きていくにはどうしたらいいか。みなさん、ふだんの生活のレベルでも生きづらい部分があると思います。お互いが悪気なく言っていることの中に、お互いの首をしめていることがあると感じています。でも社会は変わってきています。「今のままで世の中終わらない。変わっていくのだよ」ということをもっと知らせていきたいです。       「日本社会の事実を伝えている」 内容に共感   また、今回の漫画の主人公と同年代の女性たちに、デジタルマンガの感想や女性のエンパワーメントについて、課題解決に向けて実践していることを聞きました。     私立潤徳女子高校(東京都)の生徒のみなさんからは、17歳の主人公のストーリーについて、「性について知ることはとても大切」「男性もマンガの内容を知るべき」「自分は未成年で性交を行いたくない」といった感想が寄せられました。     女子大学生(21歳)は、日常生活の中で女性であることで嫌な思いをすることについて「そもそも性的なことがタブー視されていることが原因にあると考えている。性についてパートナーや友達ともオープンに話せるように自分自身が話しやすい人になるように努力している」といいます。     大学院生の村上芽生さん(27歳)は、同年代が主人公のストーリーについて「共感の嵐。日本社会の事実を伝えている。次世代のために、ジェンダー役割にとらわれず、自分の好きなことをするように行動を変えていきたい」と語ります。そのうえで「こうした考えや活動に賛同する企業の商品を私たちが選択する行動もあるのでは」と提案しています。     主婦の久冨祥子さん(35歳)さんは、「性教育の大切さを実感した。社会的な環境が女性の活躍を阻んでいる側面もある。子どもがどんな大人になりたいかを常に考え、親が変わっていくことを意識している」と話しています。     FIATマンガプロジェクトのページはコチラ     ※ #ciaoDonna フィアットは2018年春からすべての女性にエールを送るプロジェクト「#ciaoDonna(チャオ・ドンナ)」を進めている。イタリアでは親しい間柄で使われるあいさつの言葉「ciao」。そして女性という意味の「Donna」。この二つの言葉を組み合わせたメッセージは、年齢に関係なく、女性の活躍や飛躍、健康や楽しい暮らしなど、より楽しく充実した暮らしや未来をつくるために、女性のエンパワーメントを推進する活動を意味する。また、2011年から「Share with FIAT(シェア ウィズ フィアット)」を合言葉に、素晴らしい社会活動をしているさまざまな団体とコラボレーションをしながら、女性のエンパワーメントや子供たちの人権保護、動物愛護などの団体のサポートをしている。   #ciaoDonna公式Instagramアカウントはコチラ   遠見 才希子(えんみ・さきこ) […]

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フィアットが大切にしているシェアの気持ち「Share with FIAT」

自分の幸せはもちろん、みんなの幸せを求める時代をつくっていきたい。フィアットは「Share with FIAT」を合言葉に様々なNPO法人と連携し、女性のエンパワーメントの向上や健康の促進、動物愛護、子供たちの教育環境の醸成、災害時の人道支援、そして若者の育成などの社会貢献活動を行なっています。これは国連の提唱するSDGs(持続可能な発展)に通じるアクションでもあります。ここではフィアットのパートナーであるNPO法人の2020年の活動を振り返ります。     アショカ・ジャパン 社会問題に取り組むチェンジメーカーを発掘しサポート   地球のみんなで社会問題を解決していく。そんな世界の実現を目指す社会起業家ネットワークASHOKA(アショカ)。いま世界では子どもの違法労働や、社会的弱者の差別、地球温暖化など、じつに様々な社会問題が生じています。複数の要因が複雑に絡み合ったこれらの問題の解決には、本質を探り出し、根本的に変革することが必要です。アショカではそうした取り組みを行う社会起業家を“アショカ・フェロー”として選出し、その取り組みが加速するようにサポートしています。     一方、世の中に次々に起こる社会問題に対し、その改善に取り組むチェンジメーカーの数は不足しているのが現状。そこでアショカでは、チェンジメーカーを育成する取り組みとして、12歳から20歳までの若者を対象に社会問題に取り組む人を支援する“アショカ・ユースベンチャー”を展開しています。同プログラムでは1年間の実験環境を通じて、彼ら・彼女らが向き合う社会の問題に、自らで解決策を見つけてアプローチする機会を提供しています。日本では2011年からアショカ・ジャパンとして活動を展開。2020年は新型コロナウイルス感染症という困難な事態が起こりましたが、アショカ・ジャパンではこの新たな問題に対する政府の対応に危機感を募らせ、不測の事態でも問題を見極めてアプローチできる人材の育成のため、ユースベンチャラーの数を増やす取り組みを強化。3年間で100人生み出すという、これまでの倍以上のペースに相当する野心的な目標を立ち上げました。   ユースベンチャラーの多くは他薦、すなわち積極的に発掘していかなければなりません。分野が特定されないなかで素質のある人材を見つけ出すのは至難のわざのようですが、そうしたなか人材発掘を進め、ユースベンチャーとして認定するかの可否を決めるパネル審査会を2ヶ月に1度ペースで実施。7月は2組、9月には3組、11月は2組を認定するなど、その数を着実に増やしています。このほか活動の認知拡大を図るアショカ・トークや、「社会を変える」をテーマとしたワークショップを学校で展開するなど、社会をより良くする活動に取り組む若者の発掘・支援や、若者が社会を変えるムーブメントを起こす活動に取り組んでいます。2021年も頻繁にパネル審査会を実施し、ユースベンチャラーを増やす取り組みを強化するなど、若者チェンジメーカーの育成に力を注いでいくとのこと。今後の活動に注目です。 ASHOKA JAPAN     ルーム・トゥ・リード・ジャパン 低所得国で暮らす子どもたちに学習の機会を 「子どもの教育が世界を変える」を理念に、南アジアやアフリカなどの低所得国で暮らす低学年の子どもたちに識字(読み書き)教育を提供する活動や、中高生の女の子に高校卒業までの道のりを支える女子教育プログラムを展開しているRoom To Read(ルーム・トゥ・リード)。識字教育については、教育者のトレーニングに始まり、現地語で書かれた絵本等の教材の開発および流通、図書館の開設まで、現地のスタッフが政府と共同で行っています。また女子教育プログラムでは、男女不平等が残る社会背景の環境下で、彼女たちが学園生活を送りやすくする手助けをし、自らの意思を持って人生の重要な決断をするスキルを身につけるサポートをしています。具体的には、授業とは別にライフスキルを学ぶ教育プログラムの提供や、メンターと呼ばれる女性によるサポートで学業やメンタル面のバックアップなどを行っています。     2020年はコロナウイルス感染症の影響により、ルーム・トゥ・リードが支援を行っている16カ国では軒並み学校閉鎖となるなど、学習環境に弊害がもたらされました。コロナ禍はオンライン化への切り替えが困難なインターネットアクセスが限られる地域では特に深刻な問題となり、失業者が増えれば経済的な困窮に追い込まれ、子どもたちの学習継続が危ぶまれます。そこでルーム・トゥ・リードでは急遽、ラジオやテレビを通じて読み聞かせの授業を行ったり、教材の郵送による配布や、保護者に子どもたちの学習の継続を呼び掛けたりするなどして、子どもたちの学習環境が失われてしまわないように努めています。また、無数の島々で構成されリモート環境が発展していたインドネシアで展開していた遠隔教育の設備をグローバルに解放し、世界各地の子どもがオンラインで児童書や教材を読めるようにする方策にも取り組んでいます。     日日本においては2020年末、コロナ禍においても子ども達が学び続けられる活動「Action for Education 2020 – IMAGINE みんなのアクションで子ども達に教育を!」を展開中。これはみんなの力を合わせ、クリスマスの贈りものにコロナ禍にある子ども達3,000名に教育というギフトを贈ろうという取り組みです。また、去る11月28日にオンラインイベントを開催し、これまでリアルイベントとして行っていた支援者への活動の報告や、支援を受ける子どもたちにとっても励みとなる番組の提供を行いました。オンラインイベントには、ルーム・トゥ・リード・ラオス女子教育プログラム卒業生で、現在日本語を勉強中の大学生からの日本語によるメッセージや、女子教育プログラムのメンターの方や、支援を受けているタンザニアの子どもたちからのメッセージを紹介するなど、ルーム・トゥ・リードの活動が詳しくわかる内容となっています。 ルーム・トゥ・リード・ジャパン     スマイリングホスピタルジャパン 病気の子どもたちが本物のアートに触れ、前向きな気持ちになるように   重い病気と闘う子どもたちに本物のアートと触れ、ワクワクしてもらいたい。そして前向きな気持ちで病気と闘ってもらいたい。そんな想いからマジシャンや音楽家、美術家などアーティストとともに病院を訪れ、子どもたちに本物のアートに親しんでもらう活動を行っているスマイリングホスピタルジャパン。全国の30の病院および14の施設に、年間で計500回以上訪問し、子どもたちの笑顔を引き出しています。しかし今年はコロナウイルス感染症の拡大により、病院への訪問が叶わなくなってしまいました。子どもたちはいま、両親との面会時間まで大幅に短くなってしまい、病室でほとんどの時間をひとりで過ごしながら、病気と闘っているのです。   こういう時期だからこそ、子どもたちに笑顔になってほしい。そうした思いからスマイリングホスピタルジャパンでは、訪問活動の代わりに、アーティストの方と協力して塗り絵や紙芝居セット、ステッカーといったアクティビティのプレゼントを行ったり、YouTubeの『スマイリングちゃんねる』で動画配信を行ったりしています。スマイリングちゃんねるでは、マジックや音楽遊び、実験など、子どもたちが観るだけでなく、一緒に手を動かして楽しめる動画を提供しています。すでにその数は計70作以上に!     スマイリングホスピタルジャパン代表理事の松本惠里さんは「病院にはいつ訪問できるようになるか見通しが立たない状況のなか、アクティビティの提供や動画配信を通じて、病院とも子どもたちともつながり続けることが大切だと思っています」と活動を続けていくことの重要性について話してくださいました。スマイリングホスピタルジャパンでは、寄付による支援のほか、ホームページやFacebookのシェアや、アーティストの動画編集のサポートなど様々なかたちで協力してくださる方を募集しています。また、スマイリングホスピタルジャパンをフィーチャーした本が2021年2月に英治出版から登場する予定も。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。 スマイリングホスピタルジャパン     ピースウィンズ・ジャパン 災害の緊急支援から復興まで幅広くサポート   自然災害や紛争、貧困などで生活の危機に瀕した人々を支援する国際NGO、ピースウィンズ・ジャパン。これまでに世界33の国や地域で活動を繰り広げ、数多くの人々に支援の手を差し伸べてきました。今年は新型コロナウイルス感染症の拡大や、各地で起こった自然災害への対応で古今東西、支援活動を繰り広げました。ピースウィンズ・ジャパンが運営する空飛ぶ捜索医療団ARROWS(アローズ)は、1月に中国・武漢へマスクなどの物資支援を開始したほか、長崎に停泊中のイタリア籍クルーズ船や、集団感染病院へ医療支援などを行い、コロナという見えない敵と対峙しました。このほか令和2年7月に日本を襲った豪雨への緊急支援、さらには世界各地での衛生啓発や緊急支援など、幅広い分野で活躍しています。   […]

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Pandaオーナーによる、座談会 Panda愛を大いに語る

Pandaのデビュー40周年を記念して、オーナーの方々に集まっていただき「Panda愛を大いに語り合おう!」という名の座談会を開催しました。1980年に誕生した初代から2代目、そして現行モデルの3代目が大集合。どのような愛が語られたのか、その模様をお届けします。     Pandaオーナーによる試乗会 座談会の会場は代官山T-SITEにあるカフェバー・ダイニングIVY PLACE。この場所は都会のど真ん中、代官山でありながらも120台もの駐車場が完備されているため、数々の車好きのオーナーが足しげく通う場所。朝9時半に駐車場に到着すると、すでに愛くるしい佇まいで歴代のPandaが並んでいました。並んでいるかわいい姿を見るだけで顔がほころび、ホッと心を和ませてくれる存在です。オーナーのみなさんもどこかそのPandaのフレンドリーさを身にまとっている雰囲気。 この日は、フィアット車の試乗会からスタート。用意された試乗車は500、500X Sport、そして2020年10月13日に登場した150台の限定モデルPanda Cross 4×4。Pandaはもちろん、500や500Xとのご対面に、参加者のみなさんは自然と笑みがこぼれている様子でした。       初代オーナー、2代目オーナーの方は「アイドリングストップがついていること自体が衝撃でした(笑) それもとてもスムーズでストップ後の操作が心地よかった」「Pandaらしさが引き継がれていて楽しかった」というコメントをはじめ、現行Pandaのオーナーの方々は「内外装の違いを発見して楽しかったです」「チンクもかわいくて浮気しそうになりました」などなど、新しい発見や走りの楽しさ、面白さを体感できた様子。   試乗会後はオープンテラスがついた開放的な空間でランチをとりながら座談会がスタート。モータージャーナリストの若林葉子さんを司会に迎え、Pandaオーナー6名に加え、FCAジャパンのマーケティング本部長であるティツィアナ・アランプレセとプロダクトマネージャーの生野逸臣を交えて、和やかなムードの中、座談会がはじまりました。     Pandaを選んだ理由を教えてください! 一目ぼれ、憧れ、ライフスタイルがキーワード   座談会のスタートは自己紹介と、Pandaとの出会い、Pandaオーナーになったきっかけを教えていただきました。 山口善之さん 愛車:初代Pandaセレクタ(1994年式)     「もともと車はデザイン重視。Pandaはその終着点ですね。新車から乗り続けて今に至りますが一生付き合う覚悟です。イタリア車、フィアットのこだわりや大衆ブランドというカテゴリーも好きになった理由。イタリア車のシンプルなデザイン、ガジェットな雰囲気、見た目のおもちゃ感。本当に味わい深い車だなと思います」   飯嶋ひろさん 愛車:Panda Easy(2019年式)     「私は2006年から乗っていた2代目Pandaから、昨年現行Pandaに乗り換えました。物心ついた頃から動物のパンダが好きで、社会人になってからは好きなパンダグッズを集めるのがライフワークでした。免許を取得して自分の車を選ぶ際に、車が好きな友人からPandaという車があることを聞き、実際に見に行ったら即決でした。完全なる一目ぼれです」   立迫謙一さん 愛車:2代目Panda(2007年式)     「実は家の駐車場の事情で長さは4m以内、子供が小さいから4ドアがいいなど条件に見合う車を探すことから始まります。いろんな制約がある中でぴったりと当てはまったのは2代目Pandaでした。もともと小型車が好きなこともありますが、僕にとって初めてのイタリア車、Pandaは全然飽きません。本当に楽しい車です」   榊原淑恵さん 愛車:初代Panda セレクタ(1994年式)     「道で見かけたのがきっかけでそれ以来どうしても乗りたいという気持ちと、今乗らないと一生乗れないかもしれないと思い探しました。最終的に今の愛車を見つけたのは出張先の大阪です。それほど長く乗るつもりはなかったのですがすっかりと魅了されてしまいました」   三浦直樹さん 愛車:Panda 4×4(2018年式)     「今の車が初Pandaです(笑) いつかはクラウン…じゃないですけど、いつかはPandaに乗ってみたいという思いがずっとありました。遡れば小さい頃から輸入車の図鑑をよく見ていて、そのときに初代Pandaを見てデザインに衝撃を受けたことを覚えています。実際に選ぶ段階では現行のPandaにしようと思っていたのですが、アウトドアが好きなので今のライフスタイルにとてもマッチしています」   […]

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災害の緊急支援から復興まで。“早く、深く”被災地を支援。ピースウィンズ・ジャパンの活動とその思いを聞く。

Peace Winds Japan(ピースウィンズ・ジャパン)は、自然災害や紛争などにより、生活の危機にさらされた人々の支援や、殺処分の対象となった犬の保護など、さまざまな社会問題に取り組む特定非営利活動法人。1996年の設立以来、「必要な人々に必要な支援を」をモットーに、これまでに33の国と地域で支援活動を展開しています。今回はその第一線で活躍されているピースウィンズ・ジャパンの国内事業部次長の橋本笙子さん、国内事業部の西城幸江さん、コミュニケーション部の櫻井綾子さんにご登場いただき、それぞれの活動やその裏側の話をうかがいました。     まずピースウィンズ・ジャパンの活動で驚くのは、その活動規模の大きさ。災害支援では国内外と広範に展開し、被災直後の緊急支援から復興支援までを行っています。緊急支援については、ヘリコプターまでを配備し、緊急出動に備えています。最近では令和2年7月に熊本県と鹿児島県に大雨特別警報が発令された際に、医師や看護師、レスキュー隊など約30名と救助犬、ヘリ2機などからなる支援チームを現地に派遣し、河川が氾濫した球磨川川周辺の被災地支援を行いました。     また、新型コロナウイルス感染症への対応では、1月末時点で中国にスタッフを派遣し、国内に備蓄されていた医療資器材やマスク50万枚以上を武漢や上海などに届けたことに始まり、1-4月には国内の約1,300の医療・福祉・児童施設にマスク140万枚を配布。さらに長崎に停泊中のイタリア籍クルーズ船コスタ・アトランチカでコロナ感染が拡大した際には、長崎県からの要請を受け、医師・看護師を含むチームを現地に派遣しています。表立って報道されないことも多いですが様々な災害の現場でピースウィンズ・ジャパンの方々が活躍しています。     活動範囲の広さもさることながら、緊急支援に始まり、現地の復興・開発まで、長期に渡り、支援の手を差し伸べているのも、特筆したいポイント。とかく世間の目は次々に起こる新しい災害の方に行きがちですが、被災地の復旧・復興には相当な時間を要することもあります。その主たるものが東日本大震災。ピースウィンズ・ジャパンでは、緊急支援に始まり、今なお地域の復興支援を続けています。例えば宮城県南三陸町に地域の方々が交流できるコミュニティスペース「晴谷驛(ハレバレー)」を設置し、かごづくりなどの活動を通じて、地域の方が趣味ややりがいを見つけたり、そうした活動を通じて他の参加者の方と交流したりして心が晴れやかになるような環境づくりを行っています。なおフィアットもピースウィンズ・ジャパンの東北支援プロジェクトをサポートしています。     こうして様々な支援活動を“早く”、“深く”実行されているピースウィンズ・ジャパン。そうした最前線の裏側では人々がどのように動いているのか、うかがっていきます。     災害が起きたとき、現地に素早く救援チームを派遣されていますが、どの段階で支援を開始するのでしょうか? 橋本さん ピースウィンズ・ジャパンでは、関係団体と空飛ぶ捜索医療団「ARROWS(アローズ)」というプロジェクトを編成しています。空飛ぶ捜索医療団のメンバーたちは常時ネットワークで繋がっていて、災害が発生すると一斉に情報を共有します。被災規模が大きく、被災者がいる場合には、直ちに医師や災害救助犬など医療を中心としたレスキュー隊を派遣します。また台風の場合では、ある程度事前に予想ができますので災害接近の48-24時間ほど前からスタンバイし、現地の災害対策本部と連携して災害の状況を確認し、救援活動を開始します。災害の規模にもよりますが、初期の1週間から2週間くらいまではレスキュー隊の派遣が活動の中心となり、並行してスタッフを派遣し避難所の運営や物資支援を進めていきます。   災害では、時間の経過と共に活動内容が変化すると思いますが、その時々の状況に応じて支援の内容を変えていくのですか? 橋本さん そうです。緊急支援は子育てと同じで、災害の発生直後は0から100まで面倒を見るつもりで従事し、時間が経つにつれ、少しずつ手を離していきます。場合によっては、辛くても、被災された方々の背中を押してあげることも必要だと思っています。被災地の自立のために少しずつ背中を押しながら、我々は去っていかなければなりません。とはいえ、自助・共助・公助といっても、例えば高齢者の多い被災地では、自助や共助には限界がありますので、手を差し伸べることが必要だと思っています。     プロジェクトの終わりはどのように判断するのですか? 橋本さん 終わりの判断はもっとも難しいところですが、被災された方が元の生活を取り戻すために、軌道に乗るところまでは後押しを続けたいと思っています。2018年の西日本豪雨の支援はまだ続けていますし、東日本大震災の東北支援も続いています。海外でも紛争地域の現場などでは終わりが見えないことが多く、長いところでは10年以上活動を続けているところもあります。   スタッフの方々は、本当に立派なことをされていて敬服しますが、いち個人としての生活や人生設計もあるかと思います。そのあたりは両立できていらっしゃるのでしょうか。 橋本さん この業界は女性が多いので、結婚や出産などライフステージにより色々な転機があります。この仕事に就いているからできない、という職場であってはいけないと思っています。個人の生活も守られながら仕事ができる環境づくりは大切だと思っています。   西城さん 自分たちの心と体が健康でないと、人の支援を続けるのは難しいというのが根底にあると思います。緊急の状況で行く10日間と、切迫した状況が過ぎた後の10日間では被災者の気持ちはまったく違います。やはりある程度、大変さの波はありますね。     橋本さん 東日本大震災に対応しているときのことですが、震災から1ヶ月後の4月頃に自分が壊れていくのがわかりました。私自身、心が崩れていくのを感じたのです。幸いにも自分自身でわかったので軌道修正ができたのですが、当時は数々の修羅場をくぐり抜けてきた国際協力の団体のスタッフでさえ、精神的にバタバタと倒れていき、1年や2年復帰できないほどのダメージを負った人もいました。海外であれだけの経験を積んできたのにどうしたのだろうと思いましたが、その時思ったのは、海外の現場への対応は、当事者ではなかったということです。一方、東日本大震災では災害が当事者のこととして重くのしかかってくる。目の前で起こっていることや現地で聞く声がストレートに体に吸収されていきます。やることが目の前に無限にあり、やってもやっても不十分という状況の中で無力感を感じて、メンタルを崩していく人が多いと感じました。   そのようなときはどうするのですか? 橋本さん 私たちの組織の中には労働基準法で定められている範囲でメンタルを含めたケアをチームもありますが、極限の状況下ではそうした人たちのお世話になるというよりは、同じ職場のスタッフ同士のコミュニケーションだったり、仲間との信頼関係だったりが重要だと感じています。私は本部にいて、現場ではプロジェクトリーダーがひとりで活動することも多いのですが、被災者に対してだけでなく、現地のスタッフにも、“あなたは1人ではない”ということが感じることができるように、支え安心させてあげることが必要だと思っています。   西城さん 常に予算に余剰があるわけではありませんから、現場も限られた中で人員配置をしていかなければなりません。現場では災害に対する無力感と隣り合わせのなか、あれもこれもやらなければならなくなる。タフじゃないとやれないですし、家族もある程度タフじゃないと厳しいと感じるかもしれません。   先ほど予算のお話が出ましたが、活動資金は政府の援助がない場合は、企業や個人の方からの寄付金で成り立つものだと思います。櫻井さんは資金を集める側のお仕事を担当されていらっしゃいますが、具体的にどのような活動をされているか教えていただけますか? 櫻井さん 現場での支援活動が表の部分だとすると、私がいるのは裏側の部分。緊急事態が発生し、救援チームが出動するぞとなった時に、裏側ではその活動資金をどう集めるか、という動きが起こります。広報チームが寄付を集めるための広報活動を行い、私の属する支援者サービスチームは、支援者からの問合せに対する準備を行います。     寄付金を集めてプロジェクトを回す。大変なお仕事ですね。 櫻井さん […]

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アジアの将来を豊かなものに。アジア女子大学の活動とその思いを聞く。

自分だけでなく、みんなの幸せを求める時代をつくっていきたい。そうした想いからフィアットは「Share with FIAT」を合言葉に、社会貢献活動をサポート。人と人との想いをつなぎ、社会に笑顔をひろげる活動を行っています。そのShare with FIATのパートナーのひとつであるアジア女子大学(https://asian-university.org)では、アジアの優秀な女性に高等教育の機会を提供し、社会・政治問題に取り組むリーダーの輩出を掲げています。今回はアジア女子大学支援財団の理事を務められ、ゴールドマン・サックス証券の副会長という顔も持つキャシー松井さんに、アジア女子大学の取り組みについてうかがいました。   社会を変革する女性リーダーを   アジア女子大学は、2008年にバングラデシュ・チッタゴンに設立された国際大学。南アジアや東南アジアの教育機会に恵まれない優秀な女子生徒に高等教育の機会を提供し、地域社会やコミュニティのリーダー育成を目指しています。彼女たちの学費は100%近く奨学金で賄われ、大学卒業者がいない家庭の子女を優先的に入学させているのが特徴。彼女たちの出身国では今なお貧困問題や男女不平等な社会環境が残っており、アジア女子大学ではそうした問題に提起できるリーダーを育て上げ、地域の制度を変革しようというビジョンを描いているのです。実際に、政府や非営利団体のリーダーとなった数多くの卒業生を輩出しています。       今回インタビューに応じていただいたキャシー松井さんは、アジア女子大学支援財団の理事を務めると共に、アジア女子大学の日本支援財団代表という立場で生徒の奨学金を捻出するファンドレイジングイベントの実施や、企業や組織に協力を求めるなどの活動を行い、学校運営や学生たちの支援をされています。また、ゴールドマン・サックス証券の副会長を務められ、日本株ストラテジストとして国内外の機関投資家に日本株式の投資戦略を提案する仕事をされています。1999年には「ウーマン」と「エコノミクス」を組み合わせた「ウーマノミクス」というレポートを書き、世間で半数を占める女性という人材の活用が、働き手としても消費者としても経済発展をけん引することを提唱されています。働く女性が増え所得が増えれば、消費も盛り上がり、経済にもプラスになるということを提示した松井さんのレポートは、のちに安倍政権の打ち出した経済政策「アベノミクス」の第三の矢である成長戦略として、女性の雇用拡大を推進する方針の裏付けとされました。松井さんは投資の世界のスペシャリストであり、女性への教育という投資のリターンが大きいことを確信されています。松井さんの提唱するウーマノミクスとアジア女子大学のビジョンは同じ方向を向いているのです。       アジア女性大学の取り組みについて、ご紹介いただけますでしょうか?   「これまでさまざまな学者や有識者の研究、そして私自身もウーマノミクスで提唱しましたが、女性の活躍が社会の成長につながることは社会の共通認識となっています。女性が高等教育の機会を得ると、経済的に独立したり、自らビジネスを立ち上げたり、将来的に自分の子どもに教育機会を与えたりと好循環なサイクルを生み出しやすい。つまり社会へのリターンが大きいのです。現在、アジア女子大学では東南アジアや南アジア、中東など19カ国の生徒が学んでいますが、例えばアフガニスタンやバングラデシュではそもそも高等教育の機関が少ない。あったとしても“これを覚えなさい”、という一方的な教え方をしていて、本当の意味でのリーダーが育ちやすい環境とは言いづらいのが現状です。女性が運転できないという理不尽な制度が残る国もあります。そのような地域では、法律や制度そのものを変えるリーダーを育てないと、これからも同じ状況が続くことになります。そこで未来を担うアジアの優秀な女性たちに高等教育の機会を作り、社会を変革できる人材を育て上げるようという思いから、2008年にアジア女子大学はスタートしました」。         アジア女子大学ではリベラルアーツ教育を掲げサイエンス分野も充実させていますが、教育プログラムも社会で活躍する人材育成を視野に入れたものなのでしょうか?   「そうですね。特定の学問を専門に扱うことも大事ですが、リーダーとなる人材には、オールラウンドな知識が求められます。専門知識があることに加え、討論や英語でプレゼンテーションもできる。そういうスキルを備える必要があります。理系分野では先進国でも男性が圧倒的に多いのが実情ですが、ここも問題だと思うので、理系分野で活躍できる女子を増やしていきたいと考えています。環境関連のサイエンスとか、公衆衛生といった分野はこれから需要が拡大します。今のコロナ問題を見ても、途上国で公衆衛生の問題が挙がっていますので、このような問題に対して解決策を考え、政策を実行できる人材を育てることに注力しています。たとえば2017年には武田薬品工業の協力により公衆衛生学の新たな寄付基金教授職が設置され、同分野における研究者や医師、政策立案者の育成が期待されています」。           アジア女子大学の現在の状況と今後の取り組みについて教えていただけますか。   「全校生徒数は2008年の創立時には120人程度でしたが現在は約900人にまで増えています。生徒数は今後も増やしていくつもりで、将来的には3000人規模まで増やしたいと思っています。もちろんそうなると奨学金だけでは賄いきれませんので、学費を負担できる生徒も含め、より多様性のある教育環境を作りたいというのが長期ビジョンです。連動してキャンパスも新設する予定で、現在はチッタゴン市のビル内で講義を行なっていますが、バングラデシュ政府から提供いただいた56万平方メートル(東京ドーム約12個分)の土地に常設のキャンパスが建設されます。そこに大学院を創設する計画もあります」。         生徒たちの卒業後の進路について教えてください。   「彼女たちの約85%は出身地に戻り、地域のコミュニティに貢献する職などに就き、残りの15%は大学院に進学しています。進路の決定はもちろん自由です。通常のカリキュラムが修了するまでに5年かかりますが、生徒は1年生や2年生の段階からインターンシップを経験します。たとえばユニクロさんにもインターンシップの機会を提供していただいており、生徒は同社のバングラデシュのヘッドクォーターでプロジェクトを与えられ、インターンシップの最後に、日本の本社でプレゼンテーションを行うという実践的な経験を積ませてもらっています。生徒たちはインターンシップ先の企業に就職するケースもありますし、進学を選択する生徒もいます。進学先はオックスフォード大学やスタンフォード大学、コロンビア大学など一流校の合格率もかなり高いです。彼女たちはハングリー精神が非常に強いので、就職や進学にも非常に熱心に取り組んでいます。ほとんどの生徒が寮住まいで共通言語は英語になりますから、語学力も同時に上達するのです」。         松井さんご自身も、生徒さんたちの奨学金の資金調達を行ったり、武田薬品工業さんやユニクロさんと交渉されたりとチャレンジングなお仕事をされていると思いますが、そのような大きな目標やプロジェクトに取り組む原動力となっているものはなんですか?   「自分の両親は奈良県出身の農家で高校までしか出ていないのですが、子ども4人を育て、高等教育の機会も与えてくれました。アジア女子大学の学生と一緒で、自分たちが大学を経験した第一世代なのです。結果、小さな種を蒔いたら色々な花が咲くということを自分自身の目で見てきましたので、次の世代、特に教育環境に恵まれないコミュニティの女性たちにそのことを伝えたいと思っています。それともうひとつは、日本とアジアの距離を縮めたいという思いがあります。日本は例えばアメリカとの距離は縮めようとしていますが、ずっと近いはずの東南アジアとの繋がりは希薄に感じます。日本も自力で成長したわけではなく、アジアに依存している部分が多いにも関わらず、得ているものに対して与えるものが少ないように感じられます。その辺を踏まえ、個人的には日本とアジアの架け橋というか、パイプを太くしたいという思いもあります」         フィアットも女性のエンパワーメントには力を入れていますが、社会貢献を行う企業活動についてどのように感じられますか?   「アジア女子大学はフィアットにお世話になっています。フィアットのような、自社の利益だけでなく、様々なコミュニティと積極的に関わりを持ち、企業として社会活動に積極的に参画する企業がもっと日本に増えることを願っています。今のコロナ禍の状況で、企業の考えや体質が浮き彫りになった部分もあると思います。危機に直面したことで、従業員の扱いやサプライチェーンの管理、危機管理の対応などの問題がクローズアップされましたね。自社の利益だけを追求するのではなく、もっと幅広いSDGs(持続可能な開発目標)といったことを考えていかないと、投資家の目が厳しくなる一方だと思います。私は投資の世界で生きている人間なので、そうした組織の対応力に目がいきます。企業にとしてお金を寄付することはもちろん立派ではありますが、それで終わりというのではなく、組織として社会貢献活動に参加する。そのような企業が日本にもっと増えていくことを期待したいですね」。 […]

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自分らしさが選択できる社会のために。I LADY.の活動とその思いを聞く。

自分らしい人生を、自分で決められるように I LADY.は、女性が心身ともに“健康”に生きられる社会を目指す、ジョイセフによるプロジェクト。健康といっても色々な健康があるけれど、I LADY.が活動の中心としているのは、性と生殖に関する健康。日本は医学が進んでいる先進国ではあるけれど、「性」の問題についていえば、それを取り巻く社会環境や人々の意識には、“遅れている?”と感じる部分も。その背景には、性はデリケートな問題なのでメディアで取り上げられることが少なく、社会の関心が向きづらい事情もあるのでしょう。そこで女性のいのちと健康を守ることを掲げている国際協力NGOのジョイセフが立ち上がり、I LADY.という活動を通じて、性や生殖面における女性の健康や権利にフォーカスしているというわけです。今回はそのI LADY.をけん引するジョイセフの小野美智代さんに、お話をうかがいます。     日本では、10代の中絶より40代の中絶の方が多い。   「性と生殖」の健康というのがあまりピンと来なかったので、具体的にどういう問題があるのか聞いてみました。すると、出てきたのがこの例え。あまり報道されないことですが、40代の中絶は10代より多いそうです。どういうことかうかがいました。 「中絶というと若い子たちという印象が強いと思います。わたしも6年ほど前に臨床の現場で人工妊娠中絶を施す産婦人科医からこの話を聞いたときは驚きました。40代というと不妊治療の話は聞きますが、中絶の報道はあまりされていませんね。中絶の理由を聞くと、わたしはてっきり婚外交渉とかかと思ったら、実際には多くが夫の子。たとえば長男長女が大学生になっていて、もう恥ずかしくて産めないとか、世間体があるとか、経済的な理由、子どもが20歳まで現役で働いて養う自信がない……など。産めないならなぜ避妊しなかったのか?と聞くと、夫がしてくれなかったという答えが返って来ることが多いようです。もちろん、妊娠は女性と男性の両方に起因するものだけれど、女性は自分のことなのに人任せにしてしまう。I LADY.ではこうした問題に着目し、自分の体のことは自分で守るという判断や行動を広めようという活動を行なっています。こうした概念を表したセクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR=性と生殖に関する健康と権利)という言葉がありますが、I LADY.の活動の軸はまさにこれにあたります。わたしたちは、Love Yourself(=自分を大切にすること)。Act Yourself(=自分から行動すること)。Decide Yourself(=自分らしい人生を、自分で決められること)。というキーメッセージを発信し、これを実践できる人を増やしたいと思っています。SRHRの知識や意識を持つことは、自分の人生をよりよく生きる力になるライフスキルだと思っていまして、その普及を目指しています」。     自分に関わる問題ではあっても、人に委ねてしまったり、社会の空気に飲まれてしまったり、 “自分”を周りに合わせてしまう人が多いなか、そこに自分の意思に向き合って自分で選んで決断しようと。自分をもっと大切にしようよと。そういう意識を広めているわけですね。 「日本では、世間の空気に流されることや、自分を出さないことやNOと言わないことが美徳とされているところがあると思います。遠慮という言葉もあります。それ自体を否定はしませんが、時には自分の権利を主張して、流されないようにすることも必要だと思います。まずは気持ちの上で、自分自身を大事にするという意識を大切にしていただきたいですね」。     そうした考えを広めるI LADY.の活動にとって、理想とする社会とはどのようなものでしょうか? 「自分の人生は自分で決める。そういう生き方をしている人を、わたしたちは“I LADY.に生きている”、”I LADY.な人”と呼んでいますが、いまI LADY.に生きるアクティビストは、著名人を含めて155人位います。自分なりの人生を実践している人が100人いるとすれば、その生き方は100通りあるということです。若者たちの自殺が多い日本。先進国で若者の自殺が多い国は珍しいのに、わが国では大人になりたくない若者が年々増えている。そうした時代だからこそ、わたしたちが理想とするのは、I LADY.に生きる人たちが溢れる社会。自分のライフスキルが備わった人たちが増えていくことが理想だと思います。自らの生き方を自分で決め、イキイキとしている方が増えれば、そこに触発されて、自分らしさ=自分の個性に向き合う人が増えていく。他人とは違う自分のことを肯定できるようになって、自己肯定感が高まれば、自然と元気になって生きることが楽しくなる。他者の個性を認め、尊重することが当たり前になると思います。多様性やダイバーシティという言葉をあちこちで聞くようになった今、真の意味でお互いを認め合い、元気を交換し合えるような輪が広まっていくことにも繋がると思うんです」。     最近のI LADY.の取り組みについて教えてください。 「I LADY.に生きているアクティビストを増やして、その方々を皆さまに紹介していくというのが私たちのひとつのミッションです。年を通じてジョイセフが大切にしている記念日がふたつあり、ひとつは3月の国際女性デー、もうひとつは10月の国際ガールズデーです。そこでイベントを開催しアクティビストに登壇してもらい、啓発活動を行なっています。また、ウェブサイトでインタビュー記事を発信したり、【パジャマでおしゃべり】というYouTube企画で対談したりして、彼らがどのようにI LADY.に生きてきたかを発信しています。直近では、9月26日の“世界避妊デー”に、参加無料のオンラインイベントを実施し、9月28日には安全な中絶/流産を選ぶ権利に目を向ける“インターナショナル・セーフ・アボーションデー”というのがあるのですが、それに合わせてアクティビストたちと安全な中絶について考える機会を設定しています。最近は新型コロナウウイルスの影響で実施できないリアルイベントが多いので、オンラインの活動にも力を注いでいます」。     小野さんご自身がそうした活動を取り組まれるようになったきかっけについて教えていただけますか。 「わたしは旧家の初孫で、女の子として生まれてきて、親族にがっかりされたんです。母は男の子を産まなければというプレッシャーを感じていました。結局男の子は生まれず2人姉妹なのですが。でも親族皆が可愛がってくれ、差別されたというわけではなく寵愛を受けて育ちました。一方で、わたしは物心ついた頃から祖父から、うちの跡取りだから婿を取るんだぞと言われ続け、その陰で嫁である母には男の子を産んでくれと言っていたことがわかりました。なぜ男の子じゃなければいけないのか。まだ性差やジェンダーという言葉がわかっていなかった頃に、わたしにはそういう意識が芽生えたのだと思います。ジョイセフに来るきっかけもジェンダーやSRHRに興味があったからです。以前は大学の職員をしたのですが、アジアに旅行した時、カンボジアで出会った友達が2年後に出産で亡くなってしまったのです。当時、出産で亡くなるという理由がわからず質問したのですが、明確な答えは返ってきませんでした。日本では病院で出産するのが一般的ですが、当時カンボジアでは自宅で出産するのが当たり前で、彼女は3日間陣痛で苦しみ、お腹の子とともに亡くなってしまったんです。それで大学でカンボジアの出産事情を調べた時に、ジョイセフに出会いました。ジョイセフが国連人口基金の世界人口白書を日本語訳しており、そこでカンボジアや途上国では多くの女性が出産で亡くなっている現実を知ることになりました。またそれが女性の平均寿命を短くしていることも。そこからこの分野に関心を持ち、ジョイセフに入りたいと思うようになり、3年半後に募集があったので入ったのです」     気持ちいいことを人に伝える   ジョイセフでは、世界に妊娠や出産で命を落とす女性がたくさんいるという現実に目を向け、「ホワイトリボンラン」というチャリティラン・イベントを国際女性デーに開催していますが、これは途上国で女性のいのちと健康を守る活動へのチャリティを行なうと同時に、日本の参加者の女性にも走るという機会を通じて健康を促進する活動だと思います。これもランニングを愛好されている小野さんご自身の体験から発展した活動なのですか? 「わたしが走ることになったのは、東日本大震災の時に出会ったある女性のひと言からでした。避難所で被災者の声をヒアリングし、困っていることがないか聞いて回っていた時に、67歳の女性からどこから来たの?と聞かれ、静岡県と伝えたら、静岡や中部地方は東海地震が起こると言われているけど、対策は取っているかと逆に聞かれたんです。その女性は津波で娘さんを亡くし、残された3人のお孫さんを育てていました。わたしは当時、37歳。亡くなられた娘さんと同い年だったんです。そんな偶然もあり、“あんた子供いるの?””と聞かれ、3歳の娘がいますと答えたら、何かあった時にその子を抱えて走れる、逃げられるくらいの体力をつけておきなさいと言われたんです。お嬢さんと3人の息子は、逃げている時に第二波が来て、7才の子は自力で屋根の上に登れた。5才の子も上がった。お母さんは2才の子を抱えていて7才の子に渡せた。でも自分の身体を上げることができず、体力がつきて第二波で流されてしまったんです。7才と5才の子供は、目の前でお母さんが流されていく姿を見ていたそうです。その話が衝撃的で……。今のわたしは娘を連れて逃げられないと思ったし、健康にも体力にも自信がない。もし明日地震がきたら自分も娘も助からないと本気で思いました。それでわたしはそのことを地元の友人に話し、一緒に運動することを始めたんです。週に1回のウォーキングから始まり、ジョギングをやるようになった。そうしたら明らかに運動する以前よりも健康になり、体力に自信もついて、風邪もひかなくなった。わたしでも変われたので、これを子育て中の母親たちに勧めたいと思い、HiPsというコミュニティを作りました。毎月、満月の日に集まって走って、参加費100円を被災地に寄付するのです。それをホワイトリボンランに移行したのは、わたしが二人目を出産して育休中のとき。国際女性デーが3月8日にあって、ちょうど満月ジョグの日でした。いつもやっている100円寄付を、ジョイセフを通じて途上国の女性を支援しようとtwitterやFacebookに投げかけたら、静岡だけでなく、それが全国に共感が生まれ連鎖した。自分が気持ちいいことを人に伝えたら、それが全国に広がった。いいことを共有するって、こういうことなんだって実感したのです」。     そのホワイトリボンランにはフィアットも出展し、写真を撮ってポストした参加者にミモザの花を配布したりしましたね。最後に今後の展望を教えていただけますか。 「フィアットにはすごくシンパシーを感じています。フィアットのお客さんって、自分のやりたいことを自分で選んでいる女性だと思いますが、ジョイセフのファン、支援者も同様で。ジョイセフは大きな国際組織でないのでそこまで知られていないと思うのですが、ファンの方は自分でこの小さな団体を選んで支援してくれているんです。女性がイキイキしている社会は、フィアットとジョイセフが共通して目指しているところなので、これからも連携して、一緒に活動できる機会を増やしたいです。一人ひとりがLove, Act, Decide yourselfするI […]

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